こんにちは。
PSの佐々木寛太です。
先日NFT meets BUSINESS2024というNFTを活用したビジネスへの応用事例を紹介したり、現在の取り組みや今後の展望を話すセッションやパネルディスカッションがありました。
今回はイベントの中で紹介のあった事例やエンジニア視点でイベントに参加して感じたことをまとめていこうと思います。
イベントの登壇者
幻冬舎「新しい経済」編集長の設楽悠介様
株式会社博報堂キースリーCEO 重松俊範
株式会社クリプトエ 代表取締役 CEO 手塚康夫様
NFTの有効なUseCaseとは
イベントを通して様々なNFTのUseCaseが構想段階、実装段階で発表されていましたので紹介します。
NFTマーケティング:ブロックチェーンのメリットであるトレーサビリティやインタオぺーラビリティを利用して今まで取得できなかった情報を取得することができる。 既存のマーケティング手法とWeb3上で取得できるデータを組み合わせて新しい知見が得られるのではないか。
NFTチケッティング、クーポン、限定コンテンツアクセス権、スタンプラリー:これらはNFTを認証のようなものに使用しているUseCaseだと思いました。
ブロックチェーンを使用することで特定のチケット管理アプリにとらわれずに認証をすることができたり、条件クリアで特典を配布するというものをスマートコントラクト上に記述しておくことで、システムの透明性や自動化を図れるのはブロックチェーン技術を使用するメリットかと思います。
このような機能は本イベントの主催を行ってくれている株式会社クリプトエ様の提供しているMintMonsterでシステムを簡単に構築できるとのことでした。
またDynamicNFTの活用事例としてKOKYO NFTの実証実験について紹介がありました。
このプロジェクトではRWA(Real World Asset)に注目しており、日本の魅力的な工芸品や体験をNFT化して体験価値を広めていき関係人口を増やすという狙いがあります。
NFTだけではなく暗号通貨(トークン)についても見解が示されていました。
注目されている点はマイクロペイメントで例えば健康食品を買うユーザーにのウォレットにNFTを付与し、もし病院にかかった際の料金を10円値引きするなどといったことが自動で行うことができます。
今までは10円値引きするよりも導入する資金や手数料が高かったため、このようなことはなかなか実現できませんでした。
しかしスマートコントラクトや暗号通貨を使用することで手数料や構築の費用が下がり実現することができるのではないかという見解が示されていました。
また設楽さんのセッションでは現在のweb3業界のビジネス動向の紹介があり、インフラレイヤー(Layer1やLayer2など)からアプリケーションレイヤーまでで現在盛り上がっている場所や日本国内ではあまり着手していない領域の紹介などありました。
パネルディスカッション
パネルディスカッションの大きなテーマはweb3マスアダプションに向けてというのが最も大きなテーマだったと思います。
どの勉強会やカンファレンスに参加しても「マスアダプションに向けて」というテーマが最も議論されているなという印象です。
パネルディスカッション中に上がったキーワードはWalletが使いにくいというものでした。
シークレットリカバリーフレーズの存在や秘密鍵の自己管理という点が技術者やこの分野に精通している人でないと扱いや適切な管理が難しすぎるとの指摘が上がっていました。 またWeb3のサービスに触れる際には必ずWalletが必要になってくるという点でよりわかりやすいユーザーインタフェースやユーザーがWalletを管理しやすい仕組みを考えていくことの優先順位はかなり高いとの指摘がありました。
ただし、使用できる人に関しては秘密鍵を自身で管理できるという体験は非常に良いものであると思うという話もあり、この点に関しては私も非常に同意でした。
イベントに参加した所感
本イベントに参加して、サイオス社内で考えているNFTのUseCaseやweb3業界への課題感など一致している部分もありかなり共感する部分も多かったです。
個人的に気になった点としてはブロックチェーンを使用することによる情報やアプリケーションの信憑性に関することです。
ブロックチェーンを導入するメリットとしてすべてのユーザーが検証可能で情報の透明性が担保されているというのが挙げられるのですが、そこを求めている日本のユーザーはあまり個人的には多くないような気がしています。
ブロックチェーンを使用することに関するUXの低下と情報の透明性や信憑性とのトレードオフをどのように解決していくのかという見解を個人的には聞いてみたかったです。
ネットっワーキングでは様々な業種の方とweb3に関する情報交換ができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。