5月16日から5月18日にかけて開催されていた「第9回 教育ITソリューションEXPO」に参加してきました。
概要
教育ITソリューションEXPOは教育現場で導入されるIT機器、IT教材などの展示会になります。プログラミングが小学校の義務教育に含まれてくるなど、年々注目度が上がっています。大きく分けて以下のエリアに分かれて各企業が展示を行っていました。
- 教材・教育コンテンツ
- 学校業務支援
- ICT機器
- eラーニング
また、今回より学校施設「学校施設・サービス展」も同時に開催されました。
講演を聞いて
申し込むことでEXPOと平行して開催されているセミナーに無料で参加できます。
今回、私は申し込むのが遅かったので、一つしか予約が取れませんでした。しかし、その一つがとても有意義だったので少し紹介さて下さい。
これから始める自治体と学校のための「ICT導入と活用術」
信州大学 教育学部 教授
東原 義訓
まず、登壇者である東原教授から受講者の内訳を知りたいと「mentimeter」といわれるサービスでアンケートが行われました。
このサービス、無料でスマートフォンを使ったアンケートが行えるWebアプリケーションだそうで、東原教授が次々質問を記入すると、私のスマートフォンに質問が反映され、答えるとリアルタイムで集計され結果が表示されていました。
今回のように、大人数(会場には300人以上の参加者がいました)でも双方向での講義を行うこともICT化の一つ目的であると、実践をもって示されていました。
その後の公演では、教育環境のICT化の基本知識の紹介から、現在の国の施策について説明がありました。
この教育環境のICT化にはちゃんとした基準が設けられていて、(3クラスにつき、1クラス分のPCを用意する、投影機器は1教室につき一台用意するetc)それを実現するためには自治体ごとにかなりの予算が設けられており、それをうまく引き出せばビジネスチャンスがあると力説されておられました。
また、ICT化によって導入される機器をメンテナンスする人材も3校につき1人用意することになっているが、とても人手が足りていないとおっしゃっておられました。
お話を聞いて、それまでイメージしていたICT化よりはるかに大規模かつ、高度な教育を国が想定していることに驚き、対応を迫られている教員の苦労を考えるといたたまれなくなりました。
できれば、講師の東原教授の雄姿をお見せしたかったのですが、撮影、録音禁止というのが残念でした。(著作権、肖像権考えると当然ですけど)
ブースを回ってみた
その後は、会場に入り、各ブースをみて回りました。
どのエリアもかなりの盛況ぶりで、参加者の方も熱心に質問されていました。
業種も幅広く、ヤマハなど一見関わりがなさそうな企業も出展されていました。
(ヤマハは教育用VOCALOIDを出展されてました。)
上記のパンフレットはほんの一部です。
VRシステム、3Dプリンター、小型ロボット、、このあたり分野を取り扱っているブースには人だかりができていました。
まず、気になったのは地球儀型のディスプレイに様々な情報を投影してくれるデバイスで、個人的にインテリアでもいけるのでは、、と感じました。(ただ、かなりお高めでした)
教育上でも実際に両手で収まるサイズに地球の情報が表示されるというのは面白いと感じました。
3Dプリンターのブースでは、小学生でも扱えるようカスタマイズされたCADソフトがあり、実際の授業風景を紹介していました。簡略化してあるといっても座標などを入力していくタイプで、大人でもてこずりそうな難易度にみえましたが、紹介資料の子供たちはスイスイ入力して設計しており、その後、実際に3Dプリンターで設計したもの(紹介資料では独楽を制作していました)で成形し、実際に手に取っていました。
生徒だけではなく教育者向けのツールも多数出展されていました。
中でも、印象に残ったのは、「授業支援AIアシスタント」です。
これは、黒板に投影されているプロジェクターと連動していて、
・教師が発した単語から連想されるワードを次々に表示
・授業内容の録画・録音も可能
・極めつけはAIが授業内容の概要を自動で作成
・さらに穴埋め問題を作成
など、教員の方が悩むようなことを補助してくれるものでした。
このようなツールを使用している小学校教師の方(この方は様々なIT機器を駆使していました)のお話を聞くことができ、
「生徒の対応力はこちらが考えているよりもはるかに高い」
という言葉がとても印象に残りました。
最後に
今回、教育ITソリューションEXPOに参加して、自分が体験していた小学校、中学校生活とはこれからの生徒さんたちは全く違う体験をしていくことになると痛感しました。
そして、これからの教育現場に携わるには、親としてもIT知識が必須になると感じました。
また、様々な企業の方とお話させていただきましたが、逆にADFS、ShibbolethなどのSSOについて聞かれる機会が多く、認証分野でも教育関係の案件が増えていくと改めて認識しました。