CentOS 互換OS MIRACLE LINUX を触ってみよう

こんにちは。サイオステクノロジーの橋本です。
今回は MIRACLE LINUX をご紹介します。

■ はじめに : CentOS のサポートについて

CentOS 8 は 2021/12/31 をもってサポートが終了します。
つまり、2022年からは CentOS 8 に対してセキュリティパッチの提供などがなくなります。

CentOS Project は今後「CentOS Stream」の開発を進めていく方針を発表しています。
しかし、CentOS Stream は RHEL のアップストリームに位置するため、
既存の CentOS 8 とは立ち位置が異なります。

そのため、CentOS 8 の代わりに利用できるフリーの RHEL クローン OS 選定に苦慮している方も思います。
そこで今回は RHEL クローン OS の一つである MIRACLE LINUX を試してみましょう。

■ MIRACLE LINUX の特徴

  • サイバートラストが開発した国産ディストリビューション
  • ISO イメージとリポジトリが無償で公開されている
  • EPEL、REMI のリポジトリも動作確認されている

より詳しい特徴を知りたい方や ISO イメージを入手したい方は以下のページを
参照してください。

MIRACLE LINUX ライセンスフリー

■ MIRACLE LINUX インストール

インストールを行う OS と PostgreSQL

OS  MIRACLE LINUX release 8.4
Kernel  kernel-4.18.0-305.el8.x86_64
PostgreSQL  postgresql14-14.0-1PGDG.rhel8.x86_64

PostgreSQL は MIRACLE LINUX と直接は関係ありませんが、
MIRACLE LINUX の動作確認のためインストールしてみます。
なお、今回は VMware 基盤の上にインストールしています。

インストールの実施

インストーラからサーバを起動させると以下の画面が表示されました。
Install MIRACLE LINUX 8.4を選択します。

インストーラーが起動し始めました。

無事インストーラが起動しました。
言語は日本語を選択します。

初期セットアップ画面です。
VMWare にインストールしている都合上、画面が見切れています。
*VMWare は VMwaretool をインストールしないと、コンソールの見切れなどが発生します、
 VMWaretool は OS インストールが完了しないとインストール及び有効化できません。

最低限 DISK のパーティション分割の決定と root ユーザのパスワード設定が必要です。
今回は加えてタイムゾーンの設定をして次に進みます。

パーティション設定画面
自動構成で次に進みます。

root パスワードの設定画面

タイムゾーンの設定
アジア→東京で設定できます。

設定後、インストールを開始します。

大体 30 分程度でインストールが完了し、再起動が促されました。

再起動を行うとライセンス条項への同意を求められました。
内容を確認して次の画面へ

MIRACLE LINUX から歓迎を受けました。
インストールもあと少しで終わりそうです。

検証機ですぐ削除する予定なので気にせずそのまま進みます。

特に利用する予定もないのでスキップします。

一般ユーザの作成を求められたので、作成します。
*深い意味はないですがユーザ名はマスクしています。

完了し、デスクトップ画面が表示されました。

 

PostgreSQL 14 のインストール

インストール自体は MIRACLE LINUX と直接的な関係が薄いので手順の解説と出力内容は省きます。
Cent OS と同じ手順で問題なくインストールできました。

# dnf -y install https://download.postgresql.org/pub/repos/yum/reporpms/EL-8-x86_64/pgdg-redhat-repo-latest.noarch.rpm
# dnf -y module disable postgresql
# dnf install postgresql14-server
# su - postgres
$ /usr/pgsql-14/bin/initdb -E UTF8 --locale=C -A scram-sha-256 -W
データベースシステム内のファイルの所有者はユーザー"postgres"となります。
このユーザーをサーバープロセスの所有者とする必要があります。

データベースクラスタはロケール"C"で初期化されます。
デフォルトのテキスト検索構成は english に設定されます。

データベージのチェックサムは無効です。

新しいスーパーユーザーのパスワードを入力してください:
もう一度入力してください:

ディレクトリ/var/lib/pgsql/14/dataの権限を設定しています ... ok
サブディレクトリを作成しています ... ok
動的共有メモリの実装を選択しています ... posix
デフォルトのmax_connectionsを選択しています ... 100
デフォルトのshared_buffersを選択しています ... 128MB
デフォルトの時間帯を選択しています ... Asia/Tokyo
設定ファイルを作成しています ... ok
ブートストラップスクリプトを実行しています ... ok
ブートストラップ後の初期化を実行しています ... ok
データをディスクに同期しています... ok

成功しました。以下のようにしてデータベースサーバーを起動することができます:

/usr/pgsql-14/bin/pg_ctl -D /var/lib/pgsql/14/data -l ログファイル start

$
$ exit
# systemctl enable postgresql-14.service --now
Created symlink /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/postgresql-14.service → /usr/lib/systemd/system/postgresql-14.service.
#

無事 PostgreSQL のインストールと起動ができました。

SQL も問題なく実行できました。

$ /usr/pgsql-14/bin/pg_isready
/var/run/postgresql:5432 - 接続を受け付けています
$ psql -c "select current_timestamp;"
current_timestamp
-------------------------------
2021-10-29 15:32:35.656025+09
(1 行)

$

MIRACLE LINUX をインストール所感と OS を触ってみた感想

RHEL クローン OS なので当然ではありますが、
RHEL あるいは CentOS をインストールしたことがある人は躓くことなくインストールできると思います。

コマンドも基本的なものは一通り使えそうでした。
パッケージ管理も dnf (yum) で行ないます。

リソース監視系のコマンドはデフォルトで以下がインストールされていることが確認できました。

ps
top
free
vmstat
mpstat
netstat
ifconfig
sosreport

sar コマンドや iostat コマンドを提供する sysstat はデフォルトではインストールされていませんでしたが、
リポジトリ内にはあるため、dnf コマンドで簡単にインストールできました。

検証用環境や自宅環境用 OS として MIRACLE LINUX を導入してはいかがでしょうか。

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