RKSを知る! 連載第14回目 :マネージドKubernetesサービス比較調査 –クラウド別サービス編

はじめに

「RKSを知る!」の連載第14回目の記事としまして、各クラウドベンダが扱っているマネージドkubernetesサービス以外にどんなサービスがあるのか、どういった事が出来るのかを比較し、各クラウドベンダ別の違いを解説したいと思います。

本連載についてはリンクページを用意していますため、概要や連載記事は下記URLからご確認ください。
RKSを知る! 概要&連載リンク集

各クラウドベンダのサービス

各クラウドベンダが取り扱っているサービスにそれぞれ特色があり、RidgeCloudも他のクラウドベンダと異なる特性を有しています。
各クラウドベンダがどのようなサービスを取り扱っているか、簡単に例題を取り上げ、RidgeCloudと比較してみたいと思います。

今回も比較対象としてはAWSとAzureを対象としています。

RidgeCloudのサービス

RidgeCloudにて取り扱ってサービスは2021年5月現在、RKSやRCSといったマネージドコンテナサービスに限定されています。
まだまだクラウドベンダとしては後発であるため、他クラウドベンダに比べ、サービスは限定しており、現状ではコンテナやKubernetesクラスタを提携先のデータセンター上に展開する機能に特化させていると言えるでしょう。
将来的にはオブジェクトストレージサービスであるROS(Ridge Object Storage)や各コンテナ、クラスタに向けたマネジメントモニタリングサービスを提供する予定となっています。

AWSのサービス

AWSにて取り扱っているサービスは多岐に渡り、総サービス数は239に上ります。

取り扱っているサービスとしては、EC2やVPCといった基本的なサーバ、ネットワーク、ストレージサービス以外にも、ログの一元管理サービスであるCloudwatchやサービス一元構築をIaCで実施するCloudFormationなど、様々なサービスを展開しており、監視、ログ管理、構築以外にも機械学習やバックアップ管理、権限管理など、運用や専用的な開発環境提供まで行っており、運用環境をAWSサービス一つで統一することが可能となっています。

AWSのサービスとして現在稼働している中には、元々他社製品だったサービスも存在しており、例えばAWSのWebコンソールサービスであるCloud9は買収により、サービスとして取り込んでいます。
合併・買収によりAWSに組み込んだサービスも多数存在するため、各周辺サービスを組み合わせて十二分に活用するには非常に幅広い知識が必要となります。

Azureのサービス

Azureにて取り扱っているサービスは今回の比較対象の中でも、最も多く、273に上ります。

サービスは20の項目に分類され、基本的なサーバやネットワーク以外にも、IoTやブロックチェーンなど、専門性が強いサービスやDevopsといった運用効率化に特化したサービスなど、非常に幅広くサービスを展開させています。
そのため、AWS同様、Azureのサービスで統一し、様々な業態のサービスを展開することが可能となっています。

Azureも同じく、Microsoftが買収した他社サービスをAzureサービスとして組み込み、Azureを拡大しています。
例えば仮想化ネットワーク分野にて、Affirmed NetworksとMetaswitch NetworksをMicrosoftが買収することで、Azureの5G対応を進め、Azureプラットフォームの拡張等を行っています。
そのため、Azureを活用する場合、Azure自体の知識も含め、各サービスに対する非常に幅広い知識が必要となっています。

各クラウドベンダのサービス特徴比較

それぞれの特徴や取り扱っているサービスの種類を比較した結果を表にまとめてみました。

RidgeCloudとその他のクラウドベンダの周辺サービスについて、簡単に比較した結果、

  • 使用可能なサービス数は少なく、2021年5月現在、マネージドコンテナサービスとマネージドkubernetesサービスのみ取り扱っている
  • 他のクラウドベンダよりも専門性は低いため、コンテナやKubernetesの知識があれば、すぐにマネージドサービスを活用し、コンテナやKuberneteクラスタを使用することが出来る。

ということが分かりました。

RKSでのミドルウェア利用

ここまでRidgeとして提供しているのはRCSやRKSといったマネージドコンテナ、マネージドkubernetesサービスのみであるとここまで解説しました。

となるとAWSやAzureのようにログ管理やNode監視を行うのみ、クラウドサービスを利用することは出来ません。

そのため、RKSにてクラスタのログ管理やNodeの死活監視、Kuberneteクラスタと連携したCI/CD環境の構築を行うには、OSSや他社製品のミドルウェアをPodとしてクラスタ上で稼働させる必要があります。

DockerHub上ではZabbixやPrometheusといった運用監視系のOSSのイメージや、その他、各要件に対応したイメージが多々存在します。

RKSにて要件に適したクラスタ環境を構築するにはオンプレミス環境と同じように、OSSや他社製品のミドルウェアの知識と環境の構成情報を作成する知識が必要となります。

逆に言ってしまえば、他クラウドベンダに比べ、クラスタへの制限設定が少ないため、OSSにより柔軟な環境を構築することが可能であるとも言えます。

あとがき

今回は連載第14回目としまして、Ridgeと他のクラウドベンダが扱っているサービスについて、特徴などを比較し解説しました!
Ridgeはまだまだ出始めのクラウドサービスであるため、サービス数としては他のクラウドベンダと比較するほどの数はありませんが、専門性が低く、コンテナの知識があればすぐに使用可能であることが分かったと思います!

次回更新もRKSと他のマネージドKubernetesサービスとの比較から、RKSのユニークな点に迫りたいと思います!


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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