こんにちは。サイオステクノロジー技術部 加藤です。de:code2019のセッションレポートをお届けします。
今回はこちらのセッションについてお送りします。
スピーカーは日本マイクロソフト社の福原 毅氏でした。このセッションではアプリ監視を実装するアプリケーション開発者を対象にAzure Monitorとは何か、Azure Monitorで実現できるAzureの管理を紹介したものになります。Azureの監視を一手に担うサービスとなったAzure Monitorを理解、活用するために、体系的で非常にわかりやすい内容となっています。
目次
Azure Monitorとは何か
Application insigts? Log Analitycs?
セッションではまずAzure Monitorのブランド変更について紹介されました。Azure Monitorは2018年9月にブランドを変更し、これまでの監視サービスであったApplication Insights、Log AnalyticsがAzure Monitorへ統合されました。その後2019年2月にLog AnalyticsがAzure Monitor Logsへ用語変更されています(ただし、Log Analyticsワークスペースの名称変更は行われないとのことでした)。これらのブランド変更で提供機能に変更はなく、Azureの監視を1つのサービスで一元的に管理できるようになりました。
中でもAzure Monitor LogsはAzure内外の仮想マシンのOS、Azureサービスのログ・メトリック、Azure Active Directoryのログを一元的に管理することができます。例えば、Kubernetesの抽象化されたレイヤの監視を行うことができるわけです。アプリケーション開発者にとっては、アプリ内のログだけでなくインフラ部分のパフォーマンスやアプリユーザーのログを簡単に管理、参照できるようになるのは開発スピード向上の一助となるのではないでしょうか。
Azure Monitorの導入事例
Azure MonitorでDevOps監視を行った事例としてスウェーデンの保険会社であるIf Insurance社の導入事例が紹介されました。If Insurance社の従来の監視の課題は以下にありました。
- 監視ツールが複数存在
- 監視のセットアップと構成が手作業
- End to Endの診断ビューの限界
複数の監視ツールが稼働しているために監視の構成管理が煩雑となり、DevOps監視を担当するチームが全社の開発グループの要望に対応しきれないという課題のようです。また、アプリ監視は開発チームが担当することでアプリ、インフラ間の統合的な分析が難しくなることも挙げられます。
Azure Monitorを活用することでクラウド・オンプレミスに関わらずシステムの情報を集約しAzure Monitor内で一元的なログ監視、分析、アクションの実行ができるようになります。監視チームが有用な情報が開発チームに与え、開発スピードが上がった実績がIf Insurance社であるようです。
Azure Monitor Logsのデータソース
Azure MonitorではAzureテナントからApplicationまでフルスタックで情報を取得することができます。特に、OS以上のレイヤーはエージェントをAzure、オンプレ、他社クラウドのリソースにインストールすることでAzureリソースに関わらず取得できるようになります。それぞれ取得できる情報、出力先が異なってくるのでデータソースの種類を知っておくことが重要だと福原氏はおっしゃっていました。
このデータソースの種類は本セッションのスライドでも纏められています。簡潔で分かりやすい内容となっているので、「Azure Monitorで取得できるログを把握しておきたい」ときにおすすめの資料です。
最後に
Azure Monitorはログの収集だけでなくその先の分析やアクションを含めたサービスです。本セッションは収集に焦点を当てたものですが、監視系のその他のセッションも数多く用意されており、注目度の高さが伺えます。サービスの機能を存分に利用してエンジニアが開発に集中できる環境を目指していきたいですね!