SUSE AIとSUSE AI Factoryとは?

はじめに

エンタープライズLinux大手のSUSEにより、AIソリューション「SUSE AI Factory」が「SUSECON 2026」にて発表されました。
生成AIの企業利用が進む一方で、多くの企業がセキュリティの懸念や構築・運用の複雑さといった課題に直面しています。SUSEが提供する「SUSE AI」および「SUSE AI Factory」は、こうした企業の課題を解決するためのソリューションとして大きな注目を集めています。

本記事では、SUSE AIとSUSE AI Factoryの概要やそれぞれの位置づけについて紹介します。

SUSE AIの概要

SUSE AIは、生成AIアプリケーションを任意の環境で展開・実行するためのエンタープライズ向けAIプラットフォームです。
SUSE Rancher Primeを導入できるKubernetes環境であればどこでも展開でき、安全なAI実行基盤を構築することができます。
SUSE AIは主に以下の特徴があります。

  1. 自由なAIコンポーネント選択
    • 多様なオープンソース(OSS)のAIコンポーネントを利用できるため、ニーズや要件に合わせてそれらを組み合わせ、推論APIなどを構築・提供することができます。
  2. 堅牢なセキュリティ
    • 提供されるAIコンポーネントは安全性が保証されたもののみが使用されます。
    • SUSE AIはエアギャップ環境に展開することができるため、データの漏洩リスクを大幅に軽減することができます。
    • SUSE Securityというコンポーネントを利用したゼロトラストセキュリティが組み込まれています。
  3. リアルタイムな監視
    • SUSE Observabilityというコンポーネントと連携した可観測性ダッシュボードにより、リアルタイムでの監視を行うことができます。
    • CPU使用率やメモリ使用率などの基本的なメトリクスに加え、GPUリソースの使用状況やAIアプリケーションのパフォーマンス、LLMのトークン使用量などもリアルタイムに監視することができます。

SUSE AI Factoryの概要

SUSE AI FactoryはOSSのAIコンポーネントをKubernetesクラスター上に効率よくデプロイ・管理するためのコンポーネントです。
SUSE AI Factoryは主に以下の特徴があります。

  1. UIから簡単にデプロイ
    • SUSE AI Factoryは、KubernetesオペレーターとRancher UI拡張機能によって構成されており、RancherのUI上からAIコンポーネントをデプロイすることができます。
  2. 「Blueprint(ブループリント)」によるAIスタックの容易な構築
    • AIコンポーネントの組み合わせを「Blueprint」と呼ばれるテンプレートとして作成・利用できます。
    • 代表的なユースケース向けに、SUSEが事前検証したBlueprintもあらかじめ用意されているため、ゼロから構築する手間を省けます。
  3. NVIDIA製品と統合された「SUSE AI Factory with NVIDIA」
    • OSSのコンポーネントだけでなく、NVIDIA AI Enterprise製品群を組み込んだ「SUSE AI Factory with NVIDIA」も提供されています。

SUSE AIとSUSE AI Factoryの関係

SUSEの公式ドキュメントでは、SUSE AIとSUSE AI Factoryの関係性が以下のような方程式で表されています。

Infrastructure Platform (like SUSE Rancher Prime) + Application Platform (SUSE AI Factory) = SUSE AI

この方程式が示す通り、「SUSE AI」とはプラットフォーム全体の枠組みであり、その中で「SUSE AI Factory」はAIアプリケーションのデプロイやライフサイクル管理を担うコンポーネントという位置づけになります。

SUSE AIのアーキテクチャ図は以下のようになっており、SUSE Rancher Primeを中心とするインフラ基盤の上でSUSE AI Factoryが稼働し、全体をセキュリティや監視機能が統合的に保護する構成こそが「SUSE AI」の全体像になります。

SUSE AIのアーキテクチャ図

おわりに

本記事ではSUSE AIおよびSUSE AI Factoryの概要について紹介しました。
SUSE AIは、ニーズに応じて柔軟に組めるコンポーネント選択の自由さや、堅牢なセキュリティ、リアルタイムで状況を可視化する監視機能など、企業が安全にAIを活用するための要素が揃っています。さらにSUSE AI Factoryの登場により、これらを容易にデプロイ・管理できる実用的な環境も整いました。
企業のAI導入がさらに加速する中で、今後ますます注目されるソリューションになっていくはずです。
当ブログでは、今後もSUSE AIに関する内容を発信していく予定です。ぜひチェックしてみてください。

参考文献

https://www.suse.com/ja-jp/solutions/ai/
https://www.suse.com/ja-jp/products/ai/
https://documentation.suse.com/ja-jp/suse-ai-factory/latest/

ご覧いただきありがとうございます! この投稿はお役に立ちましたか?

役に立った 役に立たなかった

0人がこの投稿は役に立ったと言っています。
エンジニア募集中!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です