今号では、前号に引き続き rsyslog の設定や各パラメータについてご紹介していきます!
今回は、ルール編です。
前号でご紹介した「知っておくとちょっと便利!rsyslog における各パラメータの意味~モジュール・全体の設定編~」もぜひご参照くださいね。
パラメータの使い方~ルール編~
モジュール、全体の設定に続いて、各ファイルをどのように処理するかを定義するルールを設定します。
前回と同様、デフォルトの設定を元に、各パラメータの意味や使い方などをご紹介していきます。
#### RULES #### # Log all kernel messages to the console. # Logging much else clutters up the screen. #kern.* /dev/console # Log anything (except mail) of level info or higher. # Don't log private authentication messages! *.info;mail.none;authpriv.none;cron.none /var/log/messages # The authpriv file has restricted access. authpriv.* /var/log/secure # Log all the mail messages in one place. mail.* -/var/log/maillog # Log cron stuff cron.* /var/log/cron # Everybody gets emergency messages *.emerg :omusrmsg:* # Save news errors of level crit and higher in a special file. uucp,news.crit /var/log/spooler # Save boot messages also to boot.log local7.* /var/log/boot.log # ### begin forwarding rule ### # The statement between the begin ... end define a SINGLE forwarding # rule. They belong together, do NOT split them. If you create multiple # forwarding rules, duplicate the whole block! # Remote Logging (we use TCP for reliable delivery) # # An on-disk queue is created for this action. If the remote host is # down, messages are spooled to disk and sent when it is up again. #$ActionQueueFileName fwdRule1 # unique name prefix for spool files #$ActionQueueMaxDiskSpace 1g # 1gb space limit (use as much as possible) #$ActionQueueSaveOnShutdown on # save messages to disk on shutdown #$ActionQueueType LinkedList # run asynchronously #$ActionResumeRetryCount -1 # infinite retries if host is down # remote host is: name/ip:port, e.g. 192.168.0.1:514, port optional #*.* @@remote-host:514 # ### end of the forwarding rule ###
ルールは、左側にセレクタ (ファイルへの出力内容)、右側にアクション (対象のファイル)
を指定します。
さらに、セレクタはファシリティとプライオリティという、2つの要素から構成されます。
各ファシリティごとに、どのプライオリティ (重要度) で情報を記録するかを指定することができます。
なの、プライオリティは指定したパラメータ以上の情報を出力するため、例えば info を指定した
場合は emerg ~ info までのすべての情報が対象となります。
ファシリティ | 意味 |
auth | セキュリティ・認証に関する情報 |
cron | cron のジョブに関する情報 |
daemon | システムデーモンに関する情報 |
kern | カーネルに関する情報 |
メールシステムに関する情報 | |
news | ニュースサービスに関する情報 |
syslog | syslogd に関する情報 |
user | ユーザの操作に関する情報 |
uucp | UUCP 転送に関する情報 |
local0 ~ local7 | ローカルに関する情報 |
プライオリティ | 意味 |
emerg | システムが停止するレベルの、重大な情報 |
alert | 緊急レベルの情報 |
crit | 重大な情報 |
err | エラーレベルの情報 |
warning | 警告レベルの情報 |
notice | 通常レベルだが、重要な情報 |
info | 通常レベルの情報 |
debug | デバッグレベルの情報 |
none | 情報を出力しない |
上記の内容を踏まえ、デフォルトの設定を確認すると、それぞれ下記のような設定となります。
-
*.info;mail.none;authpriv.none;cron.none /var/log/messages
出力されるすべての情報のうち、info レベル以上の情報を /var/log/messages に記録します。
ただし mail、authpriv、cron に関するログのアクションを none とし、記録の対象から除外します。 -
authpriv.* /var/log/secure
authpriv に分類される、すべての情報を /var/log/secure に記録します。
-
mail.* -/var/log/maillog
mail に分類される、すべての情報を /var/log/maillog に記録します。
ハイフン(-)が先頭に付いているため、ログは非同期的に記録されます。 -
cron.* /var/log/cron
cron に分類される、すべての情報を /var/log/cron に記録します。
-
*.emerg :omusrmsg:*
出力されるすべての情報のうち、info レベルの情報をすべてのログインユーザに表示します。
-
uucp,news.crit /var/log/spooler
cron に分類されるすべての情報と、news に分類される crit レベル以上の情報を
/var/log/spooler に記録します。 -
local7.* /var/log/boot.log
local7 に分類される、すべての情報を /var/log/boot.log に記録します。