こんにちは
PS/SLの佐々木です。
今年もWebxに参加してきました。
私が聞いたセッションや議論した内容で興味深かったものをいくつか紹介します。
webxとは
webxとは国内最大級のweb3カンファレンスです。
日本語英語問わず、様々なバックボーンを持ったスピーカーがスピーチやパネルディスカッションを行ったり、ネットワーキングエリアで交流したり、スポンサーブースで製品紹介をしていたりするイベントです。
web3はまだまだ発展途上な技術でありこれから、有用なユースケースの創出やブロックチェーンエコシステムのさらなる開発などマスアダプションに向けてまだまだ課題がある現状です。
そしてwebxではそれらの課題に対する取り組みの成果発表や新しい製品の発表、政治・政策的な取り組みやVCの方たちの注目している投資先など様々な視点からweb3に関する見え方の話が聞ける非常に興味深いイベントになっていましたのでいくつか私の印象に残った話をいくつか紹介します。
日本政府の政策について
日本のweb3政策では平議員がweb3PTの座長をしており、ホワイトペーパーも出されておいり日本のweb3政策の旗振りをしてくださっている印象を私は持っており、今回のwebxでも複数のセッションで登壇されていました。
日本のweb3に関する取り組みの大きなポイント一つ目は税制です。
今までは法人税が期末時価評価課税という制度がとられていましたが、これが対象から除外されました。
そして次の問題としてあるのが課税区分が雑所得になるという点です。
こちらはまだ改正されていませんが、 利益に対する課税が株式等と同じ扱いになるとより暗号資産を保有しやすくなります。これの背景としてあるのはビットコインETFの出現が関係しているようです。
新規でweb3のビジネスを行いたい場合にはいくつか問い合わせ対象があるようです。
- 経産省
- 内閣官房 新しい資本主義事務局
- 金融庁
- イノベーション推進室 Fintechサポートデスク
web3マスアダプションに向けて必要なこと
マスアダプションに向けての議論は様々なカンファレンスで最も議論されている内容だと思います。
今年はマスアダプションに向けて以下のような内容が語られていました。
- 責任の所在
- 分散システムなので事実上の管理者は存在しない
- そのため何かトラブルが起こった際の責任の所在が不明になってしまう
- 例えばウォレットの秘密鍵を紛失した場合など
- 本人確認の方法
- ゼロ知識証明
- 技術として非常に難しい
- 現在は生体認証を用いて検証をするのが主流?
- ゼロ知識証明
- スケーラビリティ
- かなりパフォーマンスが出るチェーンは出現してきている
- しかしまだブロックチェーンを使用していることをユーザーが意識するレベルにある
- AIとの共存
- 今まではプラットフォーマーに管理されていたデータがブロックチェーン上に保存されていくことが期待される
- これにより、AIがどのようなデータを学習しているのか検証が可能になりより安全なAIの利用が可能
- 突然AIが使用できなくなったりするリスクも減る
- しかし個人情報保護などの課題も多い
私の聞いたセッションでは上記のような内容が主に話されている印象でした。
去年まではインターオペーラビリティ(チェーン間のデータの相互運用)やスケーラビリティの問題が主に語られている印象でしたが、今年度は社会実装に向けての議論が多かった印象です。
日本で期待されているユースケース
日本が持っているIPを活用したサービスであったりブランドのリブランディングが挙げられていました。
IP活用
日本はアニメやキャラクターをはじめとする様々な世界的なIPが存在する。
これらのアニメキャラをメタバース空間で使用してみる実験や二次創作作品の権利をNFTで管理していくことで原作者、二次創作者どちらにもメリットのある仕組みを生み出して行けたりする。
また最近は個人がTwitterを使用してIPを生み出すような事例があり、ブロックチェーンを使うことで個人が企業に対して権利を主張できたりする可能性があり、権利保護の分野での活用が期待されています。
リブランディング
日本酒や梅酒は世界基準で見たときにかなり安価である問題がある。
これをブロックチェーンを使って製造過程のトレース情報や製造、品質情報をブロックチェーンで管理していくことで、製品の価値基準を世界標準に引き上げることでリブランディングを図る施策がある。
企業ブース
企業ブースでは様々なデモや技術者の方のお話を聞けたりディスカッションを行うことができ非常に有意義な時間でした。
私は3時間ぐらいかけてほとんどのブースを回ったのですが、DID/VCのデモを拝見することができたり、Ripple社のXRPの技術動向や使用するユースケースを聞けたり、Dappsを作成する際の共通の課題感を技術者同士で共感しあえ、各企業がどのような取り組みを行っているのかといった情報を交換できたりと非常に有意義な時間になりました。
企業様のブースを見て回っているとWalletを提供している企業さんと取引所を提供している企業さんが非常に多く、いったいどれを使えばいいやらといつも思っています(笑)
全体を通して
今年のwebxもすごい盛り上がりでweb3系のイベントは本当に派手でお祭りのようなイベントが多いなと思いいつも楽しませてもらっています。
個人的には技術的な話しはもちろんですが、普段意識的にキャッチアップできない業界の話や海外と日本のトレンドの違いを聞けるのが非常にありがたく参加しています。
web3は半分以上英語のセッションなので話を翻訳しながらメモを取るのは非常に難しいので、英語はもっと勉強しないとなぁといつも思わされますね。。。
また今回は私の大好物であるレッドブルが無限に配られていてたくさん飲めました。うれしい。
あと最後にオードリータンさんと安野貴博さんの講演を聞けたのがとてもうれしかったです。
イベントの様子