知っておくとちょっと便利!パッケージマネージャについて3 ~Red Hat 系システム編・続き~

今号も、前号の「パッケージマネージャについて」の続きになります!
今回は Red Hat 系システムの yum/dnf で、以前紹介できなかったサブコマンドについてご紹介します。

なお、前回と同様に dnf コマンドの実行例のみ掲載しています。

yum/dnf の便利なサブコマンド

  • パッケージの情報を表示
    dnf info コマンドを実行すると、特定のパッケージの詳細な情報を表示します。
    例えば、git というパッケージの情報を表示する場合は、下記の様なコマンドになります。
    # dnf info git
    …
    Available Packages
    Name         : git
    Version      : 2.43.5
    Release      : 1.el9_4
    Architecture : x86_64
    Size         : 54 k
    Source       : git-2.43.5-1.el9_4.src.rpm
    Repository   : rhel-9-appstream-rhui-rpms
    Summary      : Fast Version Control System
    URL          : https://git-scm.com/
    License      : GPLv2
    Description  : Git is a fast, scalable, distributed revision control system with an
                 : unusually rich command set that provides both high-level operations
                 : and full access to internals.
                 :
                 : The git rpm installs common set of tools which are usually using with
                 : small amount of dependencies. To install all git packages, including
                 : tools for integrating with other SCMs, install the git-all meta-package.
    

    この時、結果にはパッケージバージョン、ライセンス、要約 (説明文) など、様々な情報が表示されます。
    なお、上記のコマンドはネットワーク上のリポジトリから情報を取得してくるため、対象のパッケージがインストールされていなくても情報が表示されます。

    yum コマンドの場合は、下記の様になります。

    # yum info git
    
  • dnf/yum の実行履歴を表示
    dnf history コマンドを実行すると、dnf コマンドの実行履歴を表示します。
    # dnf history
    …
    ID     | Command line                                                      | Date and time    | Action(s)      | Altered
    ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
         8 | install git                                                       | 2024-11-14 01:44 | Install        |   67
         7 | install httpd                                                     | 2024-11-01 03:35 | Install        |   12
         6 | install tomcat                                                    | 2024-11-01 03:34 | Install        |   17
         5 | install wget                                                      | 2024-10-31 05:33 | Install        |    1
         4 | install net-tools                                                 | 2024-10-09 05:02 | Install        |    1
         3 | install telnet                                                    | 2024-09-20 04:55 | Install        |    1
         2 | -q -y --disablerepo=* --enablerepo=rhui-client-config* update     | 2024-09-20 04:27 | Upgrade        |    1 EE
         1 | install postfix                                                   | 2024-09-20 03:05 | Install        |    2
    

    この時、結果には実際に実行したコマンド、実行した日時などが表示されます。
    また、各操作には ID が割り振られており、ID の数字が小さいほど古く、大きいほど新しい実行履歴となります。

    yum コマンドの場合は、下記の様になります。

    # yum history
    
  • パッケージのリストを表示
    dnf list コマンドを実行すると、特定の条件に合致するパッケージのリストを表示します。
    例えば、git という文字列から始まるパッケージのリスト (一覧) を表示する場合は、下記の様なコマンドになります。
    # dnf list git*
    …
    Available Packages
    git.x86_64                                             2.43.5-1.el9_4                         rhel-9-appstream-rhui-rpms
    git-all.noarch                                         2.43.5-1.el9_4                         rhel-9-appstream-rhui-rpms
    git-clang-format.x86_64                                18.1.8-3.el9                           rhel-9-appstream-rhui-rpms
    …
    (長いため省略)
    

    上記は、ご利用環境で有効になっているリポジトリから、指定した条件でパッケージを検索しています。

    また、上記の条件に併せてインストール済みパッケージのみ、利用可能なパッケージのみ、などの条件に一致するリストを表示することができます。

    例えば、git という文字列から始まるパッケージのうち、インストール済みのパッケージのみを表示する場合は、下記の様なコマンドになります。

    # dnf list installed git*
    

    反対に、git という文字列から始まるパッケージのうち、利用可能な (インストールされていない) パッケージのみを表示する場合は、下記の様なコマンドになります。

    # dnf list available git*
    

    yum コマンドの場合は、それぞれ下記の様になります。

    # yum list git*
    
    # yum list installed git*
    
    # yum list available git*
    
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