2015年11月の発表で、驚きが走ったMicrosoft社とレッドハット社の業務提携。そこからクラウドの世界にどんな新たな世界が広がっていくのか…?クラウドの復習から、Microsoft Azure を取り巻く環境について、のぞいてみます。
そもそもクラウドって?
最近、記事など読んでいても必ずといってもいいほど目にする 「クラウド」 という言葉。今回もそのクラウドについて、扱いたいと思いますが、「実はクラウドってあんまりよく分かっていない、、」という方向けに、少しだけ、復習です。
クラウドは、データセンターに置かれている大規模なリソースを、インターネットを介して、利用する形態です。利用形態によって、「パブリッククラウド」、「プライベートクラウド」 があります。その名の通り、「パブリッククラウド」 では、クラウド業者が提供する、すでにサービス化されたリソースを使用し、「プライベートクラウド」 では、自ら構築の部分から手掛けます。これらを組み合わせた 「ハイブリッドクラウド」 といった形態もあります。
また、クラウドで使用する場所によっても種類が異なります。インフラストラクチャーをクラウド上で構築するものを Infrastructure as a Service (IaaS)、アプリケーション実行環境をクラウド上で利用するものを Platform as a Service (PaaS) 、すでに構築されたアプリケーションやサービスを利用するものを Software as a Service (SaaS)、といった具合です。SaaSは、Googleの各種サービスやDropboxなどで、普段から使っている方も多いのではないでしょうか。
クラウドの最大の利点は 「必要なものを、必要な時だけ」利用できる こ とです。例えば、マシンを使いたいという場合、オンプレミスの場合は、初めにリソース設計を行い、必要なスペックのハードウェアを買い揃えることから、構 築が始まります。しかし、クラウドの場合は、必要なマシンを選んで、後は構築ボタンを押すだけ。使った分だけ課金される 「従量制課金」 によって、起動した時間分だけ支払えばいいだけです。
Microsoft Azure と Amazon Web Service (AWS)
パブリッククラウド市場の上位を占めているのが、Amazon社 の Amazon Web Service (AWS) と、Microsoft社 の Microsoft Azure です。どちらも、IaaS, PaaS を提供しています。
AWSはパブリッククラウドシェア1位であり、手軽に、また安い料金設定で使うことができるため、おそらく一番有名なものではないかと思います。しかし今回は、今注目を集め伸びてきている Microsoft Azure について取り上げてみたいと思います。
Microsoft Azure は、シェアこそは2位ではありますが、現在急成長しており、その中でも日本においての注目を集めつつあります。その理由は、データセンタの拡張にありま す。はじめ、Microsoft Azure は日本にデータセンタを設けていなかったため、なかなか日本においてのシェアは広まりませんでしたが、2014年に、東日本と西日本、それぞれ1ヶ所ずつ データセンタが設置されました。これにより、日本国内でデータを複数地点における、ということで安心なイメージも定着し、一気に注目が集まりました。
また、日本国内のみならず、Microsoft社は、Windowsやソフトウェアアプリケーション製品の売り上げによる潤沢な資金を用いて、データセンタ新設に多大な投資をしており、急速に拡大 を続けています。
余談ですが、Azure のサイト上にはMicrosoft Azure vs. Amazon Web Services (AWS) という、ちょっと挑戦的な特集ページが組まれていました。
Microsoft Azure vs. Amazon Web Services (AWS)
Red Hat on Microsoft Azure
Microsoft社といえば、その昔、当時のCEOが 「Linuxはガンだ」 と豪語していたという過去があるので、ある意味革新的な変化といえます。
それが一転、「Microsoft Loves Linux」 というキャッチフレーズとともに、Microsoft Azure 上で、Linuxを動かす といった動きが一気に加速しました。
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