はじめに
皆さんこんにちは!新卒エンジニアの佐々木千奈です。そろそろ、新卒を名乗れる期間も残りあと2か月を切り、焦りそうになっています💦 焦っても仕方ないので、日々少しずつ、頑張っていこうと思っているところです。
今回は、Grafanaのパネル操作について学習したので、共有させて頂きます。単純な操作が多いですが、忘備録的な意味も含めて記事にしようと思います。誰かの役に立てば幸いです。
- よくわかるGrafana入門【ダッシュボード編①】←今回はこちら
- よくわかるGrafana入門【ダッシュボード編②】
第一回では、Grafanaでテスト用のグラフをとりあえず表示して、少し設定してみる。というところを目標にGrafanaを紹介していきます。
そもそもGrafanaって何?
そもそも皆さんGrafanaというツールについてご存じでしょうか。Grafanaというのは、ざっくりと説明すると、色々なデータベースやデータソースから取得したデータをグラフにしたり、監視したりできる、モニタリングやデータ監視のためのOSS(無料で使えるソフトウェア)です。
特徴として、Grafanaはメトリクスがどこに保存されてるかに関わらず、データを可視化することができます。それらのデータを使ってダッシュボードを作成したり、データを探索したり、チームと共有したりすることができ、組織のデータを最大限に活用することを助けるためのツールとなっています。
Grafana DashBoardの操作
Grafanaは色々なデータを可視化できるんだなぁ、となんとなく思っていただいたところで、さっそく今回の本題であるGrafanaのパネル操作について説明していこうと思います。
ダッシュボードの表示では、できることがかなりたくさんあります。あまりにもできることが多いため、UIを見ただけで直感的に操作するのは難しいと思います。
環境構築に関しても説明を行いたいのですが、環境構築に関しては別で記事を書こうと思っているので、今回は省略させて下さい。Linux上や、Docker上で動かすことができます。公式のダウンロードページのリンクを貼っておくので、気になる方はこちらからダウンロードして下さい。https://grafana.com/grafana/download
ちなみに、本記事作成のために使用したGrafanaのバージョンはv9.3.4です。
それでは、Grafanaの環境は用意できている前提で、ダッシュボードの操作について、説明していきます。学習にあたっては、Udemyのこちらの講座を参考にさせて頂きました。第一回では、テスト用のデータソースを登録して、初歩的な操作を試していきます。
テスト用のデータソースを登録する
先の説明であったように、Grafanaはメトリクスがどこに保存されてるかに関わらず、データを可視化するためのツールです。
そのため、Grafana自体はデータソースを持ちません。今回、Grafana DashBoardの操作を説明するために、Grafanaに標準で搭載されている、テストデータを提供してくれるTestData DBというデータソースを使用して、ダッシュボードの操作を確認します。
Test DBをデータソースに登録するのはとっても簡単です。データソースの追加はadmin Roleを持つユーザでしか行うことができないため、それだけ注意して下さい。
- まず、左のメニューバーの設定アイコンから、Data sourcesを選択します。
- さらに、Add data sourceを選択し、その中から一番下にあるTestData DBを選択します。
- その後の画面でデータソース名を設定し、Save & Test を押下します。
- Data source is working と表示されれば、データソースの登録は完了です。
- また、このデータソースは、簡単な例のためのDashBoardをインポートすることができます。TestData DBを選択している状態で、上部のタブからDashboardsを選択し、Simple Streaming ExampleをImportします。
- その後、左のメニューからダッシュボードアイコンを選択すると、先ほどImportしたSimple Streaming Exampleのダッシュボードが追加されていて、下記のような表示となっていることが確認できます。このダッシュボードは先ほどの画面からReImportすることでもとに戻すこともできるので、グラフのサイズを変えたり、自由にいじってみて下さい。
行の作成
ダッシュボードには行を作成する機能があります。グラフの表示をきれいに整えるために使用します。
- 画面上部のメニューから、Add panelを選択すると行が追加されます。
- 行の名前を設定したり、グラフなどが表示されたパネルを行内にドラック&ドロップで配置することができます。今回はRow1, Row2という名前の行を作成し、それぞれにグラフを配置しました。それぞれの行は表示を折りたたむことも可能です。
- ダッシュボードを編集した後は、閉じようとすると保存するかどうかを聞かれるので、今回はSave asを選択し、Simple Streaming Example Rowという名前で保存しました。
パネル表示のオプションについて
グラフなどを表示しているパネル名をクリックすると、パネルのオプションを表示することができます。
グラフの拡大表示(View)・編集(Edit)・共有(Share)・探索(Exprore)・データなどの詳細表示(Inspect)、またパネルの複製やコピーなどを行うことができます。
コピーしたパネルは、Add panelから、Paste panel from clipboardを選択して、ダッシュボードへペーストすることができます。
ダッシュボードのバージョン管理
grafanaのダッシュボードでは、バージョン管理を行うことができます。変更のたびにコメントを付けて保存しておくと、後で非常に便利です。
例えば、行の作成で使用したSimple Streaming Example Rowに変更を加えて、バージョン管理でそれをもとに戻してみましょう。
- Angular Graph をコピーして、Angular Graph Copyという名前を付けました。ここで保存ボタンをクリックします。
- 保存画面で、コメントを付けて保存します。
- 設定画面を開き、その左メニューからversionsを選択します。
- バージョン履歴の画面は以下のようになっていて、最新のバージョン6では先ほど保存した際に追加したCopy Angular Graphというコメントが確認できます。
- その直前のversion5の右側のボタンのRestoreを押すことで、ダッシュボードを今回の編集前の状態へと戻すことができます。
- ダッシュボードに戻って確認すると、Angular Graphをコピーする前の状態に戻っていることが確認できます。さらに、同様の操作でRestoreする前の状態にも戻すことができます。
おわりに
お疲れ様でした! 今回は、Grafanaにテスト用のデータソースを登録して、ダッシュボードにグラフを表示する方法、また、ダッシュボードに行を追加する方法とパネル表示のオプション、ダッシュボードのバージョン管理について紹介させて頂きました。 次回は、Grafanaでのグラフの表示方法についてより細かく紹介していく予定です。 Grafanaに興味があるけど何ができるんだろう~なんて思っている方がいましたら、是非続きの記事のよくわかるGrafana入門【ダッシュボード編②】も見てみて下さい!
Grafanaの情報を発信しています
サイオステクノロジーでは、これまでGrafanaに関する最新情報や、Grafanaの使い方の基本、応用など、積極的に情報発信しています。
またGrafana社から提供いただいたデモンストレーション動画を日本語字幕付きで公開しています。これを見ればGrafanaにどんな機能があるのかご覧いただけます。
本ブログで、ダッシュボード作成の基礎をマスターした後はぜひこれらをご覧ください。
Garafana新機能紹介
概要 | YouTube | 公開日 |
---|---|---|
💡 Grafana10の新機能を触ってみた!(ブログ記事) Grafanaが10周年を迎え、Version 10をリリースしました。多くの新機能が追加された中で、以下の4つの機能について実際に検証してみました。 ・Canvas panel (正式リリース版) ・Trend panel (試験機能) ・Datagrid panel (試験機能) ・SubFolder (パブリックプレビュー版) |
2023/7/31 | |
💡 デモ付き!Grafana10新機能紹介~Public Dashboard Grafanaには、もともとpublicにダッシュボードを共有するための機能として「Snapshot」という機能がありましたが、Grafana10新機能として、「Public Dashboard」という機能が追加されました。Public Dashboardはリアルタイムなデータも含めて誰でも閲覧アクセスできるのが特徴です。この動画ではPublic Dashboardの設定方法のデモンストレーションを見ていただけます。 |
2023/08/24 |
Garafana関連ブログ
Title | 概要 | 公開日 |
---|---|---|
【デモ動画公開】Grafana~初めてのダッシュボード作成~サンプルデータを使ってデモンストレーションと同じダッシュボードを作ってみよう~
|
2023年6月に、Grafanaに興味がある方、Grafanaでダッシュボードを作成してみたい方など、Grafana初心者のために、実際にダッシュボードを作成するデモンストレーション付きのセミナーを開催しました。 |
2023-07-25 |
Grafanaにテスト用のデータソースを登録して、ダッシュボードにグラフを表示する方法、また、ダッシュボードに行を追加する方法とパネル表示のオプション、ダッシュボードのバージョン管理について紹介しています。 |
2023-02-09 |
|
Grafanaでのグラフの表示方法についてより細かく紹介しています。 |
2023-02-10 |
|
Grafanaでバックエンドデータソースプラグインを作るための環境の準備について紹介しています。 |
2023-02-27 |
|
主要フォルダの説明、フロントエンド/バックエンドに対してそれぞれの開発・ビルド方法について解説しています。 |
2023-02-28 |
|
Grafanaは、データ可視化ツールとして優れた機能を持ち、その権限管理機能も非常に充実しています。しかし、その機能は高度であるため、初めてGrafanaを使用する人には理解が難しい場合があります。このブログでは、Grafanaの権限管理機能を簡単に理解するためのガイドを提供します。 |
2023-08-04 |
Garafana関連動画(日本語字幕付き)
概要 | YouTube | 公開日 |
---|---|---|
初心者向け~Grafanaの始め方 Grafanaの基本的な機能を紹介しています。 |
2022/10/17 | |
Grafanaメトリクス~Prometheus入門 Prometheus(プロメテウス)は、サーバのアクセス状況などシステムの動的な負荷を管理するOSS(オープンソースソフトウェア)のシステムで、サーバのリソースの使用状況など各種メトリクスを収集して、システム全体にかかる負担を監視します。この動画では、Prometheusで収集したメトリクス情報をGrafanaを使って、稼働状況を一目瞭然にします。 |
2023/06/08 | |
【日本語字幕付き】【Grafana公式】Loki入門1~ログ調査&可視化 Lokiは、アプリケーションやシステムからログデータを収集します。この動画では、Grafanaでログの可視化と検索結果をメトリクスに関連付ける方法をわかりやすくご紹介します。 |
2023/08/29 | |
【日本語字幕付き】【Grafana公式】Loki入門2~ログをメトリクスに集計するには この動画では、Lokiで収集したログからメトリクスを作成して表示する方法をご紹介します。 |
2023/09/14 | |
Grafana Tempo入門1~ログからトレースへの移行方法 | ||
Grafana Tempo入門2~トレースの分析 | ||
Grafana dashboardデザイン入門 | ||
Grafana Enterprise入門 | ||
Grafanaを使って、Kubernetesデータを可視化しよう |
古い記事になりますがこちらも参考にしてください
PrometheusとGrafanaは、kube-prometheus-stackというPrometheusのOperatorを利用することでKubernetes上に簡易にPrometheusとGrafana環境をインストールすることが出来ます。 |
2022-07-20 |
|
Grafana 上で RDB のデータがどのように扱えるかを MariaDB を例にして確認してみます。 |
2019-07-22 |
|
Grafana は収集したデータを使って通知を行うこともできます。本ブログでは、 Grafana の通知機能を確認していきます。 |
2019-07-11 |
|
CentOS 上へ Grafana のインストールをして、 prometheus のグラフを作成するところまで紹介します。 |
2019-07-04 |
|
Prometheus は、OSS の監視ソリューションの一種です。設定した内容に従って自動でデータを収集し、設定した条件を満たすデータを検知したらメールなどで通知を行うことなどができます。実際に動かす手順を確認してみます。 |
2019-03-28 |
|
ZabbixとGrafanaの間に監視情報と相性のよい時系列データベース「InfluxDB」を構築し、Grafanaからの監視情報要求先をInfluxDBが受け持つことで、Grafanaのグラフ描写を高速化してみます。 |
2017-05-15 |
|
Azure上のCentOS7にZabbixとGrafanaを導入し、監視情報からグラフィカルなダッシュボードを描写してみます。 |
2017-04-28 |
Grafanaのサポートなら!
サイオスOSSよろず相談室にお任せください!
Grafanaだけでなく、各種最新のOSSにも取り組んでおり、現在、150種類以上のOSSのサポートに対応しております。商用製品のサポート品質に匹敵する手厚いサービスを各種OSSでご利用いただけます。
OSSサポートのことでお困りでしたら、お気軽にご相談ください!
[…] https://tech-lab.sios.jp/archives/32819 […]