Microsoft Ignite 2019レポート 〜 【セッション】Vision KeyNote 〜

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こんにちは、サイオステクノロジー技術部 武井です。私は、マイクロソフトが実施しているテクニカルカンファレンス「Ignite」に参加するためにフロリダのオーランドということろに来ております。今回は11/4に実施されたVision KeyNoteについて記載します。

Vision KeyNoteとは?

マイクロソフトのCEOであるSatya Nadellaさんが、最新の製品やテクノロジーの発表を行うセッションです。

Satya Nadellaを見るべく、開始の1時間半前には会場についていたにもかかわらず、ものすごい行列で、スタッフの方に「ここで並んでも見られないからパブリックビューイングの会場に行って」と言われて、泣く泣くそっちに行きました。Buildでは結構遅い時間に行っても余裕だったのですが、、、。来年からは気をつけましょう。

さて、Vision KeyNoteではマイクロソフト製品に関するいくつかの衝撃的な発表がありました。各製品ごとに以下に記載いたします。

Azure Arc

ということで、始まりました。Satya Nadellaさんの登場です。

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まずはじめはAzure Arcです。

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オンプレミスや、Azureとは異なる別のクラウド(AWSなど)に配置されるLinux、Windowsマシン、及びKubernetesクラスタをAzureポータルから統合管理(パッチの適用や自動アップデートなど)できるようになります。ユースケースとしては、昨今発生したAWSの障害などに備えたマルチクラウドの統合管理といったところかと思います。

具体的には、管理対象のオンプレミスやAzure以外のクラウド上で稼働しているWindowsやLinuxにAzure Arc用のAgentを導入すると、Azureポータルからはリソースの一つとして見えるようになり、管理できるようになります。管理と言っても現時点では、リソースのログをLog Analyticsで見るくらいの機能しかないように見受けられます。今後拡張されていくのでないかと推測します。

Azure Arcはまだプレビューですが、以下のサイトからAzure Arc用のエージェントのダウンロードやインストール方法などが記載されています。

https://docs.microsoft.com/en-us/azure/azure-arc/

Azure Synapse

Azure Arcに引き続き、オトコゴコロをくすぐるようなカッコイイネーミングです。これは、SQL Data Warehouseを拡張したサービスです。

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最大の特徴は、実行されたクエリの負荷状況に従って、どんどん内部的にリソースを拡張して、常に安定したパフォーマンスを叩き出すということです。Azure Functionsのようにサーバーレスなサービスと言えるのではないでしょうか?

また、事実上データ容量に制限がなく、ペタバイト級のデータも処理が可能です。

SQL ServerやSQL Data Warehouseではパフォチューに配慮しなければなりませんが、これはサービス作ったら、ただSQLを投げるだけで後は、Azure Synapseがよしなにしてくれそうな感じです。

SQLのような構造型のデータだけではなく、ドキュメントのような非構造型のデータも格納できます。

管理面でも非常に優れており、Azure Synapse Studioというツールを使うと、複数のデータソースからAzure Synapseへのデータの変換を行うことができる、つまりETLの機能と同様のことを実現できます。

デモでは、GoogleのBig Query、AWSのRedShiftとの比較が行われ、Big Queryで11分かかった処理をAzure Synapseでは9秒で終了したとのことでした。十分にRedShift、BigQueryの対抗になることが証明されたと言えます。

Power Virtual Agent

なんと、チャットボットをコーディングレスで作成できるサービスです。

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似たようなサービスにAzure Bot Serviceがありますが、もっと複雑なことをしたい場合にAzure Bot Serviceを使うようです。なんと、先日までAzure Bot Serviceについて色々調べていたのに、なんだかPower Virtual Agentに取って代わられそうな予感です。世の中の流れはやはりコーディングレスなのですね。PowerAppsも流行ってますし。

Azure Bot Serviceとの差が気になるところです。カードを使ったり、ステートフルな会話が実現できるのか、また、QnA MakerやLUISとの連携はどうなるのかがどのように実現できるか、今後実際触って確かめたいと思います。

恐らく後述するPower Automateのために作られたサービスと推測します。せっかくPower Automateがコーディングレスなのに、チャットボットを作るのにAzure Bot Serviceを使うと、ガッツリ開発になってしまいますから。

Power Automate

個人的には、これが一番衝撃的で、ついにマイクロソフトもRPAに参入です。

このIgniteでは、Power Virtual AgentとPower Automateが一番ワタシ的に刺さりました。Power AutomateはMicrosoft Flowと呼ばれていた製品にRPAの機能を追加したものになります。(また製品の名称変更ですね、、、)

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション/Robotic Process Automation)とは、アプリケーションの画面の操作を記録することで簡単な操作を自動化し、ホワイトカラーの業務を自動化させるためのもので、昨今、隆盛を極めております。

Microsoft FlowはIFTTT的なサービスで、そのMicrosoft FlowにRAPを組み合わせることにより、様々な処理(メールを送る、Twitterにつぶやくなど)をトリガーにして、様々な業務を自動化できます。例えば、メールが着信したらWordを起動させて、その内容をWordに転機するなど。

KeyNoteのデモでは、Power Virtual Agentで作成したチャットボットからの発言をトリガーにして、Power Automateで作成したフローが動き出すと行ったデモが公開されていました。

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なるほど、Power Virtual AgentのようなチャットボットをRPAのインターフェースとすれば、まずますユーザーフレンドリーなシステムになりますね。「今期の決算表作って」とチャットボットに話しかけて決算表ができるなんて、まさにロボットの名にふさわしいサービスですね。

いよいよマイクロソフトもRPAの世界に踏み出してきました。しかもマイクロソフトは先程のPower Virtual Agentを始め、色々なサービスを持っています。RPAとこれらのサービスの融合が、これからのRPA業界にどのような変革をもたらすのかちょっと楽しみです。

番外編

パブリックビューイングの会場では、開始20分前にアタック25のようなパネルクイズをやりました。聴衆も回答に参加できます。

まず、司会の方と3人の回答者が現れました。IMG_1755

 

スクリーンに映し出されているパネルが映し出されるので、回答者は選択します。

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すると問題が表示されます。IMG_1756

 

ステージ上の回答者が答えられないと、聴衆に振られます。さすがアメリカ、みんなノリがよいので、我こそはとこぞって回答してました。ちなみに先程の質問の回答は以下です。

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司会者は「なぜ角をとらない?」とは言いませんでした。

最後に

今回は、Azure Arc、Azure Synapse、そしてAzure AutomateとBuildに比べて衝撃的な内容が多くて、業界もざわついています。特にマイクロソフトがRPA参入というのがビッグニュースですね。今後が楽しみです。

 

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About 武井 宜行 267 Articles
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