こんにちは、今回はAzure製品の一つである「Azure DNS」をご紹介します。
【Azureでメールサーバ #1】 送信メールを迷惑メールにさせない方法!!
【Azureでメールサーバ #2】 Mailmanを利用し、メーリングリスト送信を実現する方法!!
【Azureでメールサーバ #3】 Azure DNSを利用し、メールサーバを外部公開する方法!! ← ここ
【Azureでメールサーバ #4】 メール送信者の「sendgrid.me 経由」を非表示にする方法!!
Azure DNS はMicrosoft社が管理するドメインネームシステムで、非常に高速かつ高可用性であるとのことです。
DNSゾーンの追加削除や各種レコードの設定が可能です。
Azure DNSはレジストラではないため、「***.com」や「***.net」などのドメインの新規購入は出来ないようですので、Azureで構築したサービスをインターネットに公開する場合は、事前にドメイン取得業者からドメインを購入する必要があります。
以下の利用例は事前にドメイン「siostest.com」を取得している前提とし、メーリングリスト用サブドメイン「ml.siostest.com」を新規作成し、Azure DNSに委任します。
目的
Azure DNSにサブドメイン「ml.siostest.com」を委任し、以下記事にて構築したメールサーバ(MTA)を利用してメール送信する。
サブドメイン作成
ゾーン新規作成
[新規] > [ネットワーキング] > [DNS ゾーン] を選択し、「DNS ゾーンの作成」画面を開きます。画面に従い、必要事項を入力し、「作成」ボタンをクリックします。
今回は名前に「ml.siostest.com」と入力します。
ゾーン一覧より、DNSゾーンが作成出来たことがわかります。
ネームサーバ確認
サブドメイン名をクリックし、管理画面が開きます。
自動で「SOA」レコードと「NS」レコードが登録されているので、「NS」レコード値を確認します。
4つのDNSサーバが登録されているので、全てメモします。
サブドメイン委任設定
親ドメイン「siostest.com」のゾーン管理(※1)より、サブドメイン「ml.siostest.com」のゾーンを新規作成し、その「NS」レコードの値を上記でメモした4つの「NS」レコード値に変更します。(※2)
※1:ドメイン取得業者により異なります。
※2:ドメイン取得業者により出来ない場合があります。
レコード追加
Azure DNSのDNSゾーン管理画面より、「レコード セット」をクリックし、「レコード セットの追加」画面を開きます。
今回はメール送信することを目的としているため、「MX」レコードのみ設定しています。
①名前 :空白
②種類 :MX
③TTL :変更無し
④優先設定 :10
⑤メール交換:メールサーバのFQDN
動作確認
DNS動作確認
正常にDNSが登録されているか確認します。
DNSサーバは「Google Public DNS」を指定しています。
digコマンドまたはnslookupコマンドより、メールサーバのFQDNが表示されていれば、正常に動作しています。
【digコマンド】
# dig ml.siostest.com mx (中略) ;; QUESTION SECTION: ;ml.siostest.com. IN MX ;; ANSWER SECTION: ml.siostest.com. 3599 IN MX 10 [メールサーバのFQDN] ;; SERVER: 8.8.8.8#53(8.8.8.8)
【nslookupコマンド】
# nslookup -type=mx ml.siostest.com Server: 8.8.8.8 Address: 8.8.8.8#53 Non-authoritative answer: ml.siostest.com mail exchanger = 10 [メールサーバのFQDN] Authoritative answers can be found from:
メール送信確認
メールソフトより任意のMTAサーバから「ML名@ml.siostest.com」宛にメール送信すると、MLに登録したアドレス宛にメールが送信されます。
まとめ
今回は「Azure DNS」の利用方法をご紹介させて頂きました。
一般的なDNSゾーン編集は可能ですので、構築経験がある方であればすぐに利用できるかと思います。
また、レコード反映が非常に早いため、Azureで構築したサービスのドメインを管理する際に有用であると思われます。
サイオステクノロジー株式会社 山田