こんにちは、OSS よろず相談室の鹿島です。
今回は、DifyとAmazon Bedrockを連携させて、チャットボットとRAG(検索拡張生成)を構築する手順の3回目です。
- 【実践】Dify + Amazon Bedrockで、ゼロからチャットボットと RAG を作る①
- 【実践】Dify + Amazon Bedrockで、ゼロからチャットボットと RAG を作る②
- 【実践】Dify + Amazon Bedrockで、ゼロからチャットボットと RAG を作る③
前回は、Dify環境の構築とAmazon Bedrockとの連携方法について解説しました。
今回はその環境を使い、Difyで最も基本的なアプリケーションの一つであるチャットボットを作成します。
チャットボットは、ユーザーからの質問に対し、一問一答形式で回答を返すシンプルなアプリケーションです。複雑な設定は不要で、AIアプリ開発の第一歩として最適です。
ステップ1:チャットボットの作成準備
まず、Difyにアクセスします。
http://[DifyをインストールしたマシンのIPアドレス]
①の記事で解説した手順でアカウントを作成・ログインすると、ホーム画面が表示されます。
画面中央にある 「最初から作成」 をクリックしてください。

表示された画面で、「初心者向けの基本的なアプリタイプ」を選択し、「チャットボット」 を選択します。

アプリの設定画面が開きます。「アプリのアイコンと名前」に任意の名前を入力します。
チャットボットの設定画面が表示されます。

ステップ2:モデルの選択と確認
接敵画面の右上に、②で設定したAmazon BedrockのLLMモデルが設定されていることが確認できます。
Bedrock Modelを確認し、Amazon Bedrockのコンソール画面で、②の作業でアクセスが付与されたModelが選択されているかを確認してください。

当記事では、Nova Microのアクセスが許可されているため、Difyの初期設定では Nova Pro が選択されていました。
[202509_チャットボット6.png]
このような場合はモデルを変更してNova Microにします。

なお、Nova Proが選択されたままチャットボットに質問を入力すると、アクセス許可がないというエラーが表示されます。
[202509_チャットボット8_error.png]
エラーメッセージ抜粋
[bedrock] Error: PluginInvokeError: {"args":{"description":"[models] Error: AccessDeniedException: You don't have access to the model with the specified model ID."},"error_type":"InvokeError","message":"[models] Error: AccessDeniedException: You don't have access to the model with the specified model ID."}
ステップ3:動作テスト
モデルの設定が完了したら、実際にチャットボットを使ってみましょう。
画面右下のチャット欄(「Bot と話す」)に、試しに何か質問を入力します。
1. 基本的な動作テスト
まずは、何も設定しない状態で質問してみます。
今回は、「オーストラリアの首都はどこですか?」と質問してみます。

無事に回答が返ってきたので、チャットボットの作成は成功です。
2. プロンプトで応答をコントロールする
今度はプロンプトを指定してみます。
プロンプトとは、AIに事前に与える指示やルールのことです。
ここを工夫することで、AIのキャラクターを設定したり、回答スタイルを細かく指定したりできます。
試しに、「30文字以内で回答する」というシンプルな指示を与えてみましょう。
先ほどと同じ「オーストラリアの首都はどこですか?」と質問します。

30文字以内のシンプルな回答が返ってきました。
今度は、プロンプトに「あなたはツアーコンダクターです。地名について聞かれた場合、歴史背景も踏まえて回答してください。」と指示をします。
同じ質問をしてみると…

歴史背景も踏まえた詳しい回答を得ることができました。
3. さらに高度な機能
Difyには、他にも高度な機能が用意されています。
変数 (Variables)
プロンプト内に {{input}} のように変数を埋め込むことで、ユーザーが入力した内容を指示文の中で再利用できます。これにより、より複雑で動的な応答を作り出すことが可能です。
コンテキスト (Context)
事前にPDFやテキストファイルなどの資料を「ナレッジ」としてアップロードしておくと、AIがその資料の内容だけを元に回答するよう制限できます。これにより、社内マニュアルに基づいたQ&Aボットなどを簡単に作成できます。
これらの機能の詳しい使い方については、ぜひ公式のドキュメントも参照してみてください。
▼Dify公式ドキュメント(チャットボット)
https://docs.dify.ai/ja-jp/guides/application-orchestrate/chatbot-application
ステップ4:アプリケーションの公開
チャットボットの設定が完了したら、Webアプリとして公開し、他の人が使えるようにします。
画面右上の「公開する」を選択して、アプリケーションとして公開します。
公開したアプリケーションのURLは、左上のロボットマークをチェックすると確認することができます。

おわりに
今回は、DifyとAmazon Bedrockを連携させた環境で、基本的なチャットボットを作成しました。簡単なステップでAIアプリケーションが作成できることを実感いただけたと思います。
次回は、Dify+ Amazon Bedrock で RAGを使う方法を検証します。