こんにちは。サイオステクノロジー OSS サポート担当 山本 です。
Zabbix 体験版 (仮) も今回で3回目です。ちょっと長くなってきていますが、まだ本番はこれからです。
前回はインターフェースを日本語にしたりユーザーを追加したり削除したり、といったことをやりました。
今回はついに監視設定に足を踏み入れます!
■今回の監視設定について
実際に監視設定をしていく前に、この一連の記事でどういった設定をするのか?というところを確認しておきます。
この一連の記事では、「特定のホストから監視データを受信して」「異常を検知したら異常であることを表示する」ところまでの設定を見ていく予定です。
Zabbix では、「どこから」「どのようなデータを取得して」「どんなデータを受信したら異常と扱うか」をそれぞれ設定することで、これを実現することができます。今回からそれらの設定を順に追ってみましょう。
■ホスト:「どこから」データを収集するのかの設定
というわけで、最初は「どこから」に相当する設定項目「ホスト」から。
早速 Web インターフェースにログインして設定していきましょう。
画面上部の「設定」、その下の行に出る「ホスト」と選択していきます。
ホスト一覧画面はこのような画面になります。
それでは、新しいホストを作成してみましょう。Web インターフェース上で何かを作成する場合、大体はその画面の右上のほうにそのためのボタンがあります。この画面でも「ホストの作成」ボタンがありますね。これを押下してみましょう。
開いた画面では以下の項目を設定してみましょう。今回はローカルに導入した zabbix エージェントを使用していくので、以下のような設定になります。
ホスト名 : (任意)
グループ : Linux servers (※項目右側の「選択」ボタンからも設定できます)
エージェントのインターフェース :
IP アドレス : 127.0.0.1
接続方法 : IP アドレス
ポート : 10050
以上が設定できたら画面下部の「追加」ボタンを押下しましょう。
ユーザー一覧画面に戻り、作成したユーザーが追加されているはずです。
これでホストの登録は完了です。
設定項目は違いますが、全体的な流れは前回の「ユーザー」の設定とほぼ同じですね。
このホストについても、一覧画面で一番左の項目「名前」をクリックするとそのホストの編集が可能で、一番左のチェックボックスにチェックを入れると一括処理を行なうこともできます。(今回は特に必要はないので行ないません)
■Zabbix エージェントの設定
さて、ホストの登録は完了しましたが、Zabbix エージェントを使って監視を行う場合、Zabbix エージェントの設定ファイルを書き換える必要があります。
以下のファイルを編集し、Zabbix サーバーのある IP アドレス (DNS 名でも可) を書き込んでください。
/etc/zabbix/zabbix_agentd.conf
86 ### Option: Server
87 # List of comma delimited IP addresses, optionally in CIDR notation, or DNS names of Zabbix servers and Zabbix proxies.
88 # Incoming connections will be accepted only from the hosts listed here.
89 # If IPv6 support is enabled then '127.0.0.1', '::127.0.0.1', '::ffff:127.0.0.1' are treated equally
90 # and '::/0' will allow any IPv4 or IPv6 address.
91 # '0.0.0.0/0' can be used to allow any IPv4 address.
92 # Example: Server=127.0.0.1,192.168.1.0/24,::1,2001:db8::/32,zabbix.example.com
93 #
94 # Mandatory: yes, if StartAgents is not explicitly set to 0
95 # Default:
96 # Server=
97
98 Server=(Zabbix サーバーの IP アドレス)
なお、この「Server」にはデフォルトで「127.0.0.1」が設定されているため、今回のように Zabbix エージェントが Zabbix サーバーと同一のサーバーに存在している場合にはデフォルトのままで大丈夫です。
また、もし「Zabbix エージェント (アクティブ)」という機能を使って監視を行ないたい場合、別途以下の 2箇所を書き換える必要があります。
/etc/zabbix/zabbix_agentd.conf
127 ### Option: ServerActive 128 # List of comma delimited IP:port (or DNS name:port) pairs of Zabbix servers and Zabbix proxies for active checks. 129 # If port is not specified, default port is used. 130 # IPv6 addresses must be enclosed in square brackets if port for that host is specified. 131 # If port is not specified, square brackets for IPv6 addresses are optional. 132 # If this parameter is not specified, active checks are disabled. 133 # Example: ServerActive=127.0.0.1:20051,zabbix.domain,[::1]:30051,::1,[12fc::1] 134 # 135 # Mandatory: no 136 # Default: 137 # ServerActive= 138 139 ServerActive=(Zabbix サーバーの IP アドレス) 140 141 ### Option: Hostname 142 # Unique, case sensitive hostname. 143 # Required for active checks and must match hostname as configured on the server. 144 # Value is acquired from HostnameItem if undefined. 145 # 146 # Mandatory: no 147 # Default: 148 # Hostname= 149 150 Hostname=(「ホスト名」に設定した名前)
「ホスト名」はサーバーのホスト名ではなく、今回の手順で設定した「ホスト」の名前を入れてください。
なお、「ServerActive」にもデフォルトで「127.0.0.1」が設定されているため、今回のように Zabbix エージェントが Zabbix サーバーと同一のサーバーに存在している場合にはデフォルトのままで大丈夫です。
これらの設定を行なった後は、設定の読み込みのため Zabbix エージェントを再起動してください。
# systemctl restart zabbix-agent
「Zabbix エージェント (アクティブ)」については、次回の内容に含まれるので次回に!
■この画面の補足
最後に、今回の操作に関連する補足です。
Zabbix 4.0 での変更点
「ホスト」関連の画面、操作については、多少見た目が変わったくらいで全体で共通の変更点以外にはほぼ違いはありません。
・(全ての作成・編集画面) : 入力必須の項目に必須マークがついた
・(全ての設定・編集画面など) : 編集画面の「選択」ボタンなどで表示される別画面が、「新規ポップアップウィンドウ」から「モーダルウィンドウ」に変更
■さいごに
今回は Zabbix Web インターフェースのホスト設定関連を見ていきました。
ホストにより「どこから」データを取得するのかを決めることはできましたが、まだ「どのような」データを取得するのかは決めていないので、今回の設定だけでは残念ながらまだ何も起こりません。
次回は「どのような」データを取得するのかを決めて、データを取得できるようにしていきます!お楽しみに!
関連記事
・使ってみよう Zabbix① : インストール編
・使ってみよう Zabbix② : ユーザー設定編
・使ってみよう Zabbix③ : ホスト設定編 (※今回)
・使ってみよう Zabbix④ : アイテム設定編
・使ってみよう Zabbix⑤ : トリガー設定編
・使ってみよう Zabbix⑥ : アクション設定編
・使ってみよう Zabbix⑦ : テンプレート編