- 1 はじめに
- 2 構成概要
- 3 基礎環境の構築
-
4
Confluent Cloud から情報収集
- 4.1 Confluent Cloud へログイン
-
4.2
「.env」ファイルの設定情報
- 4.2.1 API_KEY / API_SECRET
- 4.2.2 HTTP_HOST / HTTP_PORT
- 4.2.3 BOOTSTRAP_SERVERS
- 4.2.4 CONFLUENT_CLOUD_REST_ENDPOINT
- 4.2.5 KAFKA_ENV_ID
- 4.2.6 KAFKA_CLUSTER_ID
- 4.2.7 KAFKA_REST_ENDPOINT
- 4.2.8 FLINK_ORG_ID
- 4.2.9 FLINK_COMPUTE_POOL_ID
- 4.2.10 FLINK_ENV_ID / FLINK_ENV_NAME
- 4.2.11 FLINK_DATABASE_NAME
- 4.2.12 FLINK_REST_ENDPOINT
- 4.2.13 SCHEMA_REGISTRY_ENDPOINT
- 5 Confluent MCP サーバーの環境設定
- 6 Confluent MCP サーバーのデモ
- 7 まとめ
はじめに
こんにちは、サイオステクノロジーの小沼 俊治です。
SaaS 型のデータストリーミングプラットフォームの Confluent で、自然言語にて Confluent Cloud を操作できる Confluent MCP (Model Context Protocol) サーバーが GitHub に公開されました。この MCP サーバーを MCP ホストの Claude に組み込んで使ってみたので、設定方法を共有したいと思います。
何ができるかは、私たちが普段話す言葉で Claude から Confluent Cloud を操作するデモンストレーションをご覧ください。
本資料では、既に Confluent Cloud を利用されている方を対象としており、Confluent MCP サーバーを MCP ホストに設定する手順に焦点を当てて解説します。従って、Confluent Cloud の利用開始手順や設定、およびデータストリーミングプラットフォームの利用方法など、MCP サーバーの設定以外の内容については、本資料の範囲外とさせていただきます。
また、MCP についても既にネット上でたくさんのコンテンツが親切に説明されているので、本資料の範囲外とさせて頂きます。個人的には、KDDIアジャイル開発センター 御田さんが書かれた以下資料がお薦めです。
なお、ハンズオンで利用する機能は Claude の無料プランでお試し頂くことが可能ですが、便利さを感じて頂いたら是非ともアップグレードもご検討ください。
構成概要
筆者が動かした際の主な構成要素は以下の通りです。
- Windows 10 Professional
- Claude desktop for Windows version 0.9.3
- Windows PowerShell 5.1.19041.5737
- Node.js v22.15.0

ハンズオンを構成する環境は以下の通りです。
- MCP ホストは、Claude desktop for Windows のネイティブアプリ版を利用します。
- MCP サーバーの構成における主な考慮事項は以下の通りです。
- Confluent MCP サーバーは TypeScript で実装されているため、MCP サーバーの稼働環境は Node.js を導入します。
- GitHub のリポジトリから取得した TypeScript のソースコードを JavaScript へトランスパイルして、Node.js 環境で MCP サーバーを実行します。
- 実行に当たっては、Confluent Cloud から API Key、API Secret などの情報を事前に収集します。
基礎環境の構築
Claude desktop for Windows インストール
MCP ホストに Web 版ではなくアプリ版の Claude desktop for Windows を利用するため、以下公式手順を参考に Windows PC へインストールします。
Node.js インストール
JavaScript の実行環境が必要なため、以下手順を参考に Windows PC へ Node.js をインストールします。
Confluent Cloud から情報収集
本章では Confluent Cloud にログインして MCP サーバーの動作に必要な各種情報を収集します。
- Confluent Cloud API を利用して Confluent Cloud を操作するため、API Key、および API Secret を取得します。
- 利用している Confluent Cloud の環境情報を収集します。
Confluent Cloud へログイン
Confluent Cloud のログインページにアクセスしログインします。

Confluent Cloud にログインできたら、次の章に進みます。

「.env」ファイルの設定情報
Confluent MCP サーバーの起動には「.env
」ファイルの設定が不可欠で、設定値について以下 GitHub のドキュメントに記載がありますが、多くの設定項目があるため、私自身も情報の収集には苦労しました。これまでに得たノウハウに基づき、ファイル作成に必要な項目の設定値や取得方法について解説します。
Confluent MCP サーバーの環境構築する過程で、「「.env」ファイルの作成 」でファイルを作成する際にこの解説を参考にしてください。
API_KEY / API_SECRET
「CONFLUENT_CLOUD_API_KEY」を始めとする各種 API Key と API Secret の取得に当たり、画面右上のハンバーガーメニューから「API Keys」を選択します。

API Key とペアーで API Secret を新たに発行するために、「+ Add API key」ボタンをクリックします。

自分自身のアカウントとして振る舞う API Key を発行するので「My account」を選び「Next」ボタンをクリックし、次ページ以降は発行する API Key に準じた章に従って進めます。

API Key と API Secret の発行画面では、画面を閉じると API Secret は二度と確認できなくなるため、必ずメモを取って控えます。控え終わったら「Complete」ボタンをクリックして発行プロセスを完了し、控えた API Key と API Secret はそれぞれの「.env
」へ設定します。

CONFLUENT_CLOUD_API_KEY / API_SECRET
「Cloud resource management」を選択して「Next」ボタンをクリックします。

「Name」に任意の API Key 名を入力して「Next」ボタンをクリックして API Key と API Secret を発行します。

FLINK_API_KEY / API_SECRET
「Flink region」を選択して、MCP ホストから操作したい Flink の「Environment」「Cloud provide」「Region」を選択して「Next」ボタンをクリックします。

「Name」に任意の API Key 名を入力して「Next」ボタンをクリックして API Key と API Secret を発行します。

KAFKA_API_KEY / API_SECRET
「Kafka cluster」を選択して、MCP ホストから操作したい Kafka の「Environment」「Cluster」を選択して「Next」ボタンをクリックします。

「Name」に任意の API Key 名を入力して「Next」ボタンをクリックして API Key と API Secret を発行します。

SCHEMA_REGISTRY_API_KEY / API_SECRET
「Schema Registry」を選択して、MCP ホストから操作したい「Environment」「Schema Registry」を選択して「Next」ボタンをクリックします。

「Name」に任意の API Key 名を入力して「Next」ボタンをクリックして API Key と API Secret を発行します。

HTTP_HOST / HTTP_PORT
HTTP_HOST と HTTP_PORT には、デフォルトの「localhost
」「3000
」を「.env
」へ設定します。
BOOTSTRAP_SERVERS
画面の左ペインのメニューから「Environments」を選択し、MCP ホストから操作する Environment を選びます。

Cluster 一覧で MCP ホストから操作する Cluster を選びます。

画面の左ペインのメニューから「Cluster overview > Cluster settings」を選択し、Endpoints にある「Bootstrap server」の値を「.env
」へ設定します。

CONFLUENT_CLOUD_REST_ENDPOINT
「https://api.confluent.cloud
」を「.env
」へ設定します。
KAFKA_ENV_ID
MCP ホストから操作する Environment が選ばれている状態で、画面の右ペインの Environment details にある「ID」の値を「.env
」へ設定します。

KAFKA_CLUSTER_ID
MCP ホストから操作する Environment が選ばれている状態で、Cluster 一覧で MCP ホストから操作する Cluster を選びます。

画面の右ペインの情報一覧にある「Cluster ID」の値を「.env
」へ設定します。

KAFKA_REST_ENDPOINT
MCP ホストから操作する Cluster が選ばれている状態で、画面の左ペインのメニューから「Cluster overview > Cluster settings」を選択し、Endpoints にある「REST endpoint」の値を「.env
」へ設定します。

FLINK_ORG_ID
画面右上のハンバーガーメニューから「Organization settings」を選択します。

Details にある「Organization ID」の値を「.env
」へ設定します。

FLINK_COMPUTE_POOL_ID
MCP ホストから操作する Environment が選ばれている状態で、画面の左ペインのメニューから「Flink」を選択し、MCP ホストから操作する Compute pool から「ID」の値を「.env
」へ設定します。

FLINK_ENV_ID / FLINK_ENV_NAME
Flink の Environment は、Kafka の Environment の ID を意味するため「KAFKA_ENV_ID」と同じ値を「.env
」へ設定します。なお、FLINK_ENV_NAME には kafka の Environment に名付けられた名前を設定します。
FLINK_DATABASE_NAME
Flink のデータベース名は、Kafka の Cluster ID を意味するため「KAFKA_CLUSTER_ID」と同じ値を「.env
」へ設定します。
FLINK_REST_ENDPOINT
MCP ホストから操作する Environment が選ばれている状態で、画面の左ペインのメニューから「Flink」を選択し、「Compute pools」タブを選択すると表示されている Compute pool 情報にある「Cloud & region」から cloud と region の値を控えます。(画面例では、「cloud = aws」「region = ap-northeast-1」が該当します)

「Endpoints」タブを選択し、Public Endpoints にある「Public endpoint」に書かれている書式を控えます。

控えた値、書式とプロトコルの「https://」使って得られたアドレスを「.evn
」へ設定します
- 画面例では次のアドレスになります。:https://flink.ap-northeast-1.aws.confluent.cloud
SCHEMA_REGISTRY_ENDPOINT
MCP ホストから操作する Environment が選ばれている状態で、画面の左ペインのメニューから「Stream Governance > Schema Registry」を選択し、「Overview」タブを選択すると表示されている Endpoints にある「Public endpoint」の値を「.env
」へ設定します。

Confluent MCP サーバーの環境設定
MCP サーバーの設定
Confluent MCP サーバーの GitHub リポジトリを取得して、MCP ホストの Claude と連携できるように準備します。
GitHub からリポジトリのダウンロード
「ドキュメント」フォルダ配下に、リポジトリを保存して管理する「devlopment
」フォルダを作成します。

- Path:
C:\Users\{ユーザー名}\Documents\development\
{ユーザー名}
はご利用中 PC のユーザー名に置き換えてください
ブラウザで GitHub の「Confluent MCP Server」のリポジトリにアクセスします。

リポジトリを ZIP ファイルで取得するため、緑色の「Code」ボタンをクリックすると表示するメニューから「Download ZIP」を選択して、名前を付けて保存するダイアログが表示されたら保存するフォルダを指定してダウンロードを開始します。

エクスプローラーでダウンロードした「mcp-confluent-main.zip
」を右クリックして表示するメニューから「すべて展開…」を選択して ZIP ファイルを展開します。

ZIP ファイルから展開された「mcp-confluent-main
」フォルダを、事前に準備した「C:\Users\{ユーザー名}\Documents\development\
」フォルダに移動するため、右クリックで表示するメニューの「切り取り」を選択して切り取ります。
なお、展開後のフォルダ構成が「…\Donwloads\mcp-confluent-main\mcp-confluent-main\…
」のように「mcp-confluent-main
」フォルダが二重に展開されている場合は、下段の「mcp-confluent-main
」フォルダを移動対象にします。

事前に準備した「C:\Users\{ユーザー名}\Documents\development\
」フォルダをアクティブにして、右クリックのメニューから「貼り付け」を選択して「mcp-confluent-main
」を移動します。

フォルダ名を「mcp-confluent-main
」から末尾の main を消し「mcp-confluent
」に変更します。

「C:\Users\{ユーザー名}\Documents\development\mcp-confluent
」フォルダが準備できました。

Git コマンドがインストールされている PC 環境では、Windows PowerShell を使い以下コマンドでリポジトリを取得して頂くことで問題ありません。
PS C:\Users\...\development> git clone https://github.com/confluentinc/mcp-confluent.git
「.env」ファイルの作成
Confluent MCP サーバーの「C:\Users\{ユーザー名}\Documents\development\mcp-confluent
」フォルダに「.env」ファイルを新規に作成します。

ファイルに設定する内容は以下 GitHub のドキュメントを確認してください。
ファイル作成に必要な項目の設定値や取得方法について以下でも解説しています。
依存パッケージのインストールとトランスパイル
Windows のスタートメニュー「W」セクションから「Windows PowerShell」を選択して起動します。

Window PowerShell ではコマンドラインベースで操作を行います。

リポジトリを保存したフォルダへ遷移します。
PS C:\Users\...> cd C:\Users\{ユーザー名}\Documents\development\mcp-confluent\
ソースコードが実行時に必要な依存パッケージをインストールします。
PS C:\Users\...\mcp-confluent> npm install
added 726 packages, and audited 727 packages in 36s
127 packages are looking for funding
run `npm fund` for details
found 0 vulnerabilities
依存パッケージが格納された「node_modules
」フォルダが新たに出来上がったことを確認します。
PS C:\Users\...\mcp-confluent> ls
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
d----- 2025/05/19 12:20 node_modules <--- 出来上がっている
d----- 2025/05/19 12:15 src
:
ビルドして TypeScript のソースコードから Node.js で実行できる JavaScript のソースコードへトランスパイルします。
PS C:\Users\...\mcp-confluent> npm run build
> @confluentinc/mcp-confluent@1.0.2 build
> tsc && tsc-alias
ビルド先の「dist
」フォルダが新たに出来上がり、MCP サーバーの起動を担う「dist\index.js
」が出来上がったことを確認します。
PS C:\Users\...\mcp-confluent> ls dist\
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
:
-a---- 2025/05/19 12:22 6036 index.js <--- 出来上がっている
:
Claude(MCP ホスト)の設定
Confluent MCP サーバーが Claude で利用できるように設定します。
連携先 MCP サーバーの設定
Windows のスタートメニュー「A」セクションから「Anthropic > Claude」を選択して起動します。

Claude が起動したら画面左上のハンバーガーメニューから「ファイル > 設定…」を選択します。

Confluent MCP サーバーが利用できるようにするために、「開発者」タブの「構成を編集」ボタンをクリックします。

エクスプローラーが立ち上がり、Claude の設定ファイルに該当する「claude_desktop_config.json
」ファイルをダブルクリックしてエディターで開きます。

「claude_desktop_config.json
」ファイルに Confluent MCP サーバーを利用するための設定を記載して保存します。
{
"mcpServers": {
"confluent": {
"command": "node",
"args": [
"C:\\Users\\{ユーザー名}\\Documents\\development\\mcp-confluent\\dist\\index.js",
"--env-file",
"C:\\Users\\{ユーザー名}\\Documents\\development\\mcp-confluent\\.env"
]
}
}
}
「claude_desktop_config.json
」ファイルの編集における主な考慮事項は以下の通りです。
- 「mcpServers > confluent > args」フィールドで主な考慮事項は以下の通りです。
- node コマンドが MCP サーバーとして起動する「
index.js
」ファイルの Path を指定します。 - 「
--env-file
」オプションに付与する値は「.env
」ファイルの Path を指定します。 - 「
.env
」ファイルは「「.env」ファイルの設定情報」章を参考に設定します。 - Path にある「
{ユーザー名}
」は PC で利用しているユーザー名に置き換えます。 - Path でフォルダの区切りを示す「\」は二重の「\\」で書く必要があります。
- node コマンドが MCP サーバーとして起動する「
Claude の再起動で設定反映
変更した設定ファイルの適用には、ウィンドウの「×」ボタンで終了させるだけではなく、Claude のプロセスを完全に終了させる必要があるため、Windows タスクバーの画面右側のアイコン表示領域から Claude アイコン(トゲトゲのウニの様なデザイン)を探し、右クリックで表示されるメニューから「終了」を選択してプロセスを完全に終了させます。

Windows のスタートメニュー「A」セクションから「Anthropic > Claude」を選択して起動します。

Claude が起動したら画面中央のテキストボックス内の左下にある「検索とツール」アイコンをクリックします。表示されたメニューに、「confluent」の項目と右横に数字が表示されていたら、Confluent MCP サーバーは正常に設定できました。

Confluent MCP サーバーのデモ
私たちが普段話す言葉で Claude から Confluent Cloud を操作するデモンストレーションをご覧ください。
- Confluentに新たに「mcp_users」トピックを作ってください。
- Confluentに以下コネクターを新規に作成して、既に存在する「mcp_users」へテストデータを流してください。
– コネクター名: Connector_mcp_users
– プラグイン: Sample Data
– レコード書式: JSON_SR
– スキーマ: Users
なお、最終確認は自分でやるので、できあがり確認はしなくてよいです。 - Confluentに「mcp_users」と同じスキーマ構造で新たに「mcp_users_mask」トピックを作り、Flinkを使って「mcp_users」トピックの全てのデータを流すSQLを発行してください。
但し、「gender」フィールドだけは登録されている半角英数字を正規表現で「*」へ置換してマスクしてください。
なお、最終確認は自分でやるので、できあがり確認はしなくてよいです。
まとめ
Confluent MCP サーバーの組み込みとデモンストレーションはいかがでしたでしょうか。Confluent に限らず、ミドルウェアベンダー各社から設定を簡略化する MCP サーバーが提供されていますので、ぜひ色々と試してみていただければと思います。