こんにちは、サイオステクノロジーの角川です。
前回はHelmを利用する上で用語として登場するChartとReleaseについてご紹介し、
インストール済みのReleaseの設定パラメータを変更してパラメータが変更されていることを確認しました。
今回はHelmのバージョン管理機能についてご紹介します。
Helmのバージョン管理機能
Helmは変更がおこなわれる毎にバージョンを管理しており、その変更毎にRevision番号というものが1つずつ繰り上がる形で付与されます。
前回はインストール済みのReleaseの設定パラメータを変更しましたが、今回ご紹介するバージョン管理機能を利用することでHelmのコマンド操作でバージョン一覧を確認したり、設定変更前へ戻す(Rollback)ことが可能です。
また、バージョン毎に変更した設定パラメータの内容を確認することも可能です。
前回のおさらい
以下コマンドでwordpressBlogNameの設定パラメータを設定パラメータの値をUser's Blog!
からMyBlog
へ変更しました。
$ helm upgrade wordpress-sample bitnami/wordpress --set wordpressBlogName=MyBlog
変更した設定パラメータは以下のコマンドで確認することが出来ます。
$ helm get values wordpress-sample --all
表示結果例
wordpressBlogName: MyBlog
バージョン一覧の確認
以下コマンドでバージョン一覧が確認出来ます。
$ helm history wordpress-sample
表示結果例
REVISION UPDATED STATUS CHART APP VERSION DESCRIPTION 1 Tue Oct 4 12:00:00 2022 superseded wordpress-15.2.5 6.0.2 Install complete 2 Tue Oct 4 12:15:00 2022 deployed wordpress-15.2.5 6.0.2 Upgrade complete
STATUSがdeployedとなっているのが現在適用中のRevisionになります。
現在適用中のRevisionがRevision番号2であることが分かります。
Revision毎の設定パラメータの確認
前回の記事でご紹介したhelm get values
コマンドにrevision
オプションを加えることで、
Revision毎の設定パラメータを確認することが出来ます。
Revision番号1の確認
$ helm get values wordpress-sample --revision 1
表示結果例
USER-SUPPLIED VALUES: null
Revision番号1はまだChartをインストールしただけなので設定パラメータを変更していないためこのような表示になります。
Revision番号2の確認
$ helm get values wordpress-sample --revision 2
表示結果例
USER-SUPPLIED VALUES: wordpressBlogName: MyBlog
Revision番号2ではwordpressBlogNameの値をUser's Blog!
からMyBlog
へ変更をおこなった際のRevisionのため上記のように変更の該当パラメータが表示されています。
Rollbackを実行
では、Rollbackの機能を利用して一つ前のRevision番号1に戻してみます。
Rollbackは以下のコマンドで実行します。
$ helm rollback wordpress-sample 1
上記コマンドの1はオプションでRevision番号を指定しています。
表示結果例
Rollback was a success! Happy Helming!
Rollbackの確認
再度helm history
コマンドから履歴を確認してみます。
$ helm history wordpress-sample
表示結果例
REVISION UPDATED STATUS CHART APP VERSION DESCRIPTION 1 Tue Oct 4 12:00:00 2022 superseded wordpress-15.2.5 6.0.2 Install complete 2 Tue Oct 4 12:15:00 2022 superseded wordpress-15.2.5 6.0.2 Upgrade complete 3 Tue Oct 4 12:30:00 2022 deployed wordpress-15.2.5 6.0.2 Rollback to 1
Revisionが3に増えていることが分かります。
また、DESCRIPTION欄からRollback to 1と1からRollbackされたことが分かります。
現在のReleaseの設定パラメータを確認
以下コマンドで現在のReleaseの設定パラメータを確認してみます。
Revision番号1へRollbackしたため、デフォルトのUser's Blog!
へ戻っているはずです。
$ helm get values wordpress-sample --all
表示結果例
wordpressBlogName: User's Blog!
無事デフォルトの設定パラメータへ戻っていることが確認出来ました。
最後に
今回はHelmのバージョン管理の機能についてご紹介しました。
この機能を利用することで変更前に戻すことや変更したパラメータの確認が容易に出来ることがお分かりいただけたと思います。
次回以降もHelmのコマンドの使い方などを引き続きご紹介出来ればと思います。