SIOS Tech Lab アドベントカレンダー2025まとめ|全34記事を一挙紹介

目次

初めに

メリークリスマス!!ども!龍ちゃんです。
いや~クリスマスですね。年末ですし、そろそろいろいろな締め作業がありますね。
実は弊社では、裏でこっそりアドベントカレンダーもどきをやっていました。アドベントカレンダーもどきってのは、アドベントカレンダーって「テーマ」があるはずなんですけど、弊社のブログとエンジニアの特徴上、ネタの一貫性を持たせるのが大変だからって理由だったので「フリーテーマ」ですね。というわけで 12 月は毎日投稿されていたって感じです。この時期で投稿記事が爆増えして、ブログの企画をやっている側としてはにっこにこです。
ざっくりと紹介とまとめを書いていこうと思います。ぜひ興味ある記事を見つけてみてね!

AI・機械学習関連

12 月は AI 活用の記事が盛りだくさんでした。Azure OpenAI からローカル LLM、エージェント連携まで幅広くカバーしています。

Azure OpenAI 入門:モデルのデプロイと python から API を実行

Azure OpenAI を初めて触る方向けの入門記事です。Azure ポータルでのリソース作成から、モデルデプロイ、Python での API 呼び出しまでを丁寧に解説しています。デプロイの種別(グローバル/リージョン、Standard/バッチ)や TPM、動的クォータといった概念もわかりやすく説明されており、これから Azure OpenAI を始めたい方の最初の一歩に最適です。

AzureOpenAI 入門:JSON 形式のデータを出力させる

前回の続編として、LLM に JSON 形式でデータを出力させる方法を解説しています。「JSON モード」と「構造化出力(Structured Outputs)」の 2 つの方法を比較し、構造化出力がなぜキーを保証できるのか、制約つきデコードという技術まで踏み込んで解説しています。アプリケーションに LLM を組み込む際に必須の知識です。

【v0.4】Ragas の最新アップデート情報と Azure OpenAI GPT-5 での評価方法【2025 年 12 月】

RAG 評価フレームワーク「Ragas」の v0.4.0 アップデート情報と、GPT-5 を使った評価方法を紹介しています。GPT-5 の reasoning_effort パラメータを「minimal」と「high」に変えた場合の評価結果比較も実施。faithfulness スコアに差が出ることが確認でき、用途に応じた使い分け指針が示されています。

【LangChain】SQL Agent で RAG に集計・統計機能を追加する方法

セマンティック検索は「完了率を教えて」「担当者ごとの件数は?」といった集計・統計の質問が苦手です。この記事では、LangChain の SQL Agent を組み合わせてこの限界を突破するハイブリッドアーキテクチャを提案しています。LLM がクエリの意図を判断して適切なツールを選択する実装例も紹介されています。

ノート PC で動くローカル LLM 完全ガイド【2025 年 12 月版】

2025 年 12 月時点でノート PC で動作する主要なローカル LLM を徹底比較した保存版記事です。Gemma 3、Phi-4、Qwen2.5、Llama 3.1、DeepSeek-R1 など各モデルのスペック・特徴・日本語性能を公式ソースに基づいて整理。Ollama などの実行環境や、量子化・メモリ使用量などの導入時注意点まで網羅しています。

【FastAPI】SSE で AI の回答をリアルタイムストリーミングする

ChatGPT のように文字が順次表示されるストリーミング体験を FastAPI で実現する方法を解説しています。SSE と WebSocket の違いから始まり、sse-starlette を使った実装、LangGraph からのイベント変換、フロントエンド(React)での受信処理まで、実用的なコード例とともに紹介されています。

もう AI に振り回されない!OpenSpec で実現する予測可能な AI 開発

「Vibe コーディング」の問題点と、その解決策である「仕様駆動開発(SDD)」について詳しく解説した力作記事です。CLAUDE.md の限界から始まり、OpenSpec、Kiro、Spec Kit といった主要 SDD ツールの比較、実際の使い方までを網羅しています。AI に振り回されず、予測可能な開発を実現したい方必読です。

A2A(Agent2Agent)プロトコル入門| MCP との違いと活用メリット

Google が発表した AI エージェント間通信プロトコル「A2A」の入門記事です。異なるフレームワークで作られた AI エージェント同士が連携できるようになる仕組みで、MCP との違い(MCP はツール接続、A2A はエージェント間連携)も明確に解説されています。マルチエージェントシステムに興味がある方におすすめです。

Claude Code 関連

Claude Code の機能を深掘りした記事と、AI 開発の新しいパラダイムについて考察した記事が揃っています。

Claude Code Hooks ガイド:AI コーディングを自動化・カスタマイズする方法

Claude Code の「Hooks」機能を詳しく解説した記事です。Hooks は、ツール実行の前後に設定したシェルコマンドを自動実行する機能で、LLM の判断に依存せず確実に実行されるのが特徴です。PreToolUse、PostToolUse など 9 種類のイベント、設定ファイルの優先度、マッチャーの正規表現パターン、そして実践的な設定例(自動フォーマット、センシティブファイル保護、Bash コマンドのロギング)まで網羅しています。

Claude Code Skills の使い方と汎用テンプレート公開

Claude Code に特定タスクの実行方法を教える「Skills」機能のガイドです。Skills は「新しいチームメンバーに渡すオンボーディング資料」のようなもので、プログレッシブ・ディスクロージャーにより必要な情報だけを段階的に読み込みます。description の書き方が成否の 9 割を決めるという重要なポイントも解説されています。Web 開発向けの汎用 Skills テンプレートも公開されています。

GitHub Spec Kit 入門| AI コーディングエージェントで仕様駆動開発を実践する

GitHub がオープンソースで公開した「Spec Kit」を実際に Todo アプリで試した体験記です。Specify(仕様作成)→ Plan(技術計画)→ Tasks(タスク分解)→ Implement(実装)の 4 フェーズワークフローを採用し、各フェーズにゲートがあることで品質を担保します。Claude Code、GitHub Copilot、Cursor など 15 以上の AI エージェントに対応しており、「思ってたのと違う」を減らしたい方に最適です。

これからの「バイブコーディング」の話をしよう

AI 開発時代における原則の再定義を試みた考察記事です。コードレビュー、DRY 原則、可読性、保守性といった従来の「正しい」原則は、すべて「人間がコードを読み、人間が修正する」という前提から生まれています。AI がコードを書き直す時代には、「入出力が正しければ内部実装は問わない」「一貫性は不要、重複も OK」「保守しない、作り直す」という新しい原則が成立するのでは、という刺激的な提言がされています。

Three.js の Vibe Coding でビジュアルイメージを検討する

Gemini と Copilot を使って three.js で Web ビジュアルを作成した実践記事です。「アスタリスクの 3D 版」「ゴリッと拡大したい」といった雰囲気ベースのプロンプトで AI と対話しながら、数ステップでイメージに近いビジュアルを実装していく過程が紹介されています。完成した three.js コード(コピペで動作可能)も公開されており、バイブコーディングの具体的な成功事例として参考になります。

Kubernetes・インフラ関連

Kubernetes のバックアップ・運用に関する記事が充実しています。Velero シリーズは特に読み応えがあります。

初めての Kubernetes バージョンアップ:Kubernetes におけるバックアップの必要性とデータ管理の課題

Kubernetes のバックアップがなぜ必要なのかを解説した入門記事です。バージョンアップ時に失われる可能性のある要素として「クラスターリソースの設計図(Deployment、Service など)」と「アプリケーションデータ(DB 内のデータなど)」の 2 つを挙げ、etcd と PV/PVC の二軸でバックアップを行う重要性を説明しています。Blue/Green デプロイにおけるデータ移行の課題も詳しく解説されています。

Kubernetes バックアップツール「Velero」の概要

Kubernetes のリソースと永続ボリュームを包括的にバックアップできる「Velero」の概要記事です。PV のバックアップ方式(ボリュームスナップショット、ファイルシステムバックアップ、CSI スナップショットデータムーバー)、アーキテクチャ、バックアップ/リストアのワークフロー、そしてデータベースの整合性を確保する Hook 機能について解説されています。他のエンタープライズバックアップソリューション(Cohesity、Commvault、Rubrik)との比較もあります。

Velero のインストールと基本設定

前回の概要編に続き、実際に Velero を導入する手順を解説した実践記事です。学習用環境として Minikube を使用し、バックアップ先に S3 互換ストレージである MinIO を構築します。Velero CLI のインストール、VolumeSnapshotClass の設定、Helm を使った Velero 本体のインストールまで、コマンドと YAML ファイルを交えて丁寧に説明されています。

GitOps だけじゃない!新たな選択肢「HelmOps」とは?

Kubernetes へのアプリケーション自動デプロイ手段として、GitOps に代わる「HelmOps」を解説した記事です。GitOps が Git リポジトリを信頼できる情報源とするのに対し、HelmOps は Helm レジストリを信頼できる情報源として扱います。CD プロセスで Git を介さずにアプリケーション更新ができるためシンプルな構成になる反面、環境ごとのカスタマイズが難しいというトレードオフがあります。

【Kong 初心者向け】Canary Release Plugin の使い方

API Gateway の Kong を使って、一部ユーザーにのみ新サービスを公開するカナリアリリースを実現する手順を解説しています。Kong Manager での workspace 作成、service/route 設定、Key Auth・ACL plugin の設定、そして Canary Release Plugin の設定まで、スクリーンショット付きで丁寧に説明されています。Enterprise 機能ですが、Kong Academy の virtual lab で試すことができます。

フロントエンド・開発ツール

初心者向けの入門記事から、実践的な CI/CD 構築まで幅広いトピックが揃っています。

Next.js + Storybook + Playwright を Chromatic でビジュアルテスト自動化する

Next.js 14 プロジェクトに Storybook と Playwright E2E テストを導入し、Chromatic でビジュアルテストを自動化する方法を詳しく解説した実践記事です。Storybook のセットアップ、各コンポーネントの Stories 作成例(Button、MessageList、ImportProgress)、Playwright E2E テストの Chromatic 対応、GitHub Actions での自動化設定まで網羅しています。ハマりポイントと解決策も記載されており、導入時に役立ちます。

チンパンジーでもわかる Git/Github【初心者向け】

「サルでもわかる git」がわからなかった筆者が、当時の自分を救うべく書いた超初心者向け Git 入門記事です。グループでレポートを書く例え話から始まり、リポジトリ、クローン、ブランチ、コミット、プッシュ、プルリクエスト、マージといった用語を、大学のグループ課題に例えて説明しています。Git と GitHub の違いも明確に解説されており、これから Git を学ぶ方の最初の一歩に最適です。

UI 基礎:選択式入力の使い分け

入力フォームにおける「ラジオボタン」「チェックボックス」「セレクト」などの選択式 UI コンポーネントの使い分けを整理した記事です。基本ルール(1 件選択で 2〜5 件ならラジオボタン、5 件以上ならセレクト、複数選択ならチェックボックス)から始まり、トグルスイッチ、コンボボックス、デイトピッカーなどの発展的なコンポーネントまで解説。性別、生年月日、都道府県など具体的な事例での使い分けも紹介されています。

Hardhat 3 と Dev Container で Solidity の開発

VS Code の Dev Container を使って Solidity 開発環境を構築し、Hardhat 3 で SmartContract を動かすまでを解説した記事です。devcontainer.json の設定、Nomic Foundation の Solidity 拡張のインストール、Hardhat 3 の初期化、ローカルネットワークでの Contract 実行、Sepolia テストネットへのデプロイまでを順を追って説明しています。Hardhat 3 の keystore 機能を使った秘密鍵の安全な管理方法も紹介されています。

デザインパターン・設計

設計パターンを学ぶシリーズ記事と、マイクロサービスで役立つパターンの解説です。

デザインパターンのすゝめ ~ Iterator パターン編~

『Java 言語で学ぶデザインパターン入門』第 1 章を読んだ感想をまとめた記事です。Iterator パターンは集合要素を順に指していき処理を繰り返し実行するパターンで、本棚(BookShelf)と本(Book)を例に解説されています。配列から ArrayList への変更時も、Iterator パターンを使っていれば BookShelf クラスだけの修正で済み、Main クラスは変更不要という具体例が示されています。

デザインパターンのすゝめ ~ Adapter パターン編~

Iterator パターン編の続編として、Adapter パターンを解説しています。「すでに提供されているもの」と「本当に必要なもの」のズレを埋めるパターンで、既存クラス(Banner)を新しいインターフェース(Print)で使えるように変換する PrintBanner クラスを例に説明されています。HTML 出力への切り替えなど、将来の拡張でもクライアントコードの修正を最小限に抑えられる利点が紹介されています。

アウトボックスパターンとはなにか

マイクロサービスアーキテクチャにおいて、データベースの更新とイベント発行を矛盾なく行うためのアウトボックスパターンを解説しています。ユーザー登録サービスを例に、「DB 書き込み成功・メッセージ送信失敗」「DB 書き込み失敗・メッセージ送信成功」といった不整合が発生するケースを示し、Outbox テーブルを使った解決策を紹介しています。メッセージリレーによる送信と冪等性の考慮についても解説されています。

その他

プロジェクトマネジメント、資格取得、キャリア、コミュニティ運営など、技術以外のトピックも充実しています。

ラスト 1 か月を炎上させないためのプロジェクトマネジメント

初めて PM を担当した筆者が、プロジェクト終盤で多くのバグが発生した経験から学んだ教訓をまとめた記事です。「ウォーキングスケルトン」(フロント・バック・DB が繋がった最小限の動く骨組み)を早期に作ること、「フェイルファスト」の考え方で小さく早く失敗すること、CI/CD と「触れる環境」を早期に整えることの重要性が解説されています。

LT は怖くない!(怖がらない!)LT 実践の心得 5 選

これから LT(ライトニングトーク)で登壇したい方向けの心得を紹介した記事です。「登壇すると決める」「何を伝えるかを決める」「しゃべりすぎない」「スライドに書いていないことはあまりしゃべらない」「楽しむ」の 5 つを中心に、自己紹介は短く、デモは避ける、AI でスライド作成を楽にするなど具体的なコツも紹介されています。

プロジェクト管理入門 – WBS・スケジュール作成

WBS(Work Breakdown Structure)の作成方法からスケジュール作成のポイントまでを解説した記事です。成果物の洗い出し、タスクの分解(1〜5 人日程度の粒度)、依存関係の定義(FS/SS/FF/SF)、バッファ設定、営業日を考慮したスケジュール作成、ガントチャート可視化まで網羅しています。Jira と Notion の比較も掲載されています。

Exchange Online のメール自動転送を制限する

Exchange Online でメールの自動転送を制限し、情報漏洩リスクを軽減する方法を解説した記事です。Microsoft 365 Defender ポータルでのアウトバウンドスパムフィルターポリシー設定、特定ドメインのユーザーに対する自動転送完全禁止、または社内ドメインのみへの自動転送許可(リモートドメイン設定)の 2 つのパターンを、スクリーンショット付きで説明しています。

自宅にデジタルサイネージを導入しました

Raspberry Pi と MagicMirror2 を使って自宅にデジタルサイネージを導入した体験記です。時計、祝日カレンダー、天気予報、ニュースヘッドライン、YouTube ライブ動画を 1 画面で表示し、さらに洗濯物の取り込みタイミングを判断するための「直近の雨予報モジュール」を Vibe Coding で自作しています。実用的かつ楽しい作品です。

AZ-104 合格体験記:効果的な学習法と予想問題集の活用戦略

Azure Administrator Associate(AZ-104)に合格した筆者が、効果的だった学習方法を紹介した記事です。Udemy の予想問題集を中心に学習すること、試験中に MS Learn を参照できる特性を活かして「調べ方」を鍛えること、間違った問題を徹底的に深掘りすること、比較表や図を自作することなど、具体的なアドバイスが満載です。

地方で IT 技術コミュニティを 1 年間運営して得たもの

JAZUG(Japan Azure User Group)静岡支部を立ち上げ、1 年間運営してきた経験をまとめた記事です。「ないなら自分でやってしまえばいい」という発想から始まり、集客の苦労、「現地開催のみ」へのこだわり、運営で得られた技術的視野の広がりやコネクション、「場づくり」スキルの重要性について語られています。

基礎知識ゼロから新卒 1 年|仕事としての技術とマインド

機械工学専攻から未経験で IT エンジニアになった新卒 1 年目の振り返り記事です。学生と社会人のマインドセットの違い、「分からない」を認める勇気、暗記ではなく「調べ方」を知ること、「雑談・相談」の重要性、とにかく手を動かして作りながら学ぶことなど、未経験からエンジニアを目指す方への励みになる内容です。

OSS 鳥観図ワーキングループの活動紹介

OSS 推進フォーラムの「鳥観図ワーキンググループ」の活動を紹介した記事です。OSS 鳥観図は、複雑多岐にわたる OSS を視覚的に俯瞰できるようにまとめたもので、2014 年から毎年更新されています。新規追加・削除・カテゴリ変更の議論プロセスや、OSC・Open Source Summit での宣伝活動、参加方法も紹介されています。

まとめ

いかがでしたか?12 月は本当にたくさんの記事が公開されて、企画している側としてはとても嬉しい限りです。

AI・機械学習から Kubernetes、デザインパターン、プロジェクトマネジメントまで、幅広いトピックが揃いました。ぜひ気になる記事があったら読んでみてくださいね!

来年も SIOS Tech Lab をよろしくお願いします!

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