目次
発足の目的と経緯
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会(以下、当協会)は、2016年6月に設立した一般社団法人です。試験を通じて、Pythonの学習目標を提供し習熟度を測るだけでなく、Pythonicと言われるPythonのフィロソフィーおよびPythonの普及を推進したいと考えています。
詳細は以下のとおりです。
設立理由
Python市場が広がる際に、Pythonicを理解した人材が育成されるよう、学習の指針となる試験、教材認定、そしてスクール認定を行い、健全なPython人材育成を支援するべく、発起しました。
設立日
2016年6月29日
設立目的
- Pythonをこれから始める人などを対象に、学習の目安を提供し習熟度チェックを行う
- プログラミングフィロソフィー「Pythonic」の普及推進を行う
- Python関連の一団体として試験関連の情報発信を行い、Pythonの普及を推進する
運営メンバー
- 代表理事 吉政 忠志(吉政創成株式会社 代表取締役)
- 試験問題監修およびコミュニティ支援 寺田 学(株式会社CMSコミュニケーションズ 代表取締役、一般社団法人PyCon JP 代表理事)
- 監事 佐藤 治夫(株式会社ビープラウド 代表取締役社長)
認定試験の仕組みと具体的な出題内容
認定試験は二つの分野を準備しています。
– Python 3 エンジニア認定基礎試験
– Python 3 エンジニア認定データ解析試験
どちらの試験も、指定の試験センターにおいて個別に、40問の選択式問題をコンピュータで回答する形式です。事前に申し込めば、いつでも全国の試験センターで試験を受けることが可能です。
試験範囲は、次のように指定の主教材の内容を元に、基本的な知識を問う内容となっています。
項目 | Python 3 エンジニア認定基礎試験 | Python 3 エンジニア認定データ解析試験 |
---|---|---|
概要 | 文法基礎を問う試験 | Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う試験 |
受験料金 | 1万円(外税) 学割5千円(外税) | |
問題数 | 40問(すべて選択問題) | |
合格ライン | 正答率70% | |
試験センター | 全国のオデッセイ コミュニケーションズCBTテストセンター | |
出題範囲 | 主教材のオライリー・ジャパン 「Pythonチュートリアル 第3版」 より決められた比率で出題 |
詳細は現在調整中 |
認定試験が評価すること
出題範囲の内容を網羅的に理解しているかを問いています。これらの試験に合格することで、エンジニアとして基本的な用語を理解し、この技術を業務で使える前提が整っていることを評価するようにしています。
また、当協会の設立目的にある、「Pythonic」なコードについての理解を深められるようになることを評価しています。
試験開始までのタイムスケジュール
一つ目の試験である「Python 3 エンジニア認定基礎試験」のベータ試験を、都内中心に開催しています。ベータ試験は、試験問題の評価を行う重要なステップとして行っています。ベータ試験からのフィードバックを元に問題の見直し、レベル感を調整しています。
本試験は、2017年4月から全国のオデッセイ コミュニケーションズCBTテストセンターにて受検ができるように準備を進めています。
また、二つ目の試験である「Python 3 エンジニア認定データ解析試験」についても、問題作成の準備を進めています。テスト開始時期は未定ですが、2017年度には開始したいと考えています。
受検を目指す方へ
まずは、主教材が理解できるかどうかで勉強方法が変わります。
主教材に書かれていることがある程度理解できる場合、テスト範囲を重点的に何度か読み、実際にコードを写経し、動かしながら実際の動きを確認していきましょう。コードを実行する際は、Python標準のインタラクティブシェルやJupyter Notebookなどを使って実行することをオススメします。
もし、主教材を読み進めるのが難しい場合は、以下のような勉強方法を行い、徐々にでも主教材が理解できるようになっていってください。
- 認定スクール(今後開講予定)にて学習する
- コミュニティが開催するチュートリアルや勉強会に出て学習方法を見つける
- 初心者向けの書籍を探す(コンピュータ言語初学者向けの本を読んで見るというのが良いでしょう。)
- ネット上にある学習教材を使う(動画などでの講習や無料のテキストも多く公開されています。)
次に、興味がある分野の事柄に対して、簡単なものを作り実行してみましょう。例えば、データ解析に興味があれば興味のあるデータを解析してみたり、Web系に興味があればスクレイピングなどでデータを取得して加工したりすると面白いと思います。
追加の教材やネット上にあるリソースを使って学習すると、より理解が深まり、合格出来る可能性が上がるでしょう。
本認定試験の果たす役割
Pythonが使われる分野が広がり、Pythonの学習をしたいという多くの声を聞いています。その中で自身の指標を測るひとつの方法として、本認定試験が使えると考えています。また、当分野で業務を行う最低限の知識を有していることが証明される事になり、エンジニア採用における一つの指標になってくれることを願っています。
著者プロフィール
寺田 学 (@terapyon)
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 試験問題監修およびコミュニティ支援担当
株式会社CMSコミュニケーションズ 代表取締役 / 一般社団法人PyCon JP 代表理事
Python製WebフレームワークZope / Python製CMS Plone に惚れ込み、2005年にZope/Plone専門のシステム開発会社を設立。Zope/Ploneの専門家として,大学系・公共系などのCMSコンサルティングや構築を手がけている。Ploneコアコミッターとして,Plone4の日本語検索部分を担当した。OSSに寄与し業務で使うことを実施している。
2010年アジアで初めて開かれたPyCon APAC 2010 シンガポールに参加したことをキッカケに、PyCon JPの開催に寄与し、PyCon JP 2011 / PyCon JP 2012 / PyCon APAC 2013 in Japan の座長を努める。2013年に法人化した一般社団法人PyCon JPの代表理事を務める。