ども!龍ちゃんです。
Geminiを毎日使っていると、こういう瞬間ありません? 会話が長くなってきたところで、急に答えが雑になる。「あれ、なんか噛み合ってなくない?」って感じる瞬間。
今回は、その「なんか変」を見分ける方法と、見分けたあとの対処について書きます。
やることは単純で「その会話を捨てる」です。捨てても中身は消えません。持ち出し方まで書くので、そこは安心して読み進めてください。
「その話は一度も出ていません」と真顔で言われた話
先日、Geminiとの作業中にこんなことがありました。ブログのネタになりそうなメールの話をしていて、少し経ってから「さっきのメールの件、見出しと箇条書きでまとめて」と頼んだんです。
そしたら返ってきたのが、「履歴を確認しましたが、その話は一度も出ていませんでした」の一言。

いや、話しましたよね。数分前に。僕は一瞬「自分の記憶違いか」と思ったんですが、違いました。ちゃんと話していました。
特別な聞き方をしたわけでも、込み入った話をしていたわけでもありません。ごく普通のやり取りの延長で、いきなりこれが起きました。
これ、「知らない」じゃなくて「無かったことにする」なんですよね。しかも自信満々に言ってくるので、一瞬こっちが自分を疑ってしまう。普通に怖いですよね。
いまの会話、大丈夫ですか。3つのサインで見分ける
さっきの「無かったことにする」は、氷山の一角です。会話が長くなってくると、似たような「あれ?」が他にも起きます。同じ会話の中で出てきたのは、全部で3つでした。
サイン1: もう終わった話に、引き戻される
会議の議事録をまとめてもらって、それは片付いた。そのまま同じチャットで「別件なんだけど、来週の資料の構成を考えて」と振ります。
返ってきたのは、また議事録の話でした。資料の構成は一言も入っていません。もう一度頼むと、今度は「議事録を踏まえた資料構成」が出てきます。頼んでいないのに議事録が残り続ける。
話の流れを汲んでくれること自体は、普段からあることです。判断が付きにくいのはそこですよね。線を引くなら、こっちが「その話はもう終わり」と伝えたあとも戻ってくるかどうか。伝えても戻ってくるなら、サイン1です。
サイン2: した話を「していない」と言われる
冒頭に書いたのがこれです。数分前に自分で話したことを頼んだのに、「その話は一度も出ていませんでした」と返ってくる。
これ、単に「忘れた」のとは違います。忘れたのなら「覚えていません」と返ってくるはずです。でも返ってくるのは「そんな話は無かった」なので、こっちが間違っている気分になります。
厄介なのは、指摘したあとの反応です。「失礼しました」と謝ってはくれるものの、その話が無かった前提のまま進んでいく。こちらが根拠として貼り直すまで、戻ってきません。
とぼけているわけではなくて、探しに行って見つけられていないように見えます。理由はどうあれ、読者側でやることは同じです。言ったはずのことを「言っていない」と返されたら、サイン2。
サイン3: 謝りだして、頼んだ形が崩れる
サイン2を指摘したあとに、よく続きます。「すみません、完全に私の思い込みでした!」から始まる長い謝罪文が返ってきて、肝心の中身が短くなる。
さらに続けると、最初に「箇条書きで」「表で」と頼んでおいた形も守られなくなります。謝罪のほうが本文より長くなってきたら、そこはもう内容を作る余裕がない状態です。
2つ出たら、もう戻りません
1つだけなら、たまたま拾い損ねただけということもあります。でも2つそろったら、粘る時間がもったいないです。
数えるのは直近の1往復ではなく、その会話ぜんぶ。前のほうで1回でも出ていたなら、それは数に入れてください。
なお、何回やり取りしたら危ない、という数字で決まる話ではありません。短い会話でも起きるときは起きます。回数を数えるより、この3つが出ているかを見てください。
3つとも「言われてみればそうかも」くらいで決め手に欠けるときは、これを打つとはっきりします。
この会話で、私が最初にお願いしたことを一言で答えてください。
会話に出ていないことは書かないでください。
別の話が返ってきたり、それらしい作り話が返ってきたら、サイン2と同じ状態です。ちゃんと答えられるなら、まだ大丈夫です。
もっと上手く聞けば直る、わけじゃないんです
以前Geminiの回答が「ちょっとズレる」人へ。一言足すだけで変わる3つのコツという記事で、「ズレるのは聞き方のせい」と書きました。何を知りたいか絞る、誰として答えてほしいか伝える、この形で出してと指定する。あのコツ、今でも有効です。
でも、今回のズレは別物です。聞き方をどれだけ工夫しても、直らないズレがあります。
しかもこれ、Geminiに限った話ではありません。ChatGPTでもClaudeでも、会話が長くなると同じことが起きると言われています。
つまり、Geminiが悪いわけでも、あなたの聞き方が下手だったわけでもありません。粘って言い方を変えても、たぶん直りません。
じゃあどうするか。粘らずに、その会話を捨てるのが一番早いです。
ちなみに、こんなに起きることなのに、なんで自分は知らないままだったんだろう。そう思いますよね。その話は最後に書きます。まずは「捨てる」の具体的なやり方から。
捨てても平気な状態にしておく
冒頭で「消えません」と書いた話です。捨てたら全部なくなる、と最初は思っていました。
でも消えるのは会話であって、中身ではありません。捨てる前に持ち出して、新しい会話で続きをやればいいだけです。
ここでいう「捨てる」は、削除するという意味ではありません。 その会話をもう使わないと決めて、新しいチャットに切り替えるだけです。元の会話は履歴にそのまま残るので、あとから見返すこともできます。
ただ、履歴に残っているのと、次のチャットが中身を知っているのは別の話です。新しいチャットは、既定では前の会話を引き継がずに始まります(設定によっては過去のチャットを参照することもありますが、当てにできる形ではありません)。だから、これから書く「持ち出す」作業がいります。
まず、まとめて出させる
やることは3つです。

順番が大事で、いきなり書き出し機能でファイルにしてしまうと、中身を見ないまま保存することになります。
下の文章をまるごとコピーして、Geminiの入力欄に貼り付けてみてください。
ここまでの内容を、見出しと箇条書きでまとめてください。
・この会話で出ていないことは書かないでください
・確認できなかったことは「不明」と書いてください
箇条書きで出させるのは、抜けが見えるからです。べた書きの文章だと「まとまってる感」が出て、抜けに気づけません。
ちなみに、この見出しと箇条書きの書き方、Markdown(マークダウン)といいます。覚えなくて大丈夫なんですが、名前だけ知っておくと得することがあって、エンジニアに何か頼むときにこの形で渡すと、話がちょっと早くなります! 向こうが普段から使っている書き方なので、そのまま読んでもらえます。
ここからが本番です。出てきたまとめを、そのまま信じないでください。さっき「その話は一度も出ていません」と真顔で言った相手が、今度はこの要約を作っています。同じ調子で、都合よく話を端折ったり、それっぽく埋めたりすることがあります。
とはいえ、長く粘ったあとに全文を突き合わせるのはしんどいですよね。見るのは決まったことと、数字や固有名詞だけで大丈夫です。 ここさえ合っていれば、細かい言い回しのズレは新しいチャットで直せます。逆に流してしまうと、間違ったまとめを持ったまま新しいチャットを始めることになります。
確認は画面のうちに済ませてください。先にドキュメントへ書き出してから見ようとすると、書き出しは毎回まっさらな新規ファイルなので、見るたびにファイルが増えていきます。
なお、嘘をつかせない方法そのものは、この記事の話ではありません。ここでは会話が新鮮なうちに人間の理解とAIの出力を突き合わせて疑う、それだけです。
「これで足りてる」と思えたら、そこで初めて置き場に移します。コピーして別のアプリに貼ると見出しや箇条書きが崩れることがあるので、形のまま残したいならドキュメントへ書き出すのが崩れにくいです。表で残したいなら、まとめてもらう段階で「表でまとめて」と頼んでおいてください。回答の中に表がないと、スプレッドシートには出せません。
GeminiはGoogleドキュメント・Gmailの下書き・スプレッドシートへの書き出しに対応しているので、一番使いやすい形に整形しておきましょう。
ここまでやって、はじめて「捨てても平気」になります。
新しいチャットで、続きをやる
保存まで終わったら、まっさらな新しいチャットを開いてください。そこに、さっき見直したまとめを貼って続きをやります。
作業の途中で捨てることになったときは、こっちの頼み方が使えます。
ここまでのやり取りを、次の3つに分けて箇条書きにしてください。
1. いま何をしようとしているか
2. すでに決まったこと
3. まだ決まっていないこと
会話に出ていないことは足さないでください。
「今なにをしようとしてるか」「もう決まったこと」「まだ決まってないこと」の3つに分けるのがポイントです。ただまとめるだけだと、次のチャットでまた同じ説明をゼロからする羽目になります。
両方の頼み方に入れた「出ていないことは書くな」、これ飾りじゃないです。ズレてる最中のGeminiは、履歴を探して見つからないと、無かったことにするか、それっぽく埋めてくることがあります。さっき指摘した問題を、この一言で塞いでいる形になります。
防止のために書いていても、捏造してくる可能性があるので必ず確認はしましょう。
新しいチャットが持っているのは、あなたが貼ったまとめだけです。書いていないことは引き継がれないので、大事な前提はまとめのほうに入れておいてください。
毎回やる人だけ、Gemに預けておく
ここは、いつも似たような作業をしている人向けの話です。今すぐ会話を立て直したいだけなら、飛ばして構いません。
捨てるのが面倒に感じる理由のひとつは、毎回ゼロから自分の状況を説明し直すところにあります。そこを「Gem」に預けておくと、会話を捨てるハードルが下がります。自分の役割や、出してほしい形のルールをGem側に持たせておけば、新しいチャットを開くたびに説明し直さなくて済むからです。
ただし、Gemが覚えているのは役割と書き方のルールだけです。その会話で決まったことや数字までは持っていないので、そこはさっきのやり方で持ち出してください。
Gemは会話を捨てても残るので、選び直すだけで使えます。作り方は前に書きました。
毎回コピペはもう卒業。Geminiの「Gem」で選ぶだけにする方法
こんなに起きるのに、なんで知らないままだったんでしょうね
正直、腹が立ちませんか。こんなに頻繁に起きるのに、なんで自分は知らないままだったんだろうって。
なぜこうなるのかは、各社とも詳しくは公表していません。ここでは、実際に何が起きるかだけを書きます。
まず知ってほしいのは、対策自体はちゃんと公開されていることです。ただ、置いてある場所が、普段みなさんが見に行く場所ではありません。
長い資料を渡すときは質問を最後に置くといい、という案内が、開発者向けの資料にはちゃんと書いてあります。その並べ方でテストしたら最大30%よくなった、と書いている会社もあるくらいです。でも、普段使っているアプリのヘルプを探しても、こういう話は出てきません。
さきほど「Geminiに限った話ではない」と書きました。実際、Geminiを作っている側もClaudeを作っている側も、開発者向けの資料でこの現象に触れて、対処のしかたまで書いています。
ただ、「1回の会話でどれだけ覚えていられるか」を利用者向けに説明しているかどうかは、会社によってけっこう違います。たとえばClaudeは、ふつうのヘルプページにプランごとの数字を書いています。一方でGeminiのアプリのヘルプには、その数字も、古い部分が捨てられるのかどうかも、見当たりませんでした。
起きること自体は、どこを使っていても同じ。でも、教えてもらえるかどうかは同じじゃない。犯人を追いかけたら、特定の1社の手抜きじゃなくて仕様そのものでした。そのうえで、その仕様を教えてくれるかどうかには差がある、という話です。
まとめ
今回の話、まとめるとこれだけです。
- もう終わった話に引き戻される、した話を「していない」と言われる、謝りだして形が崩れる。2つ出たら戻りません
- 粘っても直りません。あなたの聞き方のせいでもありません
- 捨てる前に持ち出して保存する、捨てたら新しいチャットで立て直す
僕自身、あの「その話は一度も出ていません」を言われたときは、正直ちょっとへこみました。でも今は、サインが出た時点で、気にせず捨てるようにしています。
会話は消えるものじゃなくて、持ち出して次に運ぶものです。

いま開いている会話、もう2つ当てはまっていませんか。だったら粘らずに、上のやり方で持ち出してしまいましょう。まだ大丈夫そうなら、次に「あれ?」と思ったときに3つのサインを数えてみてください。
「今日から使えるGemini活用術」シリーズもあわせてどうぞ。
- ググる前に、まずGemini。日常がちょっとラクになる3つの使い方
- Geminiの回答が「ちょっとズレる」人へ。一言足すだけで変わる3つのコツ
- 毎回コピペはもう卒業。Geminiの「Gem」で選ぶだけにする方法
ではまた!


