こんにちは、エンジニアのわたなべです。
2025年1月~5月で LinuC の101, 102, 201, 202, 303 にスピード合格できたので、合格体験記としてまとめておきます。レベル1とレベル2の間に基本情報を取ったりしたので、LinuCに限ると4ヶ月で取得できたことになります。
※ あくまで私のやってきたことを紹介する記事であり、これをやれば必ず合格できると保証する内容ではないことをご承知おきください。
学習開始時点(2025年1月)のバックグラウンドとしては以下の感じで、がっつりインフラ触ってるとかではなく経験浅めからのスタートなので、勉強時間についてはある程度参考になるかと思います。
- 新卒エンジニア2年目(非情報系学部)
- DB等のミドルウェア構築検証などでLinuxを触る経験は多少あり
- 基本コマンド(lsとかtouchとか)以外について、Linuxの知識を深める経験はなし
ここからでも4ヶ月でレベル3認定までもらえましたので、学習方法を間違えずしっかり時間を確保できれば十分身に着けられます。
試験概要
LinuCとLPIC
LinuC は Linux Professional Certification の略で、名前の通りLinuxの試験です。
LPIC とよく並べられますが、運営団体が違ったりします。試験範囲はおおよそ被ってたりと、どっち受けるかみたいな話はネットとかでよく話題になってます。
どうせ右足から歩き始めるか左足から歩き始めるかみたいな違いしかないと思うんですが、自分の場合は新しくできた方が試験内容も新しいのかなというだけでLinuCにしました。実際201試験ではLinuCのみdockerが範囲だったりとやや試験範囲に差分があり、LinuCの方が新しめな所感です。
レベルと認定ついて
認定についてはちょっとややこしいので整理しておきます。
レベル1
LinuC レベル1は 101試験, 102試験の両方合格で認定されます。
午前午後とかの同日で受ける必要は全くないので、101試験からチャレンジして合格したら102の勉強を始める感じです。
レベル2
レベル2は以下を両方満たすと認定されます。
- 有意なレベル1認定を持つこと
- 201試験、202試験両方合格すること
LinuCの有意性は5年間なので、レベル1を取ってから5年以内に合格しないとまた101試験と102試験を受けないといけません。
レベル2の認定を受けると、自動的にレベル1の有意性も更新され、レベル2取得時から5年間へと延長されます。
レベル3
レベル3は以下を両方満たすと認定されます。
- 有意なレベル2 認定を持つこと
- 300試験、303試験、304試験のいずれかに合格すること
レベル3 も認定をもらったタイミングでレベル2の有意性が更新されます。
レベル3だけ試験は1つで済みますね。
テーマがそれぞれ違っていて、300試験は混在環境、303試験はセキュリティ、304試験は仮想化&高可用性 となります。
それぞれ202試験との重複した範囲があり、意外とスムーズにクリアできます。リンクから試験範囲を確認して業務に関連深そうなものを見極めましょう。
この記事では303試験のみについて解説します。
学習コンテンツ
レベル1,2
LPI-Japan 公式Youtube
LPI-Japanさんのウェビナーのようなもののアーカイブですが、試験概要や各章について解説があります。
各章については試験に直結する知識や問題を提示してくれるというよりかは、機能の役割など概要として理解するのに最適です。
再生リストの順番がバラバラなので、サムネやタイトルから目的の動画を探して視聴してください。
あずき本
Linux教科書 LinuCレベル1 Version 10.0対応
Linux教科書 LinuCレベル2 Version 10.0対応
Linux教科書、通称あずき本。
インプットと各章の問題、それと模擬試験が付いています。
まずは一読して、各章の問題を解きましょう。模擬試験は最後に。
スピードマスター
LinuC レベル1 スピードマスター問題集
LinuCレベル2 スピードマスター問題集
スピードマスター問題集、通称スピマス、あるいは白本。
各章での問題と丁寧な解説、模擬試験が付いてます。
あずき本でインプットが出来たらこちらに着手します。
この時、解説をよく読んで不明点があればGoogle先生なり各種AIなりに聞いて疑問点を解消しましょう。
あずき本とスピマスの各問題が解けるようになったら、それぞれの模擬試験を解きます。
試験当日、全問題ほぼ100%解ければまず合格できるかと思います。
おまけ LPI-Japan 公式例題
LPI-Japan公式サイトに例題と解説があります。
上記の参考書のみでも合格できますが、スマホでスキマ時間に読み進めるといいでしょう。
レベル3 303試験
レベル3は学習コンテンツがぐっと減り、あずき本やスピマスがありません。
ping-tと公式例題だけでがんばりましょう。
ping-t
私はping-tだけで合格できました。
スピマス同様、1週目は必ず解説をじっくり読みましょう。ping-t内でAIアシスタント解説機能がありますので、疑問点があればこちらも活用しましょう。
ping-tではこんな感じで問題の進捗度合いが換算されます。
レベル40/40 までブラッシュアップできれば、まず合格できるかと思います。
また、コマ問といって記述式の問題もあります。コマ問の方はちゃんとやらなくて大丈夫です。
理由としては、①選択式問題をしっかりやって理解を深めていけば記述もある程度正答できる ②本番での記述問題は60問中3問程度と出題数が低い からです。
選択式に飽きたら息抜き程度に挟むといいです。
勉強時間
合格に要した勉強時間は以下の通りです。
あくまで私の場合ですので、自分のペースで計画を立ててみましょう。
101, 102試験
それぞれ 週20時間 × 3週間 = 計60時間
これは机に向かってあずき本・スピマスをこなした時間です。
この辺りはなんだかんだ基本コマンドに関する問いが多く、覚える量も少ないのでサクッととれました。
201, 202試験
それぞれ 週20時間 × 4週間 = 計80時間
特に202試験は範囲が膨大でありながら問われる内容もマニアックなので、鬼門です。心してかかりましょう。
ただ結局、覚えていれば解けるし覚えていなければ解けないものなので、ダラダラと時間をかけずに短期集中で取り組むことをオススメします。
303試験
週20時間 × 3週間 = 計60時間
303試験に限らずレベル3系は202試験と内容が重複しています。
ですので202試験まで突破できれば、意外とあっさり乗り越えられます。
ここまで来たらもう一息です。がんばりましょう。
さいごに
勉強に際してちょっとしたコツみたいなものがあります。
はじめは暗記量が膨大で絶望しますが、しばらく勉強を続けていくとコマンドの組み立て方やオプションなどで共通した考え方が見えてきます。
この感覚にきちんと向き合って言語化できれば、暗記量を節約できてきます。
例えば、ファイルの移動をするmvコマンドと、異なるホスト間でファイルをアップロード・ダウンロードするscpコマンドがあります。
これは
コマンド <移動元> <移動先>
と覚えてしまえば、暗記量を節約できますよね。
こんな感じに抽象化してパターン化できれば暗記しなきゃいけないことが減ってきます。
ただ202あたりになってくると、似たような操作パターンなのに全然違うってことがかなり増えてきます。
そういったものはどうしても混同して間違えやすいです。ですので発見するたびに書き出して、試験直前の確認シートにしてしっかり復習して臨みましょう。