Azureを利用したOpenAI技術について話していきます。OpenAIというのは今話題のChatGPTの基盤として利用しているものです。
ChatGPTが登場し、利用してみると以前のAIと違いすごく活用できることがわかります。便利であるという反面、仕事上で使う場合セキュリティの観点等が気になり利用できない方も多いです。
本日はChatGPTの基礎技術、GPTを利用したサービスAzure OpenAIを使用してセキュリティ高い状態でChatGPTのようなChatを利用する方法を説明していきます。
Azure OpenAIとChatGPTの違い
ChatGPTとは
2022年11月にOpenAIが公開した人工知能チャットボット、GPTー3のモデルを利用しており幅広い分野の質問に詳細に回答してくれるものです。2021年9月までの情報をもとに学習しているものです。料金はGUIだと無料で利用することができます。AIでの回答は聞くたびに違う回答が返ってきたり、正しくない情報等も返答がされます。しかし、回答制度としてはかなり高いものであり、今後いろいろな個所で利用することが考えられています。
有料でGPT-4というものやAPI提供もあり、まだまだ進歩している最中のものです。
Azure OpenAIとは
Azure cognitive serviceのサービスの一部です。
OpenAIが開発した自然言語モデルを、Web APIやWebユーザインターフェース経由で利用でき、自然言語モデルには、GPT-35、Codex、Embeddingsなどがあります。Azure OpenAI Serviceは、OpenAI APIとAzureのセキュリティやコンプライアンスを組み合わせています。
参考URL
https://azure.microsoft.com/ja-jp/blog/chatgpt-is-now-available-in-azure-openai-service/
ChatGPTとAzure OpenAIの違い
Azure OpenAIとChatGPTの違いを比べてみます。
ChatGPT | Azure OpenAI | |
---|---|---|
api |
有料 学習利用なし |
有料 学習利用なし |
非API |
無料 学習利用あり ※別申請や設定で利用なしに可能 |
有料 学習利用なし |
料金(API) gpt-3.5-turbo |
$0.002 / 1K tokens |
$0.002 / 1K tokens (EASTUS) |
利用制限 |
13歳以上 |
企業利用 |
※学習利用 とは 入力内容をAIモデルに追加学習させて他でも利用するということ
※2024年4月時点
Azure OpenAIは制限付きサービスになります。
https://www.microsoft.com/licensing/terms/productoffering/MicrosoftAzure/EAEAS
ChatGPT利用規約
https://openai.com/policies/terms-of-use
chatGPTは設定でシークレットモードやBussinessプランも登場するとのことでいろいろ変更してきております。
Azure OpenAIを始める事前準備
Azure OpenAIを始めるには,Azureのサブスクリプションに参加状態であることが必要です。
AzureOpenAIのリンクにある、登録フォームから申請します。
- 下記のような企業情報が必要です。
- 会社のメールアドレス(gmail.com,hotmail.com,outlook.com)ではないメールアドレス
- 会社名
- 会社の住所
- 会社のウェブサイト
- 利用用途についても細かく聞かれるので、確認しながら回答をお願いします。
申請が終わって、Azure側から回答(10日以内の回答)を待ちます。私が申し込んだところ3営業日以内に回答が来ました。
Azure OpenAIデプロイ
Azure OpenAIをデプロイしてChatGPTのようなチャット機能を利用していきます。
設定はそこまで難しくなく、GUIで設定ができます。
OpenAIリソース作成
Azure Portalにログインし、リソースの作成を選択します。
OpenAIを検索します。
Azure OpenAIを選択します。
作成を選択します。
- 基本では、
- 申請したサブスクリプションを選択
- リソースグループを任意で設定
- リージョン(現在利用できる範囲から)選択
- 名前を英数字とハイフンで設定
- 価格レベルを設定
- ネットワークでは、
- デフォルトで、インターネットを含む全てのネットワークがこのリソースにアクセス を選択します。
- レビュー及び送信
- 作成を選択して作成します。
リソースが作成されるまでしばらく待ちます。
AIモデルの作成
デプロイしたAzureのOpenAIを選択
モデルデプロイを選択後、展開の管理を選択して、Azure OpenAI Studioに移動します。
デプロイを選択
- 作成を選択
- モデルデプロイ名を任意名で設定
- モデルを「gpt-35-turbo」を選択
- versionが入っていることを確認
- 保存を選択
モデルがデプロイされるまでしばらくお待ちください。
Azure OpenAI Studioを利用したチャット
Azure OpenAI Studio上に移動します。
プレイグラウンドのチャットを選択します。
最初はConfigureationの設定値である、最大応答を少し長めに設定します。この値が大きくないと返答してくれる文章量が少なくなります。
チャットセッションのUser messageに入力したい内容を入力します。
『梅雨でおすすめの花は何ですか?』
チャットボットとして優しい回答が表示されます。
おわりに
現状ではセキュリティ面以外はChatGPTやBingを利用したほうがいいと感じているでしょう。Azureは主にAPIでの提供になります。チャットセッション上部のコードの表示を見ると、リクエストコードをpython, json, C#, curlの4つの言語のサンプルを教えてくれます。それを利用してslackと連携したり,Teamsと連携することで複数人で情報を確認しながら利用することができます。
例としてslackbotを作るなら下記程度の設定で社内利用できます。
- AzureVM で pythonでslackbotアプリケーション(100行程度)をデプロイ
- Slack側で websocketmodeでslackappを設定しAzureVMと連携
- slack側で特定のアクション(slack appへメンションをつけて連絡)
サンプル画像
他のサービスと組み合わせるといろいろなことができます。
今回はなるべく簡単にAzureを利用してChatGPTと似たようなことができる機能を紹介しました。AzureもChatGPTもどんどん変化しています。セキュリティの高いものやビジネス用途などがでてきます。本記事が読者の悩みの一つを解決できたら幸いです。