1点差の悔しさから学んだこと。 院生エンジニアが知った AIチーム開発と「働く面白さ」

自己紹介とインターン参加理由

自己紹介

こんにちは!関西学院大学大学院 理工学研究科
情報工学専攻 修士1年の山形隼士です。
普段はスポーツ分野、特に「バスケットボールにおけるAIの活用」をテーマに研究を行っています。

なぜ数ある企業からここ(サイオス)のインターンシップを選んだのか

同期の紹介でサイオスを知り、2つの理由から応募を決めました。
1つ目は、AIを用いたハッカソン型チーム開発を体験できる点です。大学院でのAI研究の知見を活かしながら、チームでの実践経験を積みたいと考えました。
2つ目は、現役エンジニアと深く交流できる点です。現場の思考や働き方に触れられる機会の多さに惹かれました。
この実践的な環境なら大きく成長できると確信し、迷わず参加を決意しました。

インターンシップでの成果物

成果物の紹介

今回開発したのは、「忙しくて計画が続かない」と悩む理系大学3年生のために、目標までの道のりを自動生成し、計画倒れを防ぎながら「今日やるべき3つのこと」だけをナビゲートしてくれるWebアプリです。

作成したアプリのホーム画面には今何をするべきかと、全体の中でどこにいるのかが図示されています。

自分の役割

私は「開発の総まとめ役」として立ち回りました。
具体的には、アイデアを実際の形にする上流工程から、実際のコードを統合する下流工程まで、以下のような業務を担当していました。

・要件定義:
ターゲットの課題を深掘りしアプリに必要な機能と「やらないこと」を明確にして仕様を策定
・ブランチの管理:
メンバーがスムーズかつ安全に実装を進められるよう、Git/GitHubを用いたバージョン管理
ルールを運用
・コンフリクトの解消:
複数人での並行開発で発生するコードのコンフリクトを迅速に解決し、開発の手が止まらないようサポート

単に自分のタスクをこなすだけでなく、チーム全員が迷わず開発に集中できる環境づくりを意識して取り組んでいました。

成果発表までの道のり

この10日間のスケジュールを振り返って真っ先に思うのは、「本当に一瞬で終わってしまった」ということです。

充実感と時間との戦いが続き、楽しくも忙しい10日間でした。

 

 

前半の週:
初日の顔合わせから始まり、チームでのアイデア出し、そして「実際に何を作るのか」の要件定義を進めました。プログラム内では業務時間中に先輩エンジニアの方々との座談会など有意義なイベントが多く企画されており、実際に手を動かして企画や開発に使える時間は「想像以上に少ない」というのが率直な感想でした。

後半の週:
後半に入ると、その時間のなさがより顕著に表れました。特定の機能開発にこだわりすぎて時間を溶かしてしまい、結果として成果発表用の資料作成がどんどん後ろ倒しになってしまいました。最終発表会のリハーサルがたった1回しかできなかったことは、スケジュール管理の甘さとして非常に悔しい反省点となりました。

しかし、これだけバタバタしたスケジュールの中でも、「暇だな」「この時間は自分の役に立たないな」と思った瞬間はただの一度もありませんでした。すべての経験が自分の成長に直結しているという強い実感がありました。

ハッカソン形式の企画開発とは別で特に印象深かったのは、先輩エンジニアの方々との座談会です。プログラムや技術的な考え方はもちろんですが、それ以上に「一人の社会人として」、あるいは「元就活生として」のリアルなアドバイスをたくさんいただきました。ここで得た言葉は、技術力向上だけでなく、今後の学生生活やキャリア選択に大きく生かしていける大切な財産になったと感じています。

成果発表の感想・気づき

発表を終えた直後の素直な気持ちは、すべてにおいて自分はまだまだ足りていないという強い痛感と悔しさでした。
具体的に反省すべき点として、大きく以下の2つを感じています。

1.スケジュール管理の甘さとリハーサル不足:
前のセクションでも触れた通り、開発に時間をかけすぎたことでリハーサルが1回しかできず、結果として当日の発表を自分たちの納得いく形でやり切ることができませんでした。

2.作りたいものへの偏りとユーザー視点の欠如:
機能開発においても、「自分たちが技術的に作りたいもの」にフォーカスしすぎてしまう瞬間がありました。本来一番大切にすべき「ユーザー目線で課題を解決するアプリ」という軸を最後まで貫くことができなかったと思います。

そして何より悔しかったのは、最終評価でわずか1点差で相手チームに敗れてしまったことです。
この1点の差を見たとき、自分の中で「あの時、スケジュールを切り詰めてあと1回発表練習をしていれば」「あの機能において、もう一つだけユーザー目線にこだわって準備できていれば」と、あと一歩踏み込めなかったことへの大きな後悔がありました。

しかし、この「1点差の悔しさ」と「自分の未熟さ」に気づけたことこそが、今回のインターンで得た最大の収穫だと思います。

チーム開発を通じて気づいたこと、学んだこと

個人開発や座学では得られない「チームでモノづくりを推し進める」本質と、現場のプロから得た視点など、実践を通して気づいた学びを何点か振り返ります。

【価値観の共有が作る円滑なコミュニケーション】
今回の開発はほとんどがリモート環境でした。チームの孤立や停滞を防ぐため、「アウトプットの即時共有」「困りごとの即座なSOS」を全員で徹底しました。
これが自然に行えたのは、朝夕会で共有されたSIOS Valuesの「Teamwork」を共通認識として持てたからです。特に心強かったのは、メンバーが「何に困り、どこまで試したか」を細かく言語化してくれたことです。状況が的確に伝わるため解決スピードが格段に上がりました。また、AIの回答待ち時間にメンターさんを交えて交わした雑談も互いの理解を深め、終始ワイワイと本音で議論できる空気感が生まれました。

【AI爆速開発を支える開発ルールとGit運用】
AIを活用した開発はコード生成が爆速になる一方、仕様が曖昧なまま走ると一瞬でコンフリクトや実装の重複が発生します。
そこで私たちのチームは、開発前に仕様書を徹底的にすり合わせて共通認識を作ることと、プルリクエストにおける「作成者とレビュアーの分離」を徹底しました。第三者の目で要件を満たしているかチェックする仕組みを導入したことで、バグや先祖返りを防ぐことができました。個人開発では見落としがちなルールの徹底が、チームの生産性を担保する鍵だと実感しました。

【制約の中で試される「作らない決断」とハッカソンの醍醐味】
ゼロから企画を立てるハッカソン形式だからこそ学べたのが「取捨選択」の重要性です。
限られた時間でプロダクトを形にするには、どれほど魅力的な機能であってもスコープ外なら「ためらうことなく切り捨てる勇気」が必要になります。本当に解決すべき課題にリソースを集中させる判断基準は、ハッカソンでしか得られないリアルな手触りでした。

【プロの指摘でハッとさせられた「真のユーザー目線」】
インターン中に最もハッとさせられたのは、現場エンジニアからの「ペルソナを大学生に設定しているのに、なぜモバイル向け開発をしていないのか」という指摘でした。

自分たちが作りたい機能に集中するあまり、ターゲットが普段どんな端末を使い、どんな生活環境にいるのかという想像力が抜け落ちていたのです。
プロが持つ「ユーザー目線の解像度の高さ」に触れ、プロダクト設計において身近な生活まで掘り下げる重要性を痛感しました。

レベルの高いメンバーや親身なメンターの方々に支えられ、チーム開発の面白さと奥深さを学んだ10日間でした。

インターンを通しての最大の学びと今後の目標

このインターンに参加するまで、私の中で「働くこと」や「エンジニアという仕事」は、常に全力で高いハードルに挑み、難しい課題を解決し続けなければならない厳しいものだというイメージがありました。
10日間のインターンを終えた今でも、その認識自体は変わっていません。

しかし、今の私ならその言葉の後に、「だからこそ最高に楽しいし、終わってみれば自分が想像もしていなかったような場所までたどり着いていることがある」という一言を付け足そうと考えています。

そう思えるようになったのは、このプログラムを通じてサイオステクノロジーの様々な社員の方や、現場で活躍する現役エンジニアの方々とお話しする機会に恵まれたからです。
皆さんと接する中で驚いたのは、誰一人として仕事を「しんどそう」「辛そう」にこなしている人がいなかったことです。むしろ、困難な課題に対して自分の全力を思い切りぶつけるからこそ、仕事は面白いんだという熱量やワクワク感がひしひしと伝わってきました。
働くことは決して簡単なことではありませんが、全力で挑む仕事を心から楽しめる大人になりたい。今回のインターンは、私の中の「働くこと」に対するイメージを、より前向きなものへとアップデートしてくれました。

これからインターンを受ける後輩へ向けたアドバイスや応援の一言!

ぜひ皆さんが本気でやりたいことを探して、そのやりたいことに合致する企業さんを探していただきたいと思います。特に、自分がどう成長したいのか、何を欲してインターンに参加したいと考えているのかをゆっくり時間を使って考えていただければと思います。
全員が違う答えがあるのが就活、インターンだと思うので、ぜひ自分なりの正解を探してみてください。

今後の目標

まずは目の前の大学院での研究活動にこれまで以上の熱量で打ち込みたいと考えています。
その際、この10日間で深く学んだ「SIOS Values」を、単なるインターン期間中のスローガンとして終わらせるのではなく、日々の研究姿勢にしっかりと落とし込んでいく決意です。

具体的には、個人プレーになりがちな研究活動においても周囲とのチームワークを積極的に築き、真摯にデータや課題と向き合う誠実さと、困難な壁を乗り越える情熱を持ち続けること。そして何より、自分にしかできない創造性を存分に発揮して、価値ある研究結果を創出していきたいと考えています。

サイオステクノロジーで出会ったエンジニアの方々のように、全力で課題に挑む楽しさを胸に刻みながら、今回のインターンで得た学びを糧にして、学生生活や未来のキャリアにおけるさらなる挑戦を続けていきます。

 

 

 

 

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