概要
LinuxでGUIアプリケーションをインストールする際に、Flatpakというキーワードを聞くことがありますので、Flatpakについて説明し、Ubuntuに導入する方法や管理する上で便利なツールを紹介します。
Flatpakについて
まず、Flatpakについて説明する前に、デスクトップアプリケーションの実行について説明する必要があります。
デスクトップアプリケーションは様々なランタイムと実行プログラムから成り立っており、作成したプログラムによっては特定のバージョンのランタイムでないと動かないことがあります。そのためランタイムの導入バージョンでは動かないデスクトップアプリケーションが出来上がります。その問題を解決するため必要なランタイムやプログラムをパッケージとしてまとめて導入と動作させれば問題ないという考えを実現したものの一つとして、Flatpakというパッケージシステムという物が出来ました。
Flatpakはデスクトップアプリケーションを動かすことを目的に開発しているため、特定の依存関係による問題は少なく、インストールすることができれば、どのLinuxディストリビューションでも問題なく動作します。
実際にソフトの入手はFlathubと呼ばれる場所で配布してあるアプリケーションを手に入れるのが一般的です。ただ、そのサイトでのアプリケーション管理は、コミュニティ駆動のため、登録してある全てのアプリが一定のセキュリティ保証をするものではありません。
なお、FlatpakはSteamDeakのデスクトップアプリケーションの導入に使われています。
Ubuntuで導入するには
公式サイト(https://flatpak.org/setup/)に記載してあるQuick Setupにそって導入すれば問題ありません。Ubuntu 22.04を例に取って導入する場合は、以下のコマンドで、flatpakコマンドを導入します。
sudo apt install flatpak
以下のコマンドでflathubのリポジトリを登録します。
flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://dl.flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo
Flatpak版Google Chromeブラウザを導入
Flatpak版のGoogle Chromeブラウザを導入するには以下のコマンドを実行します。
flatpak install com.google.Chrome
実行後、スタートメニューにGoogle Chromeのアイコンが出来ているのでそれを実行すればGoogle Chromeが起動します。
図 flatpak版Google Chromeインストール後のスタートメニュー
アンインストールする場合は以下のコマンドを実行します。その結果、スタートメニューからも削除されます。
flatpak uninstall com.google.Chrome
管理する上での便利なツール
コマンドラインだけでは管理しづらいので、以下のツールをインストールするとGUIによる管理ができるようになり、作業の簡略化が進みます。
- Discover
- KDEベースのソフトウェアセンター
- Flatseal
- Flatpakアプリケーションの権限管理ユーティリティツール
Discoverの導入
ソフトウェアの検索とインストールはコマンドだけで実施することも不可能ではないのですが覚えることが多いので、それを簡略化するためDiscoverというソフトがあります。インストールする際には、以下のコマンドを実行してください。
sudo apt install plasma-discover plasma-discover-backend-flatpak
図 Discoverの動作画面
Flatsealの導入
Flatpakのアプリケーションは各リソースに対して権限が決められており特定ファイルやネットワークを使用するのに権限を与える必要があります。ただその設定をすることは複雑なので、それを簡易的に操作するツールとしてFlatsealがあります。これを使用することでアプリケーションを特定のフォルダにアクセスさせる設定が容易になります。なお、インストールする際は以下のコマンドを実行してください。
flatpak install com.github.tchx84.Flatseal
図 Flatsealの動作画面
文字化け解決例
一部のアプリケーションは文字コードの関係で文字化けを起こす可能性がありますが一応以下のコマンドで解決することができるときがあります。もし、アプリ名がわからない場合は、Tabボタンを押すとインストールしたアプリケーションのリストが出てきます。
flatpak run --command=fc-cache {アプリ名} -f -v
まとめ
Flatpakを使用すれば、Linuxデスクトップアプリケーションを導入することは難しくないことがわかります。これを利用してLinuxデスクトップPCを使い始めては以下かがでしょうか?