オープンソースライセンスとは 2 ~コピーレフトって何だ?

こんにちは、OSSよろず相談室の鹿島です。
今回は、前回の OSS(オープンソースソフトウェア)とはどんなものなのかというお話の続きです。

コピーレフトとは?

今回は OSS ライセンスに関わるキーワード「コピーレフト」について解説します。

そもそも「ライセンス」とは?

ソフトウェアを作成した著作者が、利用者に対して使用・改変・再配布を許可するための条件をまとめた文書。
これに基づいて利用者に与えられる許諾のことを「ライセンス」といいます。

コピーレフトの考え方

「コピーレフト」は、フリーソフトウェア財団(FSF)の創設者リチャード・ストールマンによって提唱された著作権の考え方です。

著作者が著作権を保持したまま、利用者に対して複製・改変・再配布の自由を保証する

という点が特徴です。

コピーライト vs. コピーレフト

「著作権」は英語でCopyright
著者者の許可がないと改変、使用、再配布ができないものです。

これに対抗する形で、リチャードさんは「Left(左)」という語を使い
自由を保証するライセンス」として「Copyleft(コピーレフト)」という言葉を作りました。

「著作者の許可が無くても改変、使用、再配布ができる(*1)」ものです。

(*1) 厳密には「著作者があらかじめライセンスによって包括的に許可しているため、利用の都度個別の許可を得る必要がない」という意味合いです。

自由には制約もある?

コピーレフトは「自由」を提供しますが、その自由を他者にも提供しなければならないという「制約」もあります。

つまり、OSSライセンスのソフトウェアを組み込んで作成したソフトウェアも自由に使用、改変、再配布できるものでなくてはならならないのです。

コピーレフトの主な制約

OSSライセンスを使って作成したソフトウェアには、次の義務があります:

  • ソースコードを公開する必要がある
  • 再配布も自由に許可しなければならない

つまり、あなたが作ったソフトウェアがOSSのコードを含む場合、 その派生物も同様に自由である必要があるのです。

コピーレフトの分類

OSSライセンスは、「コピーレフトの強さ」によって以下のように分類されます:

  • コピーレフト型
  • 準コピーレフト型
  • 非コピーレフト型

このようなライセンスの違いにより、コードの改変・組み込み・再配布の義務範囲が異なります。

代表的なライセンスを分類すると、表のようになります。

(*) 表に「改変部分を含めたソースコードの公開」とありますが、配布する場合には改変の有無に関係なくソースコードを公開する必要があります。また、公開といってもWebサイトなどで広く一般に公開しなければならないわけではなく、配布対象者に公開するということです。

LinuxなどのGPLがコピーレフト型で最も厳しく、Apache Licenseなどが非コピーレフト型で緩い制約となります。

表に、

  • 改変部分を含めたソースコードの公開
  • 他のコードと組み合わせた場合、他のソースコードの公開

とありますが、どういうことでしょうか。

OSSライセンスを自分のソフトウェアに組み込んだ場合、コピーレフトの分類によってOSSソースコードの改変部分や組み込んだ自分のソースコードを公開するのか否かが変わります。
以下の図のようになります。

オープンソースライセンスの種類

代表的なオープンソースライセンスは以下の表のようなものがあります。
〇がコピーレフト型、△が準コピーレフト型、×が非コピーレフト型です。

次回はオープンソースライセンスとは 3 ~OSSにまつわるリアルな事例について、お話しします。

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2 COMMENTS

大内

こんにちは。
コピーレフトについて、「著作者の許可が無くても改変、使用、再配布ができる」と記載されていますが、著作者の許可無く改変や再配布を行うと著作権侵害になってしまいます。使用は許可は不要ですが、複製を伴う使用は許可が必要かと。
「著作者から都度の許可を受けなくても、複製、改変、再配布することを著作者が許可している」ということかなと思いました。
あと、一覧表に「改変部分を含めたソースコードの公開」と記載されていますが、この表現だと、改変しなければOSSのソースコードを提供しなくてもよいと誤解する人がいます。また、「公開」という言葉から、Webサイトなどから広く一般に公開しなければならないと誤解する人がいます。重箱の隅をつつくようなコメントで恐縮ですが、できるだけ誤解の無いように説明していただけると幸いです。

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アバター画像 SK

ご連絡いただきありがとうございます。
ご指摘を受けまして、以下の補足文を付けさせていただきました。

(*1) 厳密には「著作者があらかじめライセンスによって包括的に許可しているため、利用の都度個別の許可を得る必要がない」という意味合いです。
(*) 表に「改変部分を含めたソースコードの公開」とありますが、配布する場合には改変の有無に関係なくソースコードを公開する必要があります。また、公開といってもWebサイトなどで広く一般に公開しなければならないわけではなく、配布対象者に公開するということです。

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