de:code 2019レポート 〜 【セッション】上級サポート エンジニアの経験お伝えします:Visual Studio 2019 でメモリー リークを追え! 〜

◆ Live配信スケジュール ◆
サイオステクノロジーでは、Microsoft MVPの武井による「わかりみの深いシリーズ」など、定期的なLive配信を行っています。
⇒ 詳細スケジュールはこちらから
⇒ 見逃してしまった方はYoutubeチャンネルをご覧ください
【3/22開催】テックブログを書こう!アウトプットのススメ
1年で100本ブログを出した新米エンジニアがPV数が伸びなくてもTech Blogを書き続ける理由とは?
https://tech-lab.connpass.com/event/312805/

【4/18開催】VSCode Dev Containersで楽々開発環境構築祭り〜Python/Reactなどなど〜
Visual Studio Codeの拡張機能であるDev Containersを使ってReactとかPythonとかSpring Bootとかの開発環境をラクチンで構築する方法を紹介するイベントです。
https://tech-lab.connpass.com/event/311864/

こんにちは、サイオステクノロジー技術部 武井です。今回は、de:code 2019で行われた「上級サポート エンジニアの経験お伝えします:Visual Studio 2019 でメモリー リークを追え!」というセッションのレポートをお届けします。

IMG_0015

本セッションは以下のような方にオススメです。

不断の努力でアプリケーションを開発して、やっとの思いでリリースしたのに「コンピューターのメモリが不足しています」というメッセージに涙で枕を濡らしたことがある

ちなみにスピーカーの牧大介氏は、私自身、サポートでお世話になった方で、何度も何度も何度も窮地を助けて頂きました。毎度の「至急」にも快くご対応頂きましたm(_ _)mまた、このような形でお会いできるのが非常に光栄です。

このセッションのすごいところ

かなり実践に即した内容でした。本セッションの内容は、すぐに現場に適用可能といっても過言ではございません。スピーカーの牧大介氏がVisual Studioを起動して、その場でコーディング、メモリーリークを意図的に発生させて、プロファイルを取得して解析、問題のあるオブジェクトを発見するという、まるでリズミカルな音楽を奏でているような、もしくはスリリングな展開のドラマを見ているような臨場感の溢れるセッションでした(^o^)見ていて興奮しました。

メモリーリーク

アプリケーション開発者なら誰もが経験したことがあるであろう、あの忌まわしきOutOfMemoryのエラーメッセージと同時に、アプリケーションが落ちるアレです。一旦これを目にすると、休日も気になってしょうがなくて、心ここにあらず、食事も喉を通らないような状態になってしまいます。つらみー。

IMG_0023

本セッションでは、その解決方法を非常に論理的にわかりやすくご説明されていました。

レガシーな対処方法

セッションは、(おそらく)サポート宛に来たよくある質問を例に挙げて、それ対する回答をスピーカーである牧大介氏が回答するという形で進みました。

今回の最も核となる質問は以下でした。

IMG_0074

「レガシーな方法」と「イマドキな方法」を比較していました。まずはレガシーな方法から。

ダンプファイルを取得して解析するという手法です。コマンドは以下のとおりです。

procdump.exe -ma -a -r someapp.exe C:\temp\1.dump

ただしあくまでこのコマンドで取得できるのはダンプ情報であり、スナップショットです。そのダンプを取った時点での情報です。このように、たった一つのスナップショットだけでは、オブジェクトの傾向(どのオブジェクトが増えているかとか)を知ることは出来ません。

以下のように、procdumpコマンドで取得したダンプ情報をwindbgで解析している様子がセッションで公開されていました。

IMG_0082

見るだけでうんざりしてしまうような感じですね、、、(´・ω・`) こんなのを解析してメモリリーク突き止めるなんて、徒手空拳、体当たりでの中央突破っていう感じです・・・(><)

イマドキな対処方法

先程ご紹介したメモリーダンプのスナップショット取得という方法ではなく、もっとインテリジェントでエレガントな方法がセッションの中で披露されていました。

それが、Visual Studioによるメモリ解析です。

この方法は端的に言ってしまうと以下でございます。

Visual Studioでデバッグ実行中のアプリケーションに対して、メモリのスナップショットを定点観測的に複数回取得し、その差分を観察することで、増加したオブジェクトを分析する。

イメージにしますと、こんな感じです。

Screen Shot 2019-06-06 at 19.45.06

なんかすごそうな雰囲気醸し出してますよね。オラワクワクすっぞ〜。

では、実際にやってみましょう。

牧大介さんのセッションのようにライブ感溢れるレポートをお届けします。

以下のようなコードを作成してみました。これは、本セッションで紹介されたコードです。Dictionary型の変数をForm1のインスタンス変数として持っていますので、ボタンをクリックするたびに100MBずつメモリが増加していきます。ちなみにGCするボタンがありますが、変数dは強参照になりますので、ガベコレでクリアされません。

public partial class Form1 : Form
{
    Dictionary<string, byte[]> d = new Dictionary<string, byte[]>();

    public Form1()
    {   
        InitializeComponent();
    }   

    private void button1_Click(object sender, EventArgs e)
    {   
        d.Add(Guid.NewGuid().ToString(), new byte[100 * 1024 * 1024]);
    }   

    private void button2_Click(object sender, EventArgs e)
    {   
        GC.Collect();
        GC.WaitForPendingFinalizers();
        GC.Collect();
    }   
}

 

デバッグ実行してみましょう。普段はすぐ閉じてしまう(><)診断ツールを表示しておきます。これがキモですので。

Screen Shot 2019-06-06 at 19.50.25

 

まずいちばんはじめのスナップショットを取得します。「スナップショットの作成」をクリックします。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.05.16

 

スナップショットが作成されました。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.06.00

 

ここで「メモリを増やす(´・ω・`)」ボタンをクリックします。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.08.15

 

「診断ツール」のメモリが上がりました。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.09.11

 

もう一回クリックしてみます。

Screen Shot 2019-06-06 at 21.19.05

 

さらに上がりました。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.10.38

 

もう何回かやってみましょう。ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.09.43

 

あ、

Screen Shot 2019-06-06 at 20.12.34

 

OutOfMemoryで落ちてしまいました(><)やっちまったなぁ~。大変申し訳ございませんでした。もう一回気を取り直してやり直します。3回位にとどめておきます。そして診断ツールは以下のようになりました。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.15.07

 

そしてスナップショットを取ります。「ヒープサイズ(相違)」の「+307,200.61KB」をクリックします。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.15.29

 

すると、一回目のスナップショットと、2回目のスナップショットの差分が出てきます。「サイズの相違(バイト)」を見てみますと、明らかに怪しげなものがあります(¬_¬。)「GCTest.Form1」ってさっき、OutOfMemoryを引き起こすコードを書いたFormですよね。「GCTest.Form1」をクリックしてみます。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.19.14

 

「参照された型」をクリックしてみます。

Screen Shot 2019-06-06 at 20.23.03

 

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

Screen Shot 2019-06-06 at 20.24.09

 

Dictionary<string, byte[]>って例のアレぢゃないですか。しかも300MBってちょうど100MB × メモリを増やす(´・ω・`)をクリックした回数(3回)ですよね。

途中、ポチポチしすぎて、アプリをOutOfMemoryで落とすという失態がアリましたが、まぁ、ライブ感は出てましたよね。これで犯人は突き止めました。

まとめ

すごいですね。もうくせになりそうです。三度の飯よりプロファイル、どんと来いOutOfMemory。では、快適なプロファイルライフを!!No Profiling,No Life!!ずんちゃずんちゃ。

figure_danceそういえば、Javaでも似たようなアプローチがあります。こちらもあわせてご覧頂き、Facebook等でシェアをお願いしますm(_ _)m 皆様のいいね!やシェアが私の承認欲求を満たします。

OutOfMemoryに泣く

 

アバター画像
About 武井 宜行 267 Articles
Microsoft MVP for Azure🌟「最新の技術を楽しくわかりやすく」をモットーにブログtech-lab.sios.jp)で情報を発信🎤得意分野はAzureによるクラウドネイティブな開発(Javaなど)💻「世界一わかりみの深いクラウドネイティブ on Azure」の動画を配信中📹 https://t.co/OMaJYb3pRN
ご覧いただきありがとうございます! この投稿はお役に立ちましたか?

役に立った 役に立たなかった

1人がこの投稿は役に立ったと言っています。


ご覧いただきありがとうございます。
ブログの最新情報はSNSでも発信しております。
ぜひTwitterのフォロー&Facebookページにいいねをお願い致します!



>> 雑誌等の執筆依頼を受付しております。
   ご希望の方はお気軽にお問い合わせください!

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*


質問はこちら 閉じる