Function Calling → MCP → MCP Apps の進化を「秘書」で理解する
ども!龍ちゃんです。
今回は「AIが道具を使えるようになった歴史」を紹介します。Function Calling、MCP、MCP Apps という3つのキーワードを押さえておけば、AIエージェントの進化がスッキリ理解できるようになります。
技術的な詳細よりも「なぜこの技術が生まれたのか」という背景を重視して、できるだけ分かりやすく説明していきます。
この記事はLTで発表した内容をベースにしています。
動画で見たい方はこちら: YouTube – AIは道具をどう使えるようになったか
この記事で持ち帰ってほしいこと
3つのキーワードを覚えてください。
| # | キーワード | 一言で |
|---|---|---|
| 1 | Function Calling | AIが道具を使えるようになった起点 |
| 2 | MCP | 道具の使い方の共通規格 |
| 3 | MCP Apps | 結果をビジュアルで見せてくれる |
この3つの進化を追うことで、「AIエージェント」が何をしているのか理解できるようになります。
Part 0: AIエージェントとは
まず「AIエージェント」という言葉を整理しておきましょう。

従来のAIは「話し相手」でした。質問に答える、文章を書く、といった会話が中心です。
AIエージェントは「秘書」です。自分で考えて、道具を使って、仕事をしてくれます。
- 情報を調べる
- ファイルを作る
- 予定を入れる
こうした「行動」ができるようになったのが、AIエージェントの特徴です。
身近な例:検索機能
Claude、Gemini、ChatGPTで使える「検索」機能を思い浮かべてください。
ユーザー: 「今日の東京の天気は?」
↓
AI: (何を検索すべきか考える)
↓
AI: 検索を実行
↓
AI: 「今日の東京は晴れ、最高気温12度です」
これがまさに「考えて、道具を使って、仕事をする」AIエージェントの動きです。
秘書のたとえで説明します
ここからは「あなた専用の秘書がいる」とイメージしてください。
この秘書がどう進化してきたか、3段階で説明します。
| 段階 | 秘書の状態 |
|---|---|
| Function Calling | 秘書ごとに専用マニュアルが必要 |
| MCP | マニュアルが共通化された |
| MCP Apps | マニュアル共通化+報告形式が追加された |
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
Part 1: Function Calling(2023年6月〜)
AIが道具を使えるようになった
2023年6月、OpenAIが「Function Calling」を発表しました。これがAIが道具を使えるようになった起点です。

Before(Function Calling以前)
- ユーザー:「天気を調べて」
- AI:「晴れだと思います」(※想像で回答)
- 正確性に欠ける
After(Function Calling以後)
- ユーザー:「天気を調べて」
- AI:天気APIを呼び出し
- AI:「東京は晴れ、気温25℃です」(※実際のデータ)
- 正確なデータ
これで、AIが「想像」ではなく「実際のデータ」に基づいて回答できるようになりました。
この時代の課題
ただし、Function Callingには課題がありました。

各社がそれぞれ独自の形式を採用していたんです。
- OpenAI → 独自の形式
- Claude → 独自の形式
- LangChain → 独自の形式
全部に対応するの大変…
ツールを作る側からすると、「OpenAI用」「Claude用」と個別に対応しなければならず、コストがかかりました。
秘書のたとえ ①
秘書ごとに専用マニュアルが必要
「この秘書にはこのマニュアル」「あの秘書には別のマニュアル」と個別に用意しなければならない状態です。
- 秘書Aには「マニュアルA」
- 秘書Bには「マニュアルB」
- 秘書ごとにマニュアルが違う
→ 頼む側が大変
Part 2: MCP(2024年11月〜)
共通規格の誕生
2024年11月、Anthropicが「MCP(Model Context Protocol)」を発表しました。
これは「道具の使い方の共通規格」です。公式サイト(modelcontextprotocol.io)では、仕様やSDK、サンプル実装が公開されています。

Before(MCPなし)
- AIごとに専用の連携プログラムが必要
- ツールが増えるごとにコストが増大
After(MCPあり)
- 共通の規格でどのAIからも接続可能
- 一度用意すれば使いまわせる
USBケーブルをイメージしてください。昔は機器ごとに専用ケーブルが必要でしたが、USBで統一されたことで、どの機器でも同じケーブルで接続できるようになりましたよね。MCPはそれと同じです。
MCPで何が変わった?

できるようになったこと
- OpenAI、Claude、Gemini…あらゆるAIが同じ規格でアクセス可能
- 1つの規格で全部OK
まだ残る課題
- 報告がテキストのみ(「タスクを作成しました」)
- 結果を確認するにはアプリ自体へアクセスが必要
- 画面の切り替えが必要
秘書のたとえ ②
マニュアルが共通化された秘書
「この共通マニュアルで頼めば誰でも同じように動く」状態になりました。
- どの秘書にも同じマニュアルで依頼できる
- 報告は「できました」と口頭のみ
- 結果は自分で見に行く必要がある
Part 3: MCP Apps(2025年11月〜)
口頭報告 → ビジュアル報告
2025年11月、AnthropicとOpenAIが「MCP Apps」の提案を開始しました。そして2026年1月、Claudeで「Interactive Tools」として正式リリースされました。

Before(MCP)
- AI:「タスクを作成しました」(テキストのみ)
- ユーザー:「本当に?どんな感じ?」
- → Asanaを開いて確認…ブラウザ起動、ログイン、検索…
- 確認に手間がかかる
After(MCP Apps)
- AI:「タスクを作成しました」
- → その場でAsanaのタスクカードが表示される
- ユーザー:「これを少し修正して…」(その場で操作)
- その場で確認・操作できる
Claudeの Interactive Tools(2026年1月26日発表)
Claudeで使えるようになったアプリは現在10個です。
| アプリ | アプリ | アプリ |
|---|---|---|
| Figma | Asana | Slack |
| Canva | Box | Amplitude |
| Hex | Clay | monday.com |
| Salesforce(予定) |
これはぜひ、Claudeが出しているYouTubeをのぞいてみてください。めっちゃワクワクしますよ。
参考: Interactive Tools in Claude – Anthropic
秘書のたとえ ③
マニュアル共通化+報告形式が追加された秘書
「できました」だけでなく、書類を目の前に広げて見せてくれるようになりました。
- 共通マニュアル+報告テンプレートが追加
- 報告と同時に結果が見える
- 別のアプリを開く必要がない
今後どう変わる?

1. 対応アプリ拡大
Asana、Salesforce(近日公開)、さらに続々…
2. Claude Cowork
チームでの共同作業に、AI + チームがリアルタイム協働する世界へ。
3. パラダイムシフト
- 今まで:ユーザー → アプリに行く
- これから:アプリ → ユーザーのところに来る
AIが統合インターフェースになる時代が来ています。
まとめ:3段階の進化
| 段階 | キーワード | 秘書のたとえ |
|---|---|---|
| ① | Function Calling | 秘書ごとに専用マニュアル |
| ② | MCP | マニュアルが共通化 |
| ③ | MCP Apps | 共通化+報告形式が追加 |
AIへの仕事の頼み方と、報告の受け取り方が進化したのがこの3段階です。
歴史年表
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2023年6月 | OpenAI Function Calling 発表 |
| 2024年11月 | Anthropic MCP 発表 |
| 2025年3月 | OpenAI MCP採用 |
| 2025年4月 | Google MCP採用 |
| 2025年12月 | Linux Foundation へ寄贈 |
| 2026年1月 | Interactive Tools 発表 |
「アプリに行く」時代から「アプリが来る」時代へ
この記事で伝えたかったのは、この一言に尽きます。
「アプリに行く」時代から「アプリが来る」時代へ
今までは、Notionを使いたければNotionを開き、Slackを使いたければSlackを開き…と、私たちがアプリのところに行っていました。
これからは、AIに話しかけるだけで、必要なアプリが私たちのところに来てくれる時代になります。
AIエージェントの進化は、まだまだ続きます。この3つのキーワードを覚えておくと、今後のニュースも理解しやすくなるはずです。
- Function Calling: AIが道具を使えるようになった起点
- MCP: 道具の使い方の共通規格
- MCP Apps: 結果をビジュアルで見せてくれる
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


