こんにちは、サイオステクノロジー技術部 武井です。昨日に引き続き、de:code 2019のレポートをお届けします。
今回は以下のセッションになります。
本セッションは、以下のような方向けかと思います。
チャットボットを導入するにあたり、どんな設計パターンがあるのか、またどのような実現方式があるのかを知りたい!!
私自身、チャットボットサービスには限りない未来を感じており、間違いなく次世代のインターフェースの主流を担うと考えております。
そしてそれを実現するAzureサービスが、Azure Bot Serviceのわけですが、そのアーキテクチャの説明は巷に普段に溢れております。
しかしながら、実際にお客様に導入する際は、どのようなことに気をつけなければならないのかということが書かれた情報は非常に少ないのが現状です。少ないと言うか見たことがありません。
本セッションでは、TIS株式会社の白石康司氏が、ご自身のお客様への導入体験を元に、顧客ニーズを満たすための最適解について、ものすごくわかりやすく丁寧に説明されていました。技術観点からも有用なセッションだったのですが、顧客視点からもチャットボットについて色々語られていて、ホント役に立ちました。
よくあるユースケース
チャットボットでは、どんなユースケースがよくあるのかをまとめられていました。これが知りたかったんです。
後でスライドがアップロードされるので、それを見ればわかるのですが、以下の4つがあります。
- FAQボット
- 申請受付ボット
- 検索ボット
- 雑談ボット
この中で圧倒的に多いのが、申請受付ボットだそうです。お客様がチャットボットをやりたいといったとき、お客様の要求がどのパターンに当てはまるのかを想像しながら対話すると良さそうですね。
設計フロー
このセッションのすごいところは、先に上げたユースケースごとの設計パターン、実現方法、解決できること(顧客のメリット)、課題をそれぞれ説明されていたことでした。
当然チャットボットサービスも、銀の弾丸ではありません。一長一短あり、ケースバイケースによって、従来のインターフェースがいいのか、チャットボットがいいのかを見極めて使うことが必要です。そうでないと、せっかくチャットボットを導入しても「こんなはずぢゃなかった」になってしまいます。このセッションの内容を把握すれば、きっとそんなことはなくなります。
例えば、セッションの中で「QA一問一答」パターンがありますた。先に上げたユースケースの「FAQボット」に当たるものだと思います。このパターンを適用するべき状況と、それによって解決できることが明確になっております。これらのパターンを全て抑えておけば、お客様の抱えている問題は、XXXだからXXXパターン適用して、でもこういうデメリットもあるからあらかじめ伝えておこう、みたいな感じで理想的なインテグレーションができますね。素晴らしい!!
先の設計パターン(QA一問一答)対する実装パターンが以下のスライドです。実現イメージと、さらに実際のコードも出ているので、イメージがとても湧きやすいです。
最後にこのスライドなのですが、最も注目すべきは、それぞれのパターンの「課題」が記載されていることですね。これが一番重要です。できることを伝えるのは簡単なのですが、できないことや課題をあらかじめ把握するのってすごい難しいです。だって、やってみないとわからないぢゃないですか。でも、この御知恵を活用すれば、きっと大丈夫です!!
上記で記載した内容(設計パターン、実装イメージ、課題など)が、以下のパターンについても説明されています。
- フォーム型会話
- 複合メニュー
- マルチターン会話
- プッシュ型会話
まとめ
詳細な内容は、後ほど公開される資料を見て頂ければよいかと思います。くどいようではございますが、本セッションの素晴らしいところは、テクノロジーカットだけではなく(もちろんそれも素晴らしいのですが)、顧客目線でチャットボットについて語られているところでした。これからお客様に導入を考えているお客様には非常に有用な情報かと思います。こんなノウハウをご提供頂きましたTIS株式会社の白石康司氏には本当に心から感謝申し上げたいと思っております。