PS/SLの佐々木です。
9/14 – 9/15にNEMTUSさんが山形県で開催していた夏合宿に参加してきました。
NEMTUSさんとはNEM(ネム)」と「Symbol(シンボル)」技術の普及や発展を促進するNPO法人です。
弊社サイオステクノロジーとはOSCというイベントの出店でご一緒させていただくことがあり、NEMTUSさん自身も定期的にイベントを行っているということでしたので、今回イベントに参加させていただくことになりました。
合宿について
今回の合宿は山形県のさくらんぼ東根駅が最寄りのあずまやさんという旅館で開催されていました。私自身人生初山形でした。
合宿では複数のコンテンツが用意されていました。
- ブロックチェーンを利用したサービスを体験してみる
- ブロックチェーンにデータを読み書きしてみる
- 記念トークンの発行
- QA
- ネットワーキング
またこれら以外にも会議室を24時間借りていてくださったので合宿参加メンバーで夜までいろいろな話や情報交換といった交流をする時間がほかのイベントのと比べて圧倒的に多いのが合宿の特徴でした。
各コンテンツについて
続いて各コンテンツの中身を簡単に紹介します。
ブロックチェーンを利用したサービスを体験してみる
ポイントカードを発行し、ポイントを付与するお店側とポイントを受け取るユーザーの体験をそれぞれしてみるというものでした。
Ethereumと異なる点として送付したポイント(トークン)を発行者が回収する機能があったり、トークンの有効期限を設定することができたりする点に違いがあるのかなと思いました。(Symbolの規格をちゃんと確認したわけではないので正確な情報ではないかもしれません、、)
ブロックチェーンにデータを読み書きしてみる
こちらは実際にコーディングを行うセッションでした。
SymbolブロックチェーンではEVM系のチェーンとは異なり、nodeが用意しているAPIをSDKを使用して使うことができるものとなっており、スマートコントラクトの開発が不要です。
そのためエンジニアは今まで通りのweb2のアプリケーションの開発に集中することができます。
またnodeも公開されているためEthereumのように自分でnodeを立ててネットワークに参加したり、node as a serviceのようなものを契約する必要がないためかなり手軽に開発を始めることができます。
Symbolではnodeを公開して自分のnodeでステーキングしてもらうとnodeを公開しているユーザーにインセンティブが入る仕組みのようです(Delegate PoS)
これはEVMチェーンを使っていた私にはかなり驚きでしたが、開発者目線で開発にかかるコストや準備がかなり低減されるのでいい仕組みだなと思っていました。
node listはこちらから確認できます。
実際にSymbolブロックチェーンとSDKを用いてポイントを発行したり、付与したりするところをコーディングしてみたのですが、以下のような点は非常に良いと思いました。
- Transactionの管理
- AggregateTransactionを使用して100個のトランザクションを送った場合すべて成功したらcommit, 一つでも失敗したらロールバック
- Delegate PoS
- こちらは先ほど軽く触れましたが、開発者が手軽に動作検証をしたい場合には非常に良い仕組みだと思いました。
- APIフレンドリーな設計
- こちらも先ほど触れましたが、スマートコントラクト不要でブロックチェーン上で開発できる点です。SmartContractは監査をしたり、維持管理にまだ課題が多いですが、それを意識しないのは非常に大きいと思います。
- モザイク機能
- ERC20のようなトークンをSymbolではモザイクというみたいです。
- トークンには様々な属性(有効期限やトークン所有者とトークン移動の権限を分けるなど)が存在しており、これらをスマートコントラクトなしで実現できるのは非常によい開発体験だと思いました。
事前に用意されているAPIしか使用できないという制約が気になってはいましたが、事前にAPIが提供されている範囲内で実装が可能な要件であればかなり高速に開発できるのに加え、なかなか自分で実装すると時間がかかるマルチシグやAggregateTransactionが手軽に利用できるという点はすごく良いと思いました。
またブロックチェーン上で何か処理をするというよりも、ブロックチェーンにデータを保存することで得られる恩恵(改ざん耐性やデータの永続性)のために使用したい場合はより手軽に利用できるSymbolとは相性が良いのかなと思いました。
参加してみて
今回NEMTUSさんの合宿に参加してみて今までキャッチアップできていなかったブロックチェーンのキャッチアップやネットワーキングで技術、市場のディスカッションや情報共有をすることができ非常に有意義で楽しい時間を過ごすことができました。
合宿なので普段のイベントではあまり深い話はできなかったりしますが、時間の制約がほとんどないような状況を作れるのは合宿の良さですね。
またQAセッションでSymbolを使用している事例で気になっているものがあったので質問し、丁寧に回答していただけたり、参加者も地元の方から関西の方まで幅広くいたので、関西の方のイベントの雰囲気やローカルな話などかなり深い話ができたことが非常に良かったと思います。
最後に
今回合宿を企画していくださったNEMTUSの皆様合宿でお会いさせてていただいた方にこの場を借りて感謝申し上げます。
最後に合宿の様子の写真を載せさせていただきます。