地方でIT技術コミュニティを1年間運営して得たもの

こんにちは、サイオステクノロジーの佐藤 陽です。
「SIOS社員が今年一年で学んだこと」のアドベントカレンダー3日目です。

今回は、技術そのものというよりも、IT技術コミュニティの「運営」の話について書いていきます。
私は、2025年2月からJAZUG(Japan Azure User Group)静岡支部である「JAZUG Shizuoka」の運営を始めました。

自分は今年1年、「アウトプット力を更に高める」をテーマに動いてきており、その中核になったのが、このJAZUG Shizuokaの立ち上げでした。

運営を始めてから、気づけば1年弱が経ち、これまで3回のイベントを開催してきました。

地方(静岡)でIT技術コミュニティを再興し、運営することで見えてきた「苦労」と、
それ以上に大きかった「メリット」について、振り返りを兼ねてまとめたいと思います。

地方でエンジニアをしていて「何か新しいことを始めたい」と思っている方の参考になれば幸いです。

なぜ静岡支部を立ち上げたのか?

東京では連日のように盛んなITイベントが開催されています。
しかし、静岡に住んでいると、時間やお金の都合で頻繁に参加することはできません。
「参加したいけれどできない」というもどかしさが常にありました。

オンラインで参加できるイベントもありますが、どこか受け身になってしまい、なかなか満足のいく体験には至っていませんでした。
それでも、エンジニアとして成長できる場として技術コミュニティへの強い憧れがありました。

もちろん静岡にもいくつか技術コミュニティはありますが、なかなか自分にマッチするものが見つからず…。
Azureコミュニティも以前は静岡に存在していたのですが、活動が休止している状態でした。

そんな折、ひょんなことからその以前の静岡のAzureコミュニティの方とつながる機会があり、そこからの流れでJAZUG本体の方とも繋がって、色々とお話をする機会をいただきました。

その過程で、

ないなら、自分がやってしまえばいいんだ。

と思い立ち、JAZUG Shizuokaの運営をスタートさせました。

初回イベント

意気込んで始めたものの、現実はそう甘くはありませんでした。

イベント公開後も想像していたよりも集まりは悪く、集客の難しさを痛感したスタートでした。
そのため会社の同僚や、知人のエンジニアに片っ端から声をかけて、なんとか最低限の参加者を募ることができました。

ただ、嬉しい誤算もありました。

参加者はなかなか集客に苦労しましたが、
登壇者に関しては、一般公募でLT(ライトニングトーク)枠が、すぐに定員に達しました。

地方にも、アウトプットしたい熱意を持ったエンジニアは確かにいる!

と実感できたことは、運営を続ける大きなモチベーションになりました。

そんなこんなで初回のイベントは、参加者の皆さんのご協力もあり、大きなトラブルもなく終えることができました。  
そこから第2回・第3回の開催へとつながっています。

「現地開催のみ」にこだわる理由

今の時代、オンライン配信を併用するハイブリッド開催が主流かもしれません。
オンラインにすれば全国から参加でき、集客人数も稼ぎやすいかと思います。

しかし、JAZUG Shizuokaでは あえて「現地開催のみ」 にこだわっています。
これは、オンライン要素があることで地方支部としての存在意義が薄れてしまうと考えたからです。

実際、現地に集まった参加者同士で話すと、

  • 「あ、あの会社の方なんですね!」

といったローカルな共通点が見つかったり、地元のエンジニア事情などの「濃い話」で盛り上がったりすることが多々ありました。
これは、現地開催だからこそ生み出せた価値だと思っています。
そして今後もこの点は継続していきたいと思っています。

運営して得られたもの

エンジニアとして、運営を通じて得られたメリットは非常に大きかったです。

1. 技術的な視野の広がり

自分ひとりで仕事をしていると、どうしても業務で触る機能や領域に知識が偏ってしまいます。 もちろん参加者として話を聞くだけでも勉強になりますが、運営(特に司会進行)を担うことで、「登壇者の話を誰よりも理解して、会場に橋渡ししよう」という良い意味でのプレッシャーが生まれました。

その結果、ただ漫然と聞くのではなく、他社の活用事例や普段触らないAzureの機能についても、以前より深く、自分事としてキャッチアップする姿勢が身につきました。

今後の個人的な課題

これに関連して、運営(司会)としては、LTで登壇してもらった後に、

「ありがとうございました。〇〇の技術って、やっぱり××なんですね。」

といった一言気の利いたコメントをしたいのですが、自身の技術力不足で、なかなかうまくコメントできないことも多くあります。
このあたりからも、やはり浅く広くでも知識を持っておきたいなと感じています。

2. コネクション

運営をするにあたって、今回であればJAZUGの方々とのつながりを持てたことが大きかったです。
また、X(旧Twitter)などで公募した際には、Microsoftの人や、界隈で著名な方にもリアクションをいただきました。

東京のITイベントに参加した際にも「あのJAZUG Shizuokaの!」といったことがあったりもしました。
こうしたつながりの一本一本はまだ細い線かもしれませんが、いつか大きなものにつながっていくのではないかと感じています。

3. 「場づくり」というスキル

技術力(ハードスキル)だけでなく、チームの成果を最大化する「場づくり」の力(ソフトスキル)の大切さを痛感しています。

運営を通じて必要となる「参加者が発言しやすい空気感を作る力」や「人を巻き込む力」は、そのままチームマネジメントにも通じるものがあると思います。
また、サードプレイスという、いつもとは異なる環境でこのような経験が出来ることは自身のキャリアに活きてくる部分と感じています。

まだまだ自分自身として未熟な部分ではありますが、このスキルの重要性を感じられたことは非常に大きな収穫であると感じています。

4. ITイベントへの参加率向上

当たり前ですが、運営メンバーなのでイベントには毎回参加します。
さらに、運営側の特権として、開催時期や場所、時間帯などをある程度自由に決められます。

自分は子供も小さく、なかなか関東(への遠征や、夜遅くに開催されるイベントへの参加が難しい状況です。
そういった場合、「自分が参加できる日時・場所」でイベントを開催してしまえばよいのです。

これはある種の職権乱用かもしれませんが、自分が確実に参加できる条件で場を作ることで、結果として自分自身の技術イベント参加率は確実に上がりました。

今後について

これからは「細く長く」続けていきたいと思っています。

無理に規模を拡大するのではなく、継続することで信頼を積み重ねていきたいです。
願わくば、このコミュニティをきっかけに地元の企業同士のコラボレーションなどが生まれたら、最高だなと考えています。

ということで、是非JAZUG Shizuokaへのご参加の方お待ちしております!
開催のお知らせについてはconnpassXを要チェックです!

最後に

地方在住で、なかなか参加するコミュニティなどが無くてもどかしく思っている方へ!
いっそのこと、自分でコミュニティを立ち上げてしまうのはどうでしょうか?

地方でコミュニティを運営するのは、確かに集客などの面で大変です。
ですが、そこで得られる 繋がりや、運営の経験は、何物にも代えがたい資産になると思います。

今ではConnpassで公開するだけでイベントを開催できますし、SNSを利用して無償で宣伝も行えます。
仮に参加人数が集まらなかったり、うまくいかなくてもリスクはほとんど無いかと思います。

いずれ仲間はきっと見つかりますし、エンジニアとしての世界が間違いなく広がると思います。
是非検討してみてください!ではまた!

ご覧いただきありがとうございます! この投稿はお役に立ちましたか?

役に立った 役に立たなかった

1人がこの投稿は役に立ったと言っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です