先日、春のCloudNative Days が多数の参加者を集めたように、今、「クラウドネイティブ」をキーワードにしたニュースやイベントが増えています。
しかし、クラウドネイティブという言葉だけを見ると、パブリッククラウドの話だけに見えてしまうこともあり、本質的には分からないといった声もよくききます。
そこで、「クラウドネイティブ」について、理解を深める第一歩となる情報を紹介します。
まずは、クラウドネイティブという言葉を含めて普及におおきな影響のある Cloud Native Computing Foundation(CNCF)について紹介します。
公式サイト: https://www.cncf.io/
CNCFは、Linux Foundationが支援するプロジェクトの1つです。Linux Foundationは、2000年に元々Linuxの普及を目的に設立された非営利団体 (NPO) です。Linuxの父 Linus Torvaldsがフェローとして活動していることも有名です。
Linux Foundationは、活動を進めるつれて、彼らの持っているコミュニティ運営のナレッジ、著作権に対する知識等のノウハウを活用して、他のオープンソースプロジェクトを支援する要望が高まり、今は、Linux以外のさまざまなオープンソースプロジェクトを支援しています。
その1つが、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)です。CNCFは、2015年に創設されました。ベンダー中立の立場で、クラウドネイティブテクノロジーを支えるユーザーやコミュニティのエコシステムを維持、発展をすることを支援しています。
CNCFでは、「クラウドネイティブ」の定義、クラウドネイティブを実現するためのロードマップをとして取り上げられることも多い「Cloud Native Trail Map」を作成しています。
これらについては、以下のサイトに紹介されていますので、参考にしてください。
クラウドネイティブの基礎知識 ークラウドネイティブを実現するロードマップ「Cloud Native Trail Map」を読み解くために 、ThinkIT の記事から一部紹介します。
「クラウドネイティブ」の定義で気になったところは、
「クラウドネイティブ技術は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドなどの近代的でダイナミックな環境において、スケーラブルなアプリケーションを構築および実行するための能力を組織にもたらします。」
の部分です。
クラウドネイティブは、パブリッククラウドでの環境だけを指すわけでないということです。Microsoft Azure Arc、Amazon Outposts、Google Anthosなど、ここところハイブリッドクラウドソリューションが発表されて、話題を集めているように、ハイブリッドクラウド環境においても、クラウドネイティブテクノロジーは、重要な役割を示すのだと思います。
Cloud Native Trail Map を理解するためには、以下の記事が参考になります。
クラウドネイティブ活動の指針として、CNCFのCloud Native Trail Mapをどう考えるか (@IT)
Cloud Native Trail Mapで紹介されているさまざまテクノロジーやソリューションには、まだまだ日本語の情報が少ないなど、理解するには大変なところがあると思います。そこで、まず最初に、Cloud Native Trail Map についてどう捕らえるかということを考えてみることで、最初の一歩となるのではと思います。
今年の後半には、ますますクラウドネイティブやクラウドネイティブテクノロジーについて、紹介される機会や検討することも多くなると思います。まずは、最初のきっかけに、今回紹介した記事を読むのはいかがでしょうか?