クラウドコンピューティング化が加速しており、私たちの普段目に見えないところで動作をしているソフトウェアや仮想ハードウェアが増えています。このような時代だからこそ、コンピュータ基板を眺めながらプログラミングやデバイスを制御してみるのはいかがでしょうか。
はじめに
ラズベリーパイ (英語表記: Raspberry Pi) は、元々は教育現場でプログラミングやデバイス制御などの学習のために開発された名刺サイズの小型コンピューターです。特にラズベリーパイと電子回路とを組み合わせて電子回路をプログラムで制御するという使い方が非常に向いていると思います。
ぜひ、一度手に取りハードウェアを身近に感じながらプログラミングをしてみませんか。
1. 奥: “Raspberry Pi Model B”(旧式)
手前: “Raspberry Pi2 ModelB”
なぜ、ラズベリーパイなのか
1. 安い
クアッドコアのCPUを搭載した最新モデル(Raspberry Pi2 Model B)でも五千円ほどで購入できます。この値段なら、いろいろと実験して壊してしまっても何とかなる金額ですね。例えば定期的にメールを送信したり、ディスプレイに案内を表示させたりするためだけに高価で消費電力の高いPCを用意するのであれば、安価で低消費電力のラズベリーパイを利用した方がコストを削減できます。
2. Linuxが動く
推奨OSはRaspbianと言うDebianベースのLinuxですので、単純にLinuxを利用した簡易サーバとしても利用可能です。もちろん、ディスプレイに接続してデスクトップPCとしてGUIベースでの操作も可能です。
3. 電子部品をコントロールしやすい
特別なことをせずに、本体の基板上のGPIO(General Purpose Input/Output(汎用入出力))ポートから直接電子回路に結線が可能で、pythonなどで簡単に制御が可能です。
4. 消費電力が低い
特殊な電源コードなどではなく、マイクロUSB端子にて電源が取れます。使用状況によりますが “Raspberry Pi2 Model B” の消費電力は多くても5ワット程度ですので、スペックを問わない処理の場合には数十ワットを消費するPCを起動しておくよりも省エネです。
5. 携帯性
名刺サイズで小さく、軽く、スマートフォン用の携帯バッテリーから電源も取れます。移動しながらも動作させ続けることもできます。特別なバッテリーでは無く、スマートフォンなどで利用する汎用バッテリーがそのまま利用可能です。
6. 冷却ファンもないため無音
意外と大事なのがファンの音です。ラズベリーパイには冷却ファンも無いために、寝室などでつけっぱなしで置いておいても全く問題ありません。
7. 番外編
- 基板がむき出しで見ているだけで癒される
ハードウェア好きにはたまりません。 - 基板の匂いがいい(使用に伴い、香りは薄れてきます)
こちらもハードウェアマニアにはたまらないと思います。 - ケースが着せ替えできるので面白い
ケースは無くても良いですが、元々ケースがついていませんので好きなケースを付けられますし、3Dプリンタで自作する方もいるようです。熱が籠らないようなケースをお奨めします。
図2: “Raspberry Pi2 Model B” にケースを付けたところ
まずは材料を揃えましょう
本記事は、日本サード・パーティ株式会社(JTP)にて、執筆しています。
JTPは約30年に渡り、様々なベンダーのサポートを行う企業です。 設計、構築、開発、運用、ヘルプデスク、トレーニングなど、ITのライフサイクルを通して技術サービスを提供しています。
中でも、JTP の IT教育サービスでは、クラウド、Hadoop関連技術など、OSS の最新技術 トレーニングを数多く実施しています。
JTPでは、経験豊富なエンジニア、講師陣により、多くの技術記事を公開しております。
▼JTPの情報メディア「JTP Technology Port」はこちらから!