OSS on Azureことはじめ 【連載第2回】 – Linuxのお話# more

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第2回: オープンソースの代表格Linuxの話題を# more

こんにちは、赤井です。かなり暑くなって体がまだ暑さに慣れない時期なので疲れますね。

さて、全開にいっぱいではなく、全快して快調でなく、前回に引き続いて、Linuxの話題を続けます。

Marketplace にあるLinux ディストリビューションとサポートについて、紹介します。

MarketplaceにあるLinuxディストリビューションは、Azure ポータルにログインしてVirtual Machinesから選択します。現在のAzureポータルは、2015年12月にリニューアルされたため、少し前にAzure上でLinuxの利用を紹介する記事とはちょっと違うことに注意が必要です。

column_a02_001Linuxを仮想マシンとして利用することになるのですが、メニューでは、Virtual Machines から選択することになります。
column_a02_002
Marketplaceで用意されているLinuxディストリビューションを以下にリストします(他にもあるかも知れませんが)。
それぞれサポートバージョンの違いがありますので、インストールできる仮想マシンはさらに多くなります。

ディストリビューション公開元
Asianuxミラクル・リナックス
CentOSOpenLogic
CoreOSCoreOS
Debiancredativ
OpenSUSESUSE
Oracle LinuxOracle
Red Hat Enterprise LinuxRed Hat
SUSE Linux Enterprise ServerSUSE
Ubuntu ServerCanonical

現状のMarketplaceでは、各Linuxディストリビューションの説明はすべて英語です。これは、日本企業のミラクル・リナックスであっても変わりません。ただし、各公開元情報に記載されている内容は特に難しい内容ではないので、問題はないと思います。

column_a02_003

初心者にとって難しいのが、無償で利用できるDebianやCentOSと、有償で利用するRed Hat Enterprise Linux やAsianuxが同列にリストされて、どちらも公開元として企業名が入っていることがあります。

そのため、それぞれのディストリビューションごとに調べていく必要があります。

Asianuxについては、ミラクル・リナックス社のページに購入方法、価格、利用手順が画面ダンプを付けて紹介されています。実は、このページを最初に見ることをオススメします。

https://www.miraclelinux.com/product-service/azure/purchase

column_a02_004こちらを読むと、Asianux を購入するには、以下の方法があることが紹介され、それぞれの手順がわかります。

(A)Microsoft Azure Marketplaceから購入
(B)Microsoft Azureパートナーから購入

この手順をまず理解しておくと、他のディストリビューションの購入方法が理解しやすくなります。
他のディストリビューションの価格やサポート情報がなどの多くが英語の情報であり、かつ読み込まないとピンとこないことがあるからです。
次に、Azure公式サイトのPricingページを参照することが重要です。

Azureポータル内部からリンクをたどると、日本語ページではなく、英語ページにたどりつきます。そのため、日本語ページにたどり着けない人もいるのではないでしょうか?

まず、トップページとなる
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/virtual-machines/

英語:
https://azure.microsoft.com/en-us/pricing/details/virtual-machines/#Linux
を見ましょう。

ここには、以下の様に記載されています。

「Linux サポート

Azure Marketplace での特定の Linux 仮想マシン イメージのサポートは、発行元から利用可能です。発行元から無料で提供されている場合もあります。あるいは、分単位の料金で当社サポートを受けることもできます。Linux VM 実行の料金総額は、サポート料金 (該当する場合) と Linux コンピューティング料金との合計です。Azure Marketplace での Linux イメージのサポートは、Microsoft からは提供されません。」

Linuxイメージ、つまり、Linux仮想マシンのサポートは、マイクロソフトではなく別の企業から提供されることになります。

SUSEは、SLES Basic と SLES Premium という別個のイメージを提供し、前者は無償で利用でき、後者は有償で利用します。

では、DebianとCentOSはどうでしょうか?

公開元でリストされている

credativグループ  https://www.debian.org/consultants/credativ.ja.html
とOpenLogic社 https://www.openlogic.com/ は、日本ではなじみのない企業のためピンとこない人もいると思います。credativグループは、Azureで利用できるDebianイメージを、OpenLogic社は、CentOSを提供しています。これらのイメージは無償で利用できます。また、希望すれば、これらの企業から有償のサポートを購入することが可能です。

重要な点は、Debian、CentOSのサポートは、必ずしもこの2社から購入する必要はないということです。日本語でのサポートが必要であれば、例えば、サイオス・テクノロジー社OSSよろず相談室から、Debian、CentOSともに有償サポートを購入可能です。
https://sios.jp/products/oss/yorozu/

Ubuntu Serverは、SUSEとCentOSの中間のようなイメージです。Ubuntu Serverそのものは、無償で利用でき、Canonical からパッチも無償で提供されます。有償サポートが欲しい場合は、Canonical から購入することも可能です。また、サイオス・テクノロジー社OSSよろず相談室から、有償サポートを購入することも可能です。

Red Hat Enterprise Linux on Azure については、以下のページシンプルにまとまっています
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/virtual-machines/#red-hat

Oracle Linux については、Oracle Software として記載されています。OracleLinuxと記載されていないため、こちらも少し混乱します。OracleLinuxをAzureで利用する場合、利用自体は無償で行えます。サポートが必要な場合は、有償で購入が可能です。日本では、日本オラクルの正式パートナーであるサイオステクノロジーから購入が可能です。
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/virtual-machines/#Oracle

まとめると、以下になります。

ディストリビューション公開元利用が有償/無償公開元および代理店以外
から有償サポート有無
Asianuxミラクル・リナックス有償なし
CentOSOpenLogic無償あり
CoreOSCoreOS無償利用、有償利用
どちらも可能
(検索した限り見つからない)
Debiancredativ無償あり
OpenSUSESUSE無償(検索した限り見つからない)
Oracle LinuxOracle無償利用、有償利用
どちらも可能
(検索した限り見つからない)
Red Hat Enterprise LinuxRed Hat有償なし
SUSE Linux Enterprise Server BasicSUSE無償なし
SUSE Linux Enterprise Server PremiumSUSE有償なし
Ubuntu ServerCanonical無償利用、有償利用
どちらも可能
あり

注:もちろん、ある企業が有償ディストリ−ションを代理店やOEM企業ではなく有償サポートすることもありますが、この表では除外しています。

参考:
Azure での動作保証済み Linux ディストリビューション
https://azure.microsoft.com/ja-jp/documentation/articles/virtual-machines-linux-endorsed-distros/

Linux と Azure のオープン ソース ・ テクノロジーのサポート

https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/2941892
少し煩雑な内容となりましたが、いかがだったでしょうか?

第3回は、MySQL on Azure について取り上げます。お楽しみに。

→ 連載第3回 「OSS on Azureことはじめ -MySQLのお話 」 はこちらから

著者:
赤井 誠
MKTインターナショナル株式会社
代表取締役 経営学修士 キャリア・デベロプメント・アドバイザー

日本ヒューレット・パッカード株式会社にて、ソフトウェアR&Dとして勤務後、Linux事業担当し、国内大手サーバーベンダーで最下位であったLinuxサーバービジネスを国内首位に押し上げる。また、HP社でのグローバルでのLinux販売実績で1位を獲得。ハイパフォーマンスコンピューティング部門(スパコンビジネス)の担当も兼任。x86 サーバーでのハイパフォーマンスコンピューティングで、サーバーシェア1位を5年連続獲得。その他、Windows Server、VMWare、HP Insight Softwareビジネスのリードも兼任。Windows ビジネスでは、アジアパフィック部門でMVPを獲得。また、VMWareビジネスでは、VMWare社日本法人のThe OEM Partner of the year 2年連続獲得に貢献。『できるRPO MySQL』(インプレス)、『リーダーにカリスマ性はいらない』(KADOKAW/中経) 他、著書多数。

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