みなさん、こんにちは。サイオステクノロジーでマーケティング業務を行っている中谷です。お久しぶりに「非エンジニアのIT”こそ勉”シリーズ」を投稿します。
Grafanaという可観測性ツールのソリューションを担当しています。それで、可観測性(オブザーバビリティ)と監視(モニタリング)について考えてみました。似ているようで、実は結構違います!
監視(モニタリング)
こんなイメージですかね↓
モニタリングは、サーバー、ネットワーク、アプリケーションなどのシステムの稼働状況をリアルタイムに観察しています。パフォーマンスの問題がないか、データを収集して、ずっと監視します。異常があったときに、いち早く発見して、管理者にお知らせして、対応してもらいます。
しかし、異なるシステムには、異なる監視ツールが必要な場合があります。会社の規模、インフラストラクチャーによって、複数のツールを組み合わせて利用することがあります。そのため、監視システムが複雑になってしまい、新しいリソースが必要になったり、エンジニアの経験が求められたり、コストがかさむことがあります。
可観測性(オブザーバビリティ)
こんなイメージですかね↓
ダッシュボードを通じて素早く全体を把握できます。
可観測性ソリューションは、ログ、メトリクス、トレースなどのデータをダッシュボードやグラフで表現します。これにより、システムの動作やパフォーマンスを簡単に観察できます。システム全体の状態をリアルタイムに把握し、問題を早期に検知して解決につながります。さらに、可観測性によって複雑なシステムの動きや相互関係も理解しやすくなります。
このように、可観測性ツールはデータを視覚的に表現することで、複雑な情報を簡単に理解しやすくなります。ビジュアルな表現は、データの意味を素早く把握し、洞察を得ることができ、問題の特定や優先順位付けが容易になります。
監視(モニタリング)Vs.可観測性(オブザーバビリティ)
では、可観測性ツールは監視ツールより、優れているということですか?
いいえ、そういうわけではありません。結局のところ、使用目的、利用ケースによります。
二者の関係は、海に浮かんでいる氷山のイメージですかね↓
浮かんでいる部分は、「監視」で、水面下の部分は、「可観測性」と思います。
両方ともメトリクス、トレース、ログなどのデータに依存しますが、「監視」は反応的であるのに対し、「可観測性」は積極的な予防を可能にします。
つまり、監視ツールは、システムがちゃんと動いているかをずっと見張っています。問題が発生した場合に早期に気付き、すぐにお知らせを発信し、迅速に対応可能ですが、予期せぬトラブルや問題の根本的な原因を事前に洞察することは難しい。
可観測性ツールは、システム内の動作や異常な動きを包括的かつ深く理解することを目指し、監視以上の情報を提供してくれます。プロアクティブなアプローチを採用し、問題が発生する前に潜在的な原因やパターンを識別することができます。これにより、システム全体の理解を深め、未然に問題を予測し、予防的な対策を講じることができます
まとめ
「監視」と「可観測性」は、システムの動きを見守るときに使うツールです。
「監視」は主に問題が発生した際の迅速な対応を目的としていますが、「可観測性」は問題の未然防止や根本的な原因の洞察を目指す点で異なります。どちらか優れているわけではなく、両者を組み合わせることで、全体像が見やすくなり、よりシステムの安定性と信頼性を向上させることができます。