皆さんこんにちは、技術部のつかさです。
予定通り2019/05/07にRHEL8がリリースされました。
今後の案件ではRHEL8がベースになるであろう。ということでPreview版は既に触った身ではありますがRHEL8についておさらいしていきます。
- 1 サポート期間
-
2
RHEL7からの気になる変更点
- 2.1 python コマンドがなくなりました
- 2.2 「YUM v3」が終了、新たに「DNFベースのYUM」でのパッケージ管理
- 2.3 RPMの強化
- 2.4 kernelバージョンが更新
- 2.5 RHELの提供方法が統一
- 2.6 パッケージリポジトリが2つに区別
- 2.7 Red Hat InsightsがRHELに同梱!
- 2.8 Desktop環境の変更
- 2.9 iptablesの終焉とnftableの到来
- 2.10 ntpdが削除
- 2.11 crypto-policiesの追加
- 2.12 COCKPITが搭載
- 2.13 dockerパッケージの廃止、podmanの完全サポート
- 2.14 nginxが追加
- 3 総評
サポート期間
RHEL8のサポート期間は2019/05/07 – 2029/05/xx までの10年間となります。
RHEL7からの気になる変更点
RHEL8のリリースノートに記載されている箇所から抜粋してご紹介します。
リリースノート全文については[こちら](https://access.Red Hat.com/documentation/ja-jp/red_hat_enterprise_linux/8/html-single/8.0_release_notes/index)をご覧ください。
python
コマンドがなくなりました
$ python ~~
とは打てなくなりましたが殆どのパターンで$ python3 ~~
と打てばpyhon3.xが利用できます。
※minimal installの場合は利用できませんでした。
移行補助を目的にPython2.7も提供されるようですがサポートは短期でなくなることが予告されているのでご注意ください。
「YUM v3」が終了、新たに「DNFベースのYUM」でのパッケージ管理
yumはpython2.x系でしか動かなかったのでついに撤廃、yumとほぼ同様の操作感で利用できるdnfがメインとなります。
さようならyum
そしてこんにちはdnf
。
と書きたかったのですが上記掲載のリリースノート曰く“新しいバージョンのYUM”とのことです。
yum v4
という名称もリリースノートをざっと見た感じなかったのでなんと呼べばよいかわかりません(笑)
実際にyumコマンドも発行出来ますがdnfにシンボリックリンクされているだけなのでどこかのタイミングでdnfになれる必要はありそうです。
RPMの強化
4GB以上のパッケージサポートに加え依存関係の機能が強化されています。
kernelバージョンが更新
RHEL7.6の3.10.0-957からRHEL8では4.18に変更されています。
余談ですがLinux kernelの最新版は2019/05/05にリリースされた5.1.0です。
RHELの提供方法が統一
RHEL7まではServer,HPC,Workstationなどの製品別にインストールメディアやソフトウェアの提供有無、リポジトリ名などが分けられておりましたがRHEL8から一つとなります。
パッケージリポジトリが2つに区別
BaseOSリポジトリ:最低限の動作に必要なもの
Application Streamリポジトリ(以下App Stream):BaseOSを基盤として動作するもの
リポジトリは別れていますがdnfで管理する分には特段意識しなくても大丈夫です。
App Streamの中にmoduleという単位で小さなリポジトリが存在し同一パッケージのバージョン違いも提供されるようになります。
ただしmoduleから提供されるソフトウェアではサポート期間が短い場合があるのでご注意ください。
※正しい頻度でUpdateしようね。という指針だと認識しています。
Red Hat InsightsがRHELに同梱!
これまで別製品だったInsightsがRHELに同梱されました。
この影響はRHEL8のみに限らずInsightsが利用できる全てのRHELに影響します。(RHEL6,RHEL7)
一部のナレッジについてはAnsible Playbookでの手順提供も行われるようです。
Desktop環境の変更
GNOME 3.28となりディスプレイサーバのデフォルトがXorgからWaylandに変更されています。
さらにKDEが廃止になりました。
iptablesの終焉とnftableの到来
ついにiptablesが終焉を迎えnftableが到来しました。
影響について端的にいいますとfirewalldコマンドで設定を行っていた方々にはほぼ影響ありません。
iptablesコマンドで頑張ってきた方々にとってはfirewalldコマンドを覚えるかnftableコマンドを覚える必要が出てきます。
実はこの話2018/07/06にReleaseされているfirewalld 0.6.0以降のバージョンでは既に変更されていた内容になります。
v0.6.0からバックエンドがiptablesからnftableへ変更されておりその変更がRHEL8に降りてきただけです。
ntpdが削除
RHEL7から既にchronyがスタンダードでしたので影響は少ないですがntpdがついにサヨウナラ・・
これからはcronyのみがサポートされます。
crypto-policiesの追加
暗号化スイートの設定簡略化ツールとしてcrypto-policiesが追加されました。
特定のソフトウェアの暗号化スイートのデフォルト設定をまとめて行うツールになります。
COCKPITが搭載
サーバ管理用WebUIであるCOCKPITが搭載されました。
COCKPITの詳細についてはこちら
dockerパッケージの廃止、podmanの完全サポート
dockerパッケージは配布されてませんがpodmanが提供されます。
nginxが追加
Webサーバの選択肢にnginxが追加されました!
今後は必要に応じてApache httpsd 2.4.37
かnginx 1.14
を選択する喜びを味わえます。
総評
ここで紹介した他にも多岐に渡る変更や革新が行われています。
個人としては変化はウェルカムなので楽しくてしょうがないです(;゚∀゚)=3ムッハー
間違いやこれも記載しとけよ!という所がありましたらコメントで教えていただけると記事更新させて貰いますのでよろしくお願いします。
近日実際に触った結果をお届けします!