こんにちは、サイオステクノロジーの山田です。
今回はレッドハット社の主催イベント「第3回 レッドハット 最新テクニカル情報交歓会」に参加してのレポート記事になります。このイベントはレッドハット社のテクニカル・アカウント・マネジメント(TAM)による、過去事例や主要最新技術などをデモンストレーション形式で紹介していくというイベントになります。
大きくトラックが、レッドハットのサポートよりのトラックと、コンテナや自動化技術よりのトラックに別れており、自分は後者のトラックをずっと聞いていました。自分が聞いた講演で印象に残ったことをざっくりお知らせします。
Red Hat Satellite6 でDockerイメージ管理
Red Hat Satellite とはレッドハット製品の
・プロビジョニング
・サブスクリプション管理
・エラーター/パッケージ管理
などを行うシステム管理製品です。詳しくは公式サイトを参照ください。
利用されている企業はあまり多くないらしく、約20人の聴衆の中で Satellite 経験者は自分だけでした。。
この Satellite には Docker イメージの管理する機能(Docker Registry 機能)も持っており、初めは Red Hat Docker Registry からイメージを同期し利用するのですが、その後プライベート環境でイメージを改変し、そのイメージを別の Docker Server に配布する際に大きな問題が!
じつは、現在最新の Satellite6.3 にはバグがあり、改変したイメージを直接 Docker Server から Satellite に同期(PUSH)することはできないとのことです。※Satellite6.1までは出来たらしいですが。。
なので、デモンストレーションではどうしても Satellite6.3 を利用しなければならない場合での、ウルトラCをご紹介頂きましたが、次回リリース予定の Satellite6.4 ではこのバグは修正されているとのことで、そちらを利用してくださいとのことでした(笑)
Ansible 2.5 について
最近、自分も Ansible を勉強中なため、このセクションを楽しみにしていました。
Ansible の利点
まずは Ansible の利点について、以下を紹介しておりました。
1.Simple:手順書感覚で自動化の構成が組める
Ansible は コマンド(ansible-playbookなど)や yaml/json 形式の実行定義ファイルなどで構成されます。正直わかりやすいかと言われるとまだ勉強中であるため、何とも言えないというのが感想ですが、手順書感覚で組むことができます。
2.Powerfull:様々な環境にあったモジュールを提供
レッドハット公式やコミュニティーなどで豊富な実行モジュールが開発されているため、マニュアルを読めば余計な知識無く、クラウド基盤などを簡単に操作可能でした。
3.Agentless:SSHログインさえできれば操作可能
ただし、数千台など大量サーバに対して処理を行う場合は、コントローラ側に大量のSSHセッションがはられるため、注意が必要とのことでした。
Ansible 2.5 の変更点
Ansible 2.4 から 2.5 は公式サイトに大量に掲載されていますが、注目すべき変更点は以下とのことです。
・マニュアルがまともになった
自分は2.5になってから、Ansible を触りだしたので気が付きませんでしたが、2.4 と 2.5 を見比べるとだいぶ見やすくなっていると思います。
・メモリリーク問題が解消されている
以前までは include を多様し過ぎると、処理を行ったときにメモリリークが発生するバグがあったようですが、解消されたそうです。
・直接ネットワーク機器に対して操作が可能になった ※最重要変更点
2.5 よりネットワーク機器用のモジュールが提供されたことで Cisco や Juniper 、Arista 、 F5 などの製品に対して、直接 Ansible から操作が可能になりました。このことにより、世界中のネットワーク管理者から Ansible が注目され始め、より一層の Ansible ブームが高まったとのことです。
最後に
ご紹介しきれなかった講演もたくさんあり、聞きたかった講演の時間が被っていたなどがありましたが、とても楽しめました。全体を通して感じたのが、はやり今注目の技術はコンテナを中心とした技術なんだと感じました。今後の知見のためにもコンテナ技術を勉強し、時代に取り残されないようにしたいと思います。
また、一昔まえまでは構成管理ツールといえば、「Chef」か「Puppet」と言われていましたが、今では「Ansible」が主流になりつつあります。新しいものが優れているかと言われればそうではないと思いますが、どのツールが自身の環境にマッチしているかを見極めるのが重要だと感じました。
小ネタでレッドハット社の由来のお話をお聞きしましたが、ネット検索で見つかる話とは異なっていました。(笑)