こんにちわ。サイオスの香西です。2024/05/22-24 で開催されているNexTech Week 2024春に行ってきましたので、そのイベントレポートを本日はお送りします。
NexTech Week 2024春 とは
NexTech Week とは、<AI><ブロックチェーン><量子コンピュータ>の最新テクノロジーと、<デジタル人材>を育成するサービスが出展する4つの展示会で構成されています。開催場所は、東京ビッグサイトで、春・秋の年2会開催、HP によれば、前回の2023春では、30,414名が来場したとのことです。
今年の春は、AI 領域では271社、ブロックチェーンでは56社、量子コンピュータでは32社、デジタル人材関連では95社の企業が参加されていました。
今回私は、ブロックチェーン領域をメインに参加しながら、AI、デジタル人材、量子コンピュータをザーッと流し見してきましたので、その模様をレポートさせてもらいます。
ブロックチェーン領域 ブース紹介
出展は56社らしいですが、スペース全体はそこまでだだっ広いという印象はなく、1日あればすべての出展者をまんべんなく回れるかなぁといった印象です。今回はセミナーも受講したかったり、他の領域にも顔を出したかったのでいくつかピックアップしながら徘徊させていただきました。
まず入口入って右手にあったのが、Japan Open Chain さんのブース。Ethereum 完全互換でありながら、バリデータが日本企業で、日本の法律に準拠したチェーンを構築しているのを特徴としているブロックチェーンプラットフォーマーさんです。
国産というブランドと日本法に基づくという2点から、国内企業からの利用がメインターゲットで、テストネット、メインネットともに通常利用できるものの、メインネットで利用可能な独自トークン、JOC トークンの取引所がないとのことで一般流通はまだしていないとのこと。今年中にはIEOの実施を目指しているとのことで、IEO して環境が揃った際には、日本企業での利用がかなり見込まれるのではないかと感じられました。
入口はいった左手には、サイバーリンクスさんのブースが有りました。NFT を活用したブロックチェーン名刺サービスを紹介されていました。
個人情報・企業情報をHash化し、ハッシュはEthereum に保管。表示時に画面表示情報とハッシュを検算し情報に誤りがないかを検証しているとのこと。デモでは名刺でしたが、すでに大学の卒業証明やTOEICのスコア証明などでの事例も紹介されていました。個人の証明ということでは、DID / VC の分散IDなどの事例も出てきていますが、そのへんにも今後対応予定と言ったこともお伺いできました。
そこから一歩入った左手には、トレードログさんが、非金融分野でのブロックチェーン応用事例を紹介されていました。
私が通ったときには、ちょうど電力の再エネ関係の事例紹介をされていましたが、その他にも事例紹介が行われているとともに、事例集も配布されていました。非金融分野での応用は興味のあるところですので、しっかり参考にさせていただきたいところです。
とこの調子だと、回りきれなくなりそうなので、少しスピードアップしました。
奥まったところにブースを構えていたのは、Connectiv さん。こちらでは、NFT Garden というNFT発行サービスを展示しながら、それを活用しアプリ、サービス化した、聖地巡礼プラットフォームPOWPを紹介されていました。
聖地巡礼という言葉に吸い寄せられて話をお伺いすると、スタンプラリーとNFTを組み合わせたサービスとのこと。エンタメ関連や地方自治体などでファンや観光客を送客するのに最適だそうです。
Pallet Chain や PLT Place を運営するHashPortさんを左手に見ながら奥へ入っていくと、右手には NEM / Symbol の普及を目指すNPO法人NEMTUS さん並びに、ともにNEM上でサービスを展開されている企業さんのブースが有りました。
勉強不足であまり存じ上げなかったのですが、NEM / Symbol は、Javascript, Python などWebエンジニアが慣れ親しんだ技術を使って、スマートコントラクトが開発できる特徴を持ったブロックチェーン。ガス代も安く、ブロックチェーン固有機能はSDKが準備されているとのことで学習コストと維持/運用のし安さが売りとのこと。お伺いしたときにはちょうど関係者の方たちも訪問されていたっぽく、凄くアットホームな感じの会話がなされていました。
日本ブロックチェーン協会さんのブースでは、CONCORDIUM(コンコーディアム)ブロックチェーンの紹介がされていました。
コンコーディアムではウォレットを作成する際にKYCが行われており、DIC / VC、ゼロ知識証明の技術を用いて、本人の属性確認が行えるとのこと。ヨーロッパを中心に運用されているブロックチェーンで、18歳以上であることを証明し、アルコール商品を販売するといったサービスがあるそうです。本人属性の担保が取れるというのは、非常に良いですよね。サービス運営者側としては余計なことに気を取られなくて済みそうです。
ブロックチェーン領域で、最期に訪れたのは、東芝デジタルソリューションズさんのブース。こちらでは東芝さんがこれまで培ってきた分散システムの技術を活用し、企業向けのマネージドなプライベートチェーン、あるいはコンソーシアム型のブロックチェーンを提供しつつ、その上で各企業、団体向けの応用を行っているとのことでした。
企業のデジタル資産を管理するエンタープライズNFT、契約書管理を行う電子契約システム、サプライチェーンでのトレーサビリティ、サーキュラーエコノミーでの再生材の由来証明などの事例紹介がありました。こちらも是非参考にさせていただきたいです。
ブロックチェーン セミナー
セミナー会場では同時に各領域ごとのセミナーも開催されています。私が訪れた日ではブロックチェーンに関しては、2件、KDDIさんを中心とした「対談】Web3の実装で目指すデジタル社会」と日本ブロックチェーン協会による「Web3 業界最新動向2024」でした。
対談の方では各社から色々な意見が出ていましたが、関西万博を景気にweb3ウォレットの普及は1000万人ベースに普及するので2025年がweb3マスアダプションに向けた一つの大きな契機であること、SNSの導入がそうであったように先に取り組んだ企業がよりうまくweb3の世界で先行できるのでいち早く準備しようといった内容が議論されていました。
もう一方の最新動向では、日本の国家戦略としてweb3が取り上げられていること、日本のDAOに関する法整備は諸外国の10年先はいっていること、日本の暗号資産取引におけるレバレッジ規制と税制の見直しが進めば日本は一気に世界の中心となれることなどが語られていました。
両セミナーでの共通のメッセージとしては、web3はまさに夜明け前。今から準備した企業がその大きな波に乗っていけるといったメッセージだったように感じました。
その他、全体感
やはり市場の盛り上がりに比例して、AI関連はスペースも非常に広く多くの企業が自社のソリューションを展示・デモされていました。今流行りの生成AI、chatGPT 関連はもちろん、画像認識や自然言語処理、データ分析などでのAI活用事例が多く出展されていました。感触としては、製造業関連の展示が多かったのと業務改善系の提案が多かった印象があります。
弊社武井が公開しているRAGの実践ガイドはおかげさまで好評を頂いておりますが、おなじくRAG推しの企業も数社見受けることができ、各社いろいろな形でAI取り組みを推進されていることが実感できました。
また、デジタル人材関連では、AI活用を念頭に置いた教育プログラム・セミナーの提案、展示が目立ちました。コンサルティングから、導入支援、現場教育としてのプロンプトエンジニアリング講習などを行い、chatGPT などの生成AIを活用した業務効率の向上が大きく取り上げられていました。
おわりに
どうだったでしょうか。イベントの様子が少しでも感じられたのなら嬉しく思います。イベント自体は、今週金曜まで開催していますし、無料参加が可能なので興味を持たれた方は最終日にまだ間に合いますので、参加してみてはいかがでしょうか?
それではまた、次のブログにて。