「Azure」上に、Elasticsearch、Kibana、Fleet Serverを含むElastic Stackの検証環境を「Self-Managed」方式で構築するための詳細な手順書(ホワイトペーパー:Azure上へのElastic検証環境構築手順書(Self-Managed版))を公開しました。
なぜSelf-Managedなのか?
Elasticの環境をAzure上に構築する方法には、主に4つの選択肢があります。Elastic Cloud HostedやServerlessといったマネージドサービスを利用すれば、手軽に環境を用意できます。しかし、本手順書が取り上げるSelf-Managedは、Azure上に仮想マシン(VM)を作成し、その上に自前でElasticsearchなどをインストールする方式です 。
この方式の最大のメリットは、「細かい設定が可能」という点です 。特定のセキュリティ要件や複雑なネットワーク構成、またはカスタマイズされた運用ポリシーを検証したいエンジニアにとって、この自由度は大きな魅力となります。
本手順書で実現できること
本書は、VMの作成から始まり、Elastic Stackの主要コンポーネントのインストールと設定、さらには運用に欠かせない機能の構築までを網羅しています。
- システム・ネットワーク構成の定義: Elasticsearchノード(es01-vm, es02-vm, es03-vm)3台、Kibana(kibana-vm)、Fleet Server(fleet-server-vm)1台ずつの計5台のVM構成と、プライベートIPアドレス中心のネットワーク構成を明確に示しています 。
- VM作成からElasticsearchインストール: Azure PortalでのVM作成手順(リソースグループ、ネットワーク、セキュリティ設定など)を画面キャプチャ付きで詳細に解説 。Elasticsearchのコアな設定ファイルである
elasticsearch.ymlの編集内容についても、クラスター構成(sios-dx1)やSSL/TLSセキュリティ設定を含めて具体的な記述例を示しています 。 - セキュリティの確保: ElasticsearchとKibana間の通信暗号化のために、自己認証局(CA)を用いた証明書と秘密キーの生成手順を詳しく説明 。また、Bastion経由での安全な接続設定やNetwork Security Group(NSG)のポートルール設定(Elasticsearch: 9200-9300、Fleet Server: 8220、Kibana Nginx Proxy: 443/80)も網羅しています 。
- KibanaとNginxの設定: Kibanaのインストール後、外部Webブラウザからのアクセスを可能にするため、Nginxをリバースプロキシとして導入し、HTTPS通信(443ポート)を内部のKibana(5601ポート)へルーティングする設定を解説しています 。さらに、Let’s EncryptのCertbotを使ったサーバー証明書の発行手順も収録 。
- 運用に役立つ機能の構築:
- Snapshot(バックアップ): Azure Blob Storageを利用したスナップショットリポジトリの作成方法、アクセスキーの設定、および定期的なスナップショット作成のためのポリシー設定(ILM)手順を詳しく解説 。
- Fleet Serverのインストール: Elastic Agentの一元管理に不可欠なFleet Serverの導入手順を、Kibana画面からの設定とVM上でのコマンド実行の両面から手順化しています 。
- アップグレード検証: v9.2.0で構築した環境を、最新版のv9.2.1へアップグレードする手順を、ノードタイプごとの推奨順序に従って解説しており、ダウンタイムを最小限に抑えるためのノウハウも含まれています 。
VMの構築から、きめ細かなElasticsearchの設定、Kibanaのセキュリティ強化、そして無停止アップグレードのノウハウまで、詳細な手順をこの一冊に凝縮しました 。Elastic Stackのセルフマネージド環境の構築・運用標準化に向けた詳細なテクニカル資料として、ぜひダウンロードし、貴社の検証プロジェクトにお役立てください。
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